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人命救助の最後の砦!過酷な任務に挑む!航空救難団になるためには?
記事の基になったQ&A
2025年4月より放映を開始する「航空自衛隊航空救難団」をテーマにしたドラマ、『PJ ~航空救難団~』。航空自衛隊全面協力をうたう本ドラマの告知をみて、気になった方も多いのではないでしょうか。航空救難団ってどういう仕事?どんな人がなれるの?そんな疑問にお答えします!
第一章:航空救難団とは?どんな仕事をするの?
航空救難団は、日本の航空自衛隊に所属する特殊部隊です。彼らの任務は、墜落した航空機の乗員救助や、山岳・海上での捜索救助活動など、多岐にわたります。そのため、極めて過酷な環境での活動が求められ、日本屈指のエリート部隊とされています。
・自衛隊の航空機に事故が発生した場合、その搭乗員の捜索救助をおこなう救難業務
・飛行場のない基地への人員及び装備品等の空中輸送業務
・国民の生命、及び財産をまもるための災害派遣
などが活動内容として挙げられます。
モットーである「THAT OTHERS MAY LIVE(他の人々を生かすため)」のもと、東日本大震災や能登半島地震などの大規模な災害派遣だけではなく、これまでも多くの人命を救ってきました。
第二章:航空救難団になるにはどうしたらいい?
航空救難団の隊員には、高い身体能力、冷静な判断力、優れた水泳能力、そして強靭な精神力が必要です。また、ヘリコプターからの降下や、水難救助のための特殊訓練を受けるなど、他の部隊とは一線を画す過酷な訓練をこなさなければなりません。
- 航空救難団になるには?年齢制限はある?
- 競争率はどのくらい?
- 年収はどのくらい?
航空救難団になるには?年齢制限はある?
航空救難団になるためには、まず航空自衛隊に入隊し、その後選抜試験に合格する必要があります。そのため、入隊時の年齢制限が大きく影響します。採用年齢は近年引き上げられている傾向がありますが、「採用予定月の1日において18歳以上33歳未満」という条件から、34歳以上はそもそも入隊の資格がありません。
また、年齢を問わず同じ基準で評価されるため、年齢が上がるほど若い訓練生以上の体力面、気力面での優位性を求められるでしょう。
競争率はどのくらい?
航空救難団は、航空自衛隊の中でも最も厳しい選抜と訓練を受ける部隊の一つです。特に、救難員(メディック)になるのは非常に難易度が高く、選ばれた人しかなれません。自衛隊として求められる基礎体力以上の体力、様々な救難現場に対応できる身体能力、極限状態を耐えうる精神力、過酷な状況でもミッションを遂行できるチームワーク力など、これらの試験を突破したごく一部の人が救難員としての訓練を受けられます。
また、選抜されてからも厳しい訓練が続きます。
- パラシュート降下訓練(ヘリや輸送機からの降下)
- 山岳救助訓練(雪山や岩場での救助)
- 海上救助訓練(荒れた海での救助活動)
- サバイバル訓練(遭難者として過酷な環境で生き延びる訓練)
- 医療訓練(応急処置・止血・気道確保など)
「どんな状況でも生き延びて救助活動を続ける」ことが求められるため、並外れた体力・精神力が必要です。
また、航空救難団のパイロットになるには、航空自衛隊のパイロット養成課程をクリアした上で、救難機の操縦を学ばなければなりません。特にUH-60J(ヘリ)やU-125A(捜索機)を操縦するには高度な技術が必要です。
航空自衛隊公式サイトに「パイロットへの道」というコンテンツがありますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
年収はどのくらい?
自衛隊は公務員ですので、階級に紐づく給与体系になり、一般的な公務員と同等以上の給与が払われます。ただ各種手当によって、航空自衛隊員の給与は陸、海よりも年収が高くなる傾向にあります。
自衛隊が公表している特殊手当込みの年収比較例だと下記となっています。
隊種 | 職種 | 年収(概算) |
---|---|---|
陸上自衛隊 | 特殊作戦隊員 | 約7,171,000円 |
海上自衛隊 | 乗組員 | 約7,704,000円 |
航空自衛隊 | 戦闘機操縦士 | 約8,835,000円 |
参考:Q32自衛官独自の手当にはどんなものがあるの?(防衛省・自衛隊公式サイト)
以下、QAより引用
航空自衛官と言ってもパイロットだけじゃないので、パイロット以外でしたら身体基準はそれほど厳しくありません。防衛大学校や航空学生はどちらかと言うと少数派です。多くは一般隊員として入ります。かつては自衛隊生徒と言うのがあって、中卒者を対象とした教育隊があったのですが、無くなってしまいました。現在、航空自衛官になる道は18歳以上なので、今は慌てる必要はありません。
さて、航空自衛官の職種ですが、パイロットの他に整備、官制、補給など非常に多種多様です。パイロットにしても戦闘、輸送、救難などと多様で、使う機種も異なり、教育課程も違います。
まずは近くの募集事務所を訪ねて、広報官に相談されるのが良いでしょう。そこで、どんな職種があり、その仕事の内容など色々な疑問に答えてもらえます。部隊見学などのイベントにも参加できますよ。
女性自衛官も男性とほとんど同じ仕事をしています。「2等空士(女子)」の試験での入隊なら、基地の警備を担当する職種や、救難員(海猿のようなもの)以外は全て女性がいます。戦闘機の整備も、航空管制官も、レーダーのメンテナンスも、ペトリオットミサイルの整備操作も全て女性自衛官がいます。もちろん、総務、人事、会計、厚生といった事務職は言うまでもありません。女性らしい職種といえば、特別輸送航空隊(政府専用機)のFAや、衛生隊の看護師、給食の調理師や栄養士などあります。
確かに、体力面などでは男性に劣る場合もあるかもしれませんが、航空自衛隊の場合、体力、力だけに頼る業務というのは余りありません。女性でも十分に活躍できる業務内容が多いと思いますよ。私の知る限りでは、特別な差別無く公平に仕事をしています。昇任なども同様です。ただ、一部の勤務地には施設の関係から女性が転勤所属出来ない基地がありますけど・・・。
【質問】救難員の合格者倍率はどのくらいでしょうか?又、受験者は多いですか?
【回答】募集は原則 年に一度、人員も数名程度、そこに全国の部隊から(多いときでは数十名もの)応募があるようなので、いつでも倍率は高いようです。また、内規なのか慣習なのか、ちょっと不確かですが、同一人の応募は3回までが限度でそれ以上は”なかなか推薦してくれない”とも聞きます。頑張って立派なPARA-MEDICになってください。
第三章:航空救難団にむいていない人の特徴は?
航空救難団は、誰でもなれるわけではなく、適性が非常に重要な職種です。特に以下のような人は向いていない可能性があります。
1. 体力・持久力が不足している人
航空救難団の任務では、長時間の移動や重傷者を背負っての救助活動が求められます。そのため、持久力や筋力が不足していると活動が難しくなるでしょう。
2. 泳げない・水が苦手、高所や閉所が苦手な人
海上や水難事故での救助活動が多いため、水中での活動能力は必須です。長距離を泳ぐ能力や、水の中で冷静に行動できる力が求められます。また、ヘリコプターからの降下や、狭い空間での救助活動が多いため、高所恐怖症や閉所恐怖症の人には厳しい環境です。
3. 極限状態で冷静に行動できない人
救助活動は、嵐の中や崩れかけた建物内など、極限状態で行われます。パニックになりやすい人や、冷静な判断ができない人には厳しい環境です。
4. チームワークが苦手な人
自衛隊は厳格な規律のもとで運営されており、ルールを守れない人や勝手な行動をする人は問題となる可能性があります。また、航空救難団はチームでの連携が最も重要な部隊です。自己中心的な行動をしたり、協調性のない人は向いていません。
まとめ
「航空救難団になりたい!」という強い意志があるのなら、適切な準備をして挑戦することが可能です。 もし興味があるなら、今すぐにでも体力強化や水泳の練習を始め、夢の実現に向けて行動を起こしましょう!また、こうした人たちが有事の際活躍しているということを胸にとどめ、たとえ航空救難団ではなかったとしても、大変なときは冷静に、周囲の人と協力して乗り切る気持ちを忘れないようにしたいですね。
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