• ベストアンサー

第二次世界大戦とイデオロギー対立

第二次世界大戦の側面として、「民主主義帝国とファシズム陣営というイデオロギー対立」があるというページを見つけました。 冷戦でのイデオロギー対立はわかるのですが、第二次大戦のイデオロギー対立とはなんなのでしょうか?

  • 歴史
  • 回答数4
  • ありがとう数3

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • caesar-x2
  • ベストアンサー率46% (251/542)
回答No.4

民族の迫害という問題はまた次元の違う話です。これは差別意識と、それを利用した政治手法であって、資本主義と社会主義、全体主義と自由主義のようなイデオロギー対立から直接派生したもではありません。 反ユダヤ人感情に代表されるような歴史的偏見、人種差別などは、どのような社会にも存在するもので、日本もアメリカも例外ではありませんが、ともかく社会の敵を創造することによって、国内の政治的対立や矛盾への追求を回避して、国民の注意をそちらにむけてしまって、強権を手に入れ、統治者の意のままに国政をうごかすわけです。 例えば現在でいうならばテロ。テロを絶対的な悪だとする一方で、それに対しては如何なる手段をも許されると国民をいったん納得させれば、税金は使い放題、人権無視、法律の軽視も容認されるというわけです。 20世紀前半。ドイツではユダヤ人がすべての悪の根源とされました。だから彼らの権利は奪われ、土地、財産を掠めとり、生命をも奪い、絶滅を企画するにいたるわけです。その一方で彼らはゲルマン人の優位性もうたい、その生存圏の確保が必要だとうそぶき、ウクライナからフランスにいたる広大な地域をその帝国の版図におさめるべく際限のない戦争に突入するわけですが、これらはすべて虚構であり、政治的欺瞞にすぎないわけですから、国民を騙せても、現実の世界では軍事的敗北という物理的結果におちつくわけです。 日本も同様に神国日本の優位性と、アジアでの支配的地位を当然の権利として要求し、西欧人からの解放のなのもとにそれにとってかわる日本人によるアジア直接支配をもくろみいわゆる大東亜共栄圏の幻想を作り上げるわけですが、それも現実的には同化政策をすすめた朝鮮、台湾だけでなく、中国や軍政下においたフィリピン、ベトナム、インドネシア、マレー等、事実上の民族迫害であったという点において同様な結果におわるのは歴史的合理性があるといえます。 要するに、ルワンダやコソボ、ボスニアの例を加えるまでもなく、民族迫害、思想の迫害のメカニズムはどこででも起こりうるし、いつでもありうるというわけであって、それが例えば赤狩りのようにイデオロギー対立の”形態”をとっていたとしても、それはただの偽装であって、いわれなき迫害はつねに政治的な欺瞞にすぎません。 また考えればわかりますが、イデオロギーの対立自体も、戦争や革命によって解決しなければならないような問題でもありません。 もちろん全体主義政権を倒すのには力の行使が不可避な場合はありますが、戦争の根源にはヒトラーや盧溝橋事件を起こした関東軍幹部のような特定の個人の作為があるわけで、イデオロギー(=考え方)が起こしたわけではないのです。

bryuui
質問者

お礼

なるほど!!とてもよくまかりました。ありがとうございます。 わからないことがあったらまたよろしくお願いします。

その他の回答 (3)

  • caesar-x2
  • ベストアンサー率46% (251/542)
回答No.3

その手の本はごまんとあるので、詳しくしりければ本でも読めばいいと思うのですが、ま、簡単にいうと、第二次世界大戦前、世界恐慌よりもさらに前、つまりアメリカで狂乱の世紀とよばれた1920年代から世界には資本主義と社会主義という二大イデオロギー対立があって、極端な自由放任主義と共産主義の理想との対立がありました。 そしてそこにおきた世界恐慌の勃発、つまりバブルの崩壊が、不況とそれに強い社会主義経済の特色を発揮させた結果、ニューディール政策に代表される資本主義と社会主義の融合がおきて、社会福祉や公共政策への修正が資本主義にもたらされ、経済的自由放任の時代から統制の時代へと移行していくわけですが、国家が統制を強める過程で国家権力の増大と全体主義を生み、共産主義への嫌悪感がファシズムを強く後押しする形で、その後連合軍側となった国もふくめて各地でファシズム政党が誕生します。 第二次世界大戦はそのような混沌とした状況の中で、はっきりした色分けもなく始まりますが、後にはファシズム対自由主義の戦いであるとプロパガンダされることになるので、ここに混乱と誤解が生まれるわけです。 ちなみに大戦前はやはり共産主義との戦いのほうに人々の関心はいっていて、アメリカでも親ナチ派が非常に多く、社会主義的なルーズベルト大統領に反対する極右グループがクーデタを計画し、マッカーサー元帥を首班とする政権をたてようとしたことがあるくらいです。 またイギリスのチェンバレン首相がヒトラーと取引してチェコを売り渡したのも、そもそもは資本主義と社会主義の戦いのなかで、右翼政権であるナチがソ連の拡張への防波堤となるという西側の打算があったわけです。 あらゆる点から考えて、イギリス・アメリカ・フランスという西側民主主義国は、ファシズム国家を利用できると考えていて、イデオローグの対立というよりも共通点のほうを見ていたわけですが、現実には独裁者ヒトラーの野望を過小評価していたことになるでしょう。 戦争はイデオロギーとは関係なくおこりました。 その典型が独ソ不可侵条約です。 そしてその破綻とソ連が連合軍側にくわわったことで、戦争は全体主義対自由主義という枠にも、資本主義と社会主義という枠にも収まらず、ヒトラー+おまけ対その他という構図になり、結局全ての問題は戦後まで棚上げされ、それが冷戦としてすぐに再燃するわけです。 滑稽ですが、一方のヒトラーの方では、この戦争をユダヤ対ゲルマンの戦いだと考えいて、実情を無視してアメリカやイギリス、ソ連はユダヤの言いなりで、彼らの世界制覇をふせぐのだという虚構にいきていました。 そういう点からもイデオロギー対立は実際にあるわけですが、必ずしもイデオロギーは現実に即してないので、別次元の問題として別個に考える必要があるでしょう。

bryuui
質問者

補足

とても詳しく書いてくださってありがとうございます。 恐縮ながらもう1つ質問させてください。このようなイデオロギー対立が、民族の迫害を招いたというのは、どういう経過か教えていただけませんか?ヒトラーが一人で起こした劇にすぎないのでしょうか?

  • tiuhti
  • ベストアンサー率66% (447/668)
回答No.2

第二次大戦をイデオロギー上の対立と見る場合は、一般的には、「独裁的な国(ドイツはヒットラー、イタリアはムッソリーニ、日本は天皇)と「自由な国」との戦い、という考え方ですね。スターリンのソ連を、自由な国っていうのかね、というつっこみをしたくなりますが、特にヨーロッパでは、ソ連は「敵の敵は見方」という事で、独ソ戦から大戦終了直後までは、対ソ連感情がかなり良かった事があって、独裁VS自由という見方もその頃に源があると思ってよいと思います。(ここまでは自信ありです。) でも、そのページが何故民主主義「帝国」という言い方をしたのかはよくわかりません。そこに注目して推測すれば、NO1の方のような考え方も成り立つような気はします。

bryuui
質問者

お礼

なるほどなるほど~。。「帝国」は確かにno1の方の考え方でいけばわかりますね。ありがとうございます。

  • ipa222
  • ベストアンサー率20% (903/4455)
回答No.1

植民地を大量に持っている帝国と、植民地がほとんどない新興国の対立が、第二次大戦の原因となっています。 イデオロギーというよりも、国家の基本的なコンセプトの違いだと思います。 例えば、三菱グループと、ライブドアグループの違いといったものが、当時の世界にはありました。 強引に植民地をつくろうとした新興国(日本、ドイツ、イタリア)が潰された訳です。

bryuui
質問者

お礼

回答ありがとうございます。もう一度それぞれの国家について調べてみたいと思います。

関連するQ&A

  • 冷戦について

    冷戦は、第二次世界大戦後の世界を二分した、アメリカ合衆国を盟主とする資本主義(自由主義)陣営とソビエト連邦を盟主とする共産主義(社会主義)陣営との対立構造。 冷戦はイデオロギーの戦いって教科書や本などに書かれていますが、抽象的で分かりにくい(資本主義・共産主義は分かるが、対立しないといけない理由)&平和主義思想で育った私にはイデオロギー憎しの心理が読めないです。 イデオロギー争いに武力向上争いをした理由、陣営を作らざるを負えなかった理由を知りたいです。 詳しい方ご教授お願いします。

  • 第二次世界大戦は民主主義と共産主義の戦争だったのに

    第二次世界大戦は民主主義と共産主義の戦争だったのに,ナチス・ドイツが強すぎて民主主義とファシズム・ナチスドイツ打倒に変わって,第二次世界大戦が終わってまた民主主義と共産主義の戦争になるはずが世界が戦争で体力がなくなっていたので冷戦という形になった。 で,またお金がたまってきたのでアメリカとソ連,中国または日本と中国が第三次世界大戦をおっぱじめてもおかしくないですよね。 というか,第二次世界大戦で本題だった民主主義と共産主義の戦いから途中で民主主義とファシズムの戦いにすり替えられて本題を放置して終戦を迎えたわけで, 民主主義と共産主義の戦いが起こるのは必然だと思います。逆に起こらない方がおかしい。 いつぐらいにアメリカと中国の第三次世界大戦が,もしくは日本とアメリカの連合軍 VS 中国の第三次世界大戦が始まると予測していますか? またロシアが第三次世界大戦の終戦まじかに中国侵攻とかになるんでしょうか。 ロシアは一緒に中国と戦ってくれると思いますか? 中国は本気で民主主義と戦争をおっぱじめようと考えていますよね。 ロシアも民主主義と共産主義の戦争が必ず起こると思っていて準備を整えてますよね。 日本はアメリカの代理戦争になりそうです。 安倍さんも戦争の準備を着々と進めているようなので私が死ぬまでに民主主義と共産主義の第三次世界大戦が始まると思っています。 日本は準備万全ですか?

  • 第一次世界大戦について。

    帝国主義的観点からの第一次世界大戦の主な特徴を教え

  • 第一次世界大戦

    第一次世界大戦が起こった原因を、軍国主義や、帝国主義、国民主義などを用いて説明してください!泣 急きょお願いします。

  • イデオロギーについて

    冷戦終結後、グローバル化などにより社会主義体制が崩壊し、イデオロギーが相対化されました。そこでいまいちイデオロギーと言う言葉が理解できません。この時の、イデオロギーと言う言葉はどう言う意味をなすのでしょうか?

  • 第三次世界大戦が起きちゃったら…

    第三次世界大戦が万が一(まぁ起こらないでしょうが)起きちゃった場合、陣営はどういう配置になり 日本はどういう行動に出ると思いますか? 火種は難だと思いますか? 中東、旧ソ連の独立国のロシア対立、極東(一番起きて欲しくないですが)、宗教色々あると思いますが。 そして戦後はどういう勝者分割になりますか? (ワタクシ的には石器時代に戻る気がします) その時日本はどうする、そしてどうなる!? ご意見お願いします。

  • イラクのイデオロギー

    世界中には共産主義などのイデオロギーによる国わけというか分類がある程度出来ていたと思います。 イラクやイスラム圏のイデオロギーとは何に分類できるのでしょうか? インドなどは一応民主化したように記憶しています(自信なし)。 共産主義とも異なるような、民主(?)独裁国家のようでもあり、絶対王政とまではいいきれないような気もしますし… イスラムについてまったくの無知なので偏向したイメージしか頭の中になく、困ってしまいました。

  • なぜイギリスは第一次世界大戦に参戦したのでしょうか?

    なぜイギリスは第一次世界大戦に参戦したのでしょうか? 帝国主義と自由主義の二つの立場から比較したいのですが、 どなたかご回答頂けませんでしょうか?よろしくお願い致します。

  • 中国では、第二次世界大戦とは言わない?

    『中国では、第二次世界大戦とは言わない?』で、お願いします。中国は、よく日本の事を『帝国主義』だの『右翼勢力』だの、言います。また、世界各国言い方は様々なのかも知れませんが、日本では『第二次世界大戦』や、『太平洋戦争』等言いますが、中国はしきりに『反ファシスト戦争に勝利した』等言いますが、実はこの戦いに置いて、中国は、日本と言う強敵に抵抗しただけで、『反ファシスト戦争に勝利した』と同時に、この抵抗により、他の同盟国から認められ、イギリスと言う、当時本当の意味で、中国を屈服させ、支配下に置いていた国からの『解放』と言う、本当の意味での『ファシズム』に勝利した気でいるのでしょうか?だとすれば、欧米列強が反対する中、多大な犠牲の元に、中国を組み入れたアメリカの、大失敗と言わざるを得ないのでしょうか?

  • 世界大戦と東欧

    第一次世界大戦と第二次世界大戦が東欧諸国に与えた影響について教えてください。 私は、 第一次世界大戦に関しては、民族自決の原則によってナショナリズムが高揚したこと 第二次世界大戦に関しては、東側陣営に組み込まれたこと だと思うのですが、いかがでしょうか?