そもそも「性」とは何のことかを考えなくてはならないと思います。
一口に「性」と言ってもさまざまで、セックスのこと、思春期の体の変化にとどまらない問題だと思います。
性は人間にうまれ、ある一定の年齢になれば避けては通れない問題です。
さらに性によって生じる悩みもあり、それで子どもたちが葛藤しているのであれば大人が教えたり、相談するべきではないかと思います。
いやらしい問題、不真面目な問題と捉える向きが強いですが、そんなことはなく、性の悩みで身を滅ぼす人もいてかつ解決されればその後の人生も変わるくらいの大きな問題だと思います。
快楽や遊びにとどまるものではないものです。
しかし、そこに現在の性の問題があるのだと思います。
つまり、性についての価値観が狭いということです。
性を短絡的にセックス、快楽、遊びとしか捉えないことです。
それは思春期を迎えた子どもに真面目に性と向き合わせずに、責任ある周りの大人が隠すことによって、快楽を強調した商業(儲け第一主義)ベースにのった性情報しか接することが出来ないことによる悲劇だと思うのです。
商業ベースといいましたが、それによって、売り上げを少しでも上げるために、快楽的な要素を強め、時には事実とはことなる情報を流すことです。
性はもちろん快楽の要素はありますが、それだけではありません。
基本は生殖のためのものであり、生き方そのもに関わるものでもあります。
たとえば彼女や彼氏、あるいは夫や妻の存在、あるいはセックスがつらい人生を乗り越える力になることもあるでしょう。
また好きな異性から振られたり裏切られたせいで、人生がめちゃくちゃになることだってあるのです。
また望まない妊娠によって関係が崩壊したり生れた子どもが不幸になることもあります。
またエイズを中心とした病気の問題だってあります。
子どもの性について見れば、中高生が望まない妊娠によって将来を台無しにした例もありますし、無知をいいことに悪い大人のおもちゃにされ、心も体もボロボロにされてしまうこともあります。
欲望をコントロールできずに、女の子に暴行してしまったり、欲望を押さえ込むあまりに自己嫌悪に陥ってしまうこともあるでしょう。
これだけを見ても、生きることそのものに大きく関わっているものだということが分かると思います。
日本の性教育はどうあるべきか、という質問がありますが、これもなかなか難しい問題だと思います。
算数や国語のようにマニュアル化してどこでも均一に出来るものではないと思います。
知識だけなら興味本位に終わってしまう可能性がありますし、やり方如何で結果が大きく変わってしまうものだとも思います。
ただ、親や教師など身近な大人が子どもの疑問や悩みに答えられるようにすることは大切だと思います。
子どもが体の変化、心の変化を肯定的に真正面から受け入れることができるようにすることがまず重要だと思います。
そして商業ベースにのった性情報(アダルト雑誌、ビデオ、出会い系、風俗情報等)を吟味できるようにすることが大事だと思います。
(抽象的になってしまいました。)
性教育は何のため、ということもありますが、月並みな表現になってしまいますが、生きるために必要だということではないでしょうか?
時代や国・地域によって異なってくると思いますが、日本人がどのように性情報を得ていたかを考えて見ると、かつて農村では村の大人が性教育をしていた、ということが民俗学で指摘されています。
具体的に言えば、ある一定の年齢になると筆下し、水揚げといって童貞・処女を村の大人が奪う=大人になる儀式があったようです。
そこでセックスの仕方を伝授したといわれています。
しかし、その根底には現在と異なり快楽だけではなく、村を繁栄させるために子孫を残すための行為という意識が強かったようです。
快楽という楽しみの一方で、自分たちの生存のためのセックスという重い意味があったと考えられます。
それ以外でも、年上のお兄さんから教わることもあるでしょうし、意識のある家庭では親が教えることもあるでしょう。
現在では体が子どもを産めるようになる時期と社会的に大人として自立できる時期が一致していません。
このことが決定的に違うのかもしれません。
gakuinsaiさんの思春期はどうだったのでしょう?
これを知っていれば良かった、とか後になって思うところがあると思います。
僕についていえば、エロ本を読みすぎで女はだれもがやりたがってると本気で思っていた時期もありました。
やはり真面目に性を考える機会がほしかったと思っています。
時代によって目的も変わってくると思います。
現在子どもたちが生きる中で性について関わる社会的な問題(今で言うと援助交際、性の低年齢化、過度の商業化)とどう向き合うかがではないでしょうか?
お礼
自分は議長をする身なので自分だけの意見を推すのではなく、相手の意見も上手く受け止めていこうと思います。 ありがとうございます