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イギリス王室は何処から来たの?

tiuhtiの回答

  • tiuhti
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回答No.3

ハノーヴァーからGeorgeⅠが迎えられたのは、名誉革命(The Glorious Revolution)でカトリックのJamesⅡを追放したプロテスタント勢力(=議会)が、「王位はプロテスタントに限る」事にした為です。GeorgeⅠは、プロテスタントの中では血筋の点で最も近かったのですが、血筋上で、より強い王位継承権を主張できるカトリックが50人ほどいたとの事です。実際、JamesⅡの子孫が王位奪還を図り、孫のCharles Stuartは主にスコットランド北部からの兵を率いて、スコットランドからイングランド中部までに攻めこんでいます。 ノルマン人の征服以降の「○○家」と区別される血筋の王が位についた例を全部あげると、 1. ノルマンディー家からプランタジネット家へ(1154年) HenryⅠから、Stephen(HenryⅠの甥)とMatilda(HenryⅠの娘)の王位継承の戦いをはさんで、HenryⅡへ(Matildaの子)。 2. プランタジネット家からランカスター家へ(1399年) RichardⅡからHenryⅣ(RichardⅡの従兄弟)が王位を簒奪(RichardⅡは、王位を奪われた後、餓死させられたとされる。) 3. ランカスター家とヨーク家の王位争奪戦(ばら戦争/1455~85年) 長くなるので説明はパス 4. ヨーク家からチューダー家へ(1485年) HenryⅦがヨーク家のRichardⅢをボスワースの戦いで破り王位につく。(RichardⅢは、戦場で斃れた最後のイングランド王) 5. チューダー家からスチュアート家へ(1603年) 既に他の方から説明があった通り 6. スチュアート家からハノーヴァー家へ(1714年) 他の方からの説明及び冒頭に説明した通り 7. ハノーヴァー家からサクス・コーバーグ・ゴータ家(現在はウィンザー家)へ(1901年) 既に他の方から説明のあった通り。 新王よりも、正統性の点ではより強く主張できる、王家の血筋をひく者が他にいた例もあります。(例えば、RichardⅡは、別に後継者を指名している。) 何をもって「正当な王位継承者」とか「王統が絶えた」というかは定義の問題だろうと思いますが、「ムリヤリ絶やした」と言える例も結構あるので、「王家の正統後継者が絶えると、その王家の血縁の別の家が王位につき、新しい王家となって継承されて来た」と言うと、かなり印象として違うような気がします。但し、ハノーヴァー家に限って言うなら、「当時の政治状況からしてカトリックは正統とは言えない」と考える立場からは、正当な後継者が絶えた、と言ってもいいのかも知れません。 いずれにせよ、イギリス人は、まじめに学校の授業を聞いていれば、上記の様に、「王位が絶えた」というよりも、むしろ「王位争奪の為の戦い」というべきものが何回も繰り広げられた話を習ったのを覚えているはずです。ランカスター家とチューダー家のそれぞれの王位獲得の経緯は、シェークスピアの劇にもなっていて結構有名ですから、いわゆる「教養人」が知らない事はまず考えられません。 他のヨーロッパ諸国については、スコットランドでのスチュアート家が王位についたのや、フランスのカペー朝の成立ぐらいしか知らず、あまり詳しくありませんが。戦前の日本が「万世一系」といって威張っていたのを考えると、日本の方が珍しい例なのかも知れませんね…。例えばチューダー家の創始者のHenryⅦは父系の血筋で言えばウェールズ人って事になりますが、それでもランカスター派のイングランド王の最有力候補になりました。日本だったら、こういうのはどのように解釈されていたでしょうか。 尚、本質的な問題では全くありませんが、ノルマン征服の頃には、Prince of Walesはまだいませんでした。それが出てきたのは13世紀です。また、いた時期でも、Prince of Walesはあくまでウェールズ系領主の君主であって、ウェールズ内のノルマン系領主との関係は、両方ともイングランド王に忠誠を誓う同輩、とも言えます。

nobu_s
質問者

お礼

大変詳しくありがとうございました。世界的には万世一系の方が珍しいのですね。目から鱗が落ちました。

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