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集合の上限と下限についての理解方法
Caperの回答
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● ( 次の文章は、2011/05/21/Sat の午前中に記述しました。そして、2011/05/22/Sun の午前中に一部を手直ししました ) RY0U さん はご質問の文章の中で、次のとおりに記述なさいました。 A を 実数 ( 全部の集合 R ) の部分集合とするとき、 実数 a (∈ R) が A の「 上界 」であるとは、 A の任意の 元x (∈ A) に対して、 x ≦ a が成り立つことである。 そのなかで、「 最小の上界 」を「 上限 ( もしくは最小上界 ) 」と言う。 上記の記述における「 上界 」についてですが、「 上界 」は R の 1つ の元を指していますよね。「 上界 」は上記の条件を満たした R の元を指していて、集合を指してはいません。 そこで、A の「 上界 」全部をかき集めた集合を、A^* (= A の右肩に * 印 をあしらった記号 ) と表わすことにします。この A^* が空集合でないときの 集合A^* の 最小元 min A^* が「 集合A の『 上限 ( もしくは最小上界 ) 』」と呼ばれるものです。すなわち、A^* が空集合でないときに存在する min A^* が sup A です ( すなわち min A^* = sup A)。 R における最小元の定義は、次のとおりです。 「 R の 部分集合S が定められるとき、S の任意の 元s に対して s ≧ s' を満たすような S の 元s' が存在するならば、その s' を S の最小元と呼び、min S と表わす 」 この定義で注意すべきは、R の 部分集合S に 最小元 min S が存在する場合、その 最小元 min S は 集合S に含まれる元であるということ、すなわち min S ∈ S であるということです。 話は戻って、「 集合A の『 上限 ( もしくは最小上界 ) 』」が存在する場合、その上限が 集合A に含まれるか否かは問われません。sup A ∈ A の場合もあれば、sup A ∈ A^c ( A^c は 集合A の補集合を指します ) の場合もあります。 ● ( 次の文章は、2011/05/22/Sun の午前中に記述しました ) ANo.4 と ANo.5 における OurSQL さん のご回答で、RY0U さん は納得されたと私は思います。いくつかの補足を、おせっかいではありますが、私にさせてください。 ■ 記号{} は集合を示すときに用いられることが多いです。下記の Web ページ の「 集合の記述法 」と「 外延性の原理 」という項目をごらんください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%86%E5%90%88 「 集合の記述法 」という項目では、次の 3つ の記述法が紹介されています。 1) {x| P(x)} 2) {x ∈ X| Q(x)} 3) {f(y)| Q(y)} 1) が基本的な記述法で、2) と 3) 略された記述法です。 RY0U さん がご質問の文章の中で紹介された Web ページ には、次の 4) のとおりに表記される集合が登場しますよね。 4) {1 - (1/n)| n ∈ N} この 4) は 3) の記述法を採用しています。これを 1) の記述法を用いて示せば次の 5) もしくは 6) のようになるのではないでしょうか。しかし、5) もしくは 6) のように表記するよりも、4) のように略記したほうが理解しやすいでしょうね。 5) {x| x は 有理数であって、x = 1 - (1/n) を満たすような自然数 n が存在する} 6) {x| (x ∈ Q)∧∃n((n ∈ N)∧(1 - (1/n) = x))} なお、5) における「 x は有理数であって、」については、「 x は実数であって、」「 x は複素数であって、」などと書き換えても問題ないでしょう。同様に、6) における「 (x ∈ Q)∧ 」については、「 (x ∈ R)∧ 」「 (x ∈ C)∧ 」などと書き換えても問題ないでしょう。おそらく … 。 ■ (a, b) = {x| x は実数であり、a < x < b である } = {x| (x ∈ R)∧(x > a)∧(x < b)} ここで用いられる 記号() は、1つ の開区間を示すときに用いられるものです。1つ の開区間は開集合です。開集合が 1つ の開区間であるとは限りません。 [a, b] = {x| x は実数であり、a ≦ x ≦ b である } = {x| (x ∈ R)∧(x ≧ a)∧(x ≦ b)} ここで用いられる 記号[] は、1つ の閉区間を示すときに用いられるものです。1つ の閉区間は閉集合です。閉集合が 1つ の閉区間であるとは限りません。 ● これまで、もっともらしく私は記述してまいりました。その記述の中にまちがいが含まれている場合は、ひらにごめんなさい。
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