ヘミングウェイの文章評価と実際の文章が真逆な理由

このQ&Aのポイント
  • ヘミングウェイの文章は短く簡潔で、客観描写が多いストレートな文体であると言われるが、実際には読みづらいという意見もある。
  • ヘミングウェイの作品には省略が多く、意味が取りづらい部分もあり、特にイタリック体の回想シーンは分かりづらいとされる。
  • 日本語に翻訳された彼の著作では評価とは異なる真逆の文章が続くため、なぜ真逆の評価が定着したのか疑問であり、アメリカでも彼の文章に批判的な意見があるかどうかも気になる。
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ヘミングウェイ 評価と実際の文章が真逆は何故?

翻訳家、金原瑞人氏がヘミングウェイについて次のように書いています。 ヘミングウェイの作品は文が短く、簡潔だとよくいわれる。修飾語や修飾部をできるだけ省いた、客観描写の多い、ストレートな文体だともよくいわれる。きびきびした無駄のない文体だ。そんなスタイルをさして、「ハードボイルド」などと呼ぶ人も多い。「ハードボイルド」というのは料理の場合は、固ゆでの卵を指す。ぱさぱさの黄身のイメージからきているのかもしれない。    だから読みやすい......と思っている人が多いが、それは大間違いである。 この注釈シリーズの4冊目で取り上げたサマーセットモームは長い文も多く、レトリカルで、ひねった表現も多く、また少し古い文体ということもあって、いまの若い人にはかなり読みづらいところもあったと思う。しかし、ヘミングウェイも負けず劣らず、読みづらい。 たとえば「キリマンジャロの雪」にしても冒頭の数行はあっけないほど読みやすいが、本文に入ると、あちこちで首をかしげてしまうはずだ。省略が多いうえに、Itや Thatが何を指しているのかあいまいなところも頻出する。 それ以外でも.......中略...... まあヘミングウェイは翻訳家泣かせの作家でもあるのだ。 さらにイタリック体になっているところ、つまり主人公のハリーがもうろうとした状態で過去を回想する部分は意味がとても取りづらい。このあたりは英語ネイティブの人でも分かりづらいだろうし、おそらくよく分からないまま、あまり気にせずに読み飛ばすのだと思う。 後略 日本語に翻訳された彼の著作を読んでる限りではそれは感じませんでしたが、今回原文の彼の著作(キリマンジャロの雪と、フランシスマカンバーの短く幸せな生涯)を読んで、聞いていた評価とは真逆の文章が長々と続くので驚きました。 小さい字で書かれているページの半分以上に渡る長い文章も珍しくありません。 何故、彼の文章は実際とは異なる真逆の評価が定着したのでしょうか? 甚だ疑問です。アメリカで彼の文章を批判している人はいるのでしょうか? 宜しくお願いします。

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  • SPS700
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回答No.2

 #1です。補足です。 >>ヘミングウェイはアメリカ人に人気があって、多くの一般のアメリカ人が読んでいると思っているのですが、実際はそうでもないのですか? というのは、アメリカ人はアウトドアスポーツが大好きだし、狩猟や釣りなども好きな人が多いと思っています。それで、彼が描くアフリカのサファリとか釣りを題材にした小説を読んで、自分を重ね合わせてワクワクするんだろうなと思っていました。 日本人のヘミング評を2、3読みましたが、評を書く人はその作家が好きな人、更に言えば"傾倒"してる人が書くので"べた褒め"するのが通例です。 世界的なノーベル賞作家となると、それだけで萎縮してしまい批評眼が曇ってしまうようです。 私の知り合いのアメリカ人は高校時代にテキストとして読んだきりだと言ってますし、貴方もそう言われているから、実際は、読んでも余り分からないし読んでいる人は少ないのでしょうかね?  僕は、勉強家でも、文学の専門家でもありませんので、今はっきり覚えているのは『フランシス・マカンバーの短い幸福な生涯』ぐらいです。  何かでヘミングウェイは lost generation (下記 )の作家だとありましたが、その原意でなくても、何か今の世代とはかみ合わないものがあるように思います。  https://www.britannica.com/topic/Lost-Generation  文体とか文の長さは新鮮でも、減給より体罰を望む黒人への偏見、火器による狩猟、階級制に歪む人間性、厚みのない「勇気」などが古さを感じさせます。  いわば、教室でしか話題に上らない文豪、と言った印象で、羽を切って飛べなくしたウズラを至近距離から打つ植民地貴族といった時代錯誤を感じます。  アメリカで彼の文章を批判している人を知りませんので(いないのではなく、僕が知らないだけです)勝手なことを述べました。  

0123gokudo
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 >減給より体罰を望む黒人への偏見、火器による狩猟、階級制に歪む人間性、厚みのない「勇気」 彼の小説に私も上記のものを感じていましたので、批評家のべた褒め文を読みながら、何とも違和感を感じておりました。

その他の回答 (1)

  • SPS700
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回答No.1

1。何故、彼の文章は実際とは異なる真逆の評価が定着したのでしょうか?  人によって読む目的が違うからでしょう。ヘミングウェイを読む人は少数で、英語以外の言葉に訳する人は、さらに少数ということもあるのでしょう。 2。甚だ疑問です。アメリカで彼の文章を批判している人はいるのでしょうか?  聖書は時間がかかるので、映画版で見た、というアメリカ人に会ったのですが、他の「文豪」のもそんなところでしょう。  米文学の宿題で読んだはずなんですが、何しろカリフォルニアの教室は寝心地が良くて、あまり覚えていません。他人の評なんてあまり当てになりませんし。

0123gokudo
質問者

補足

回答ありがとうございます。 >ヘミングウェイを読む人は少数で ヘミングウェイはアメリカ人に人気があって、多くの一般のアメリカ人が読んでいると思っているのですが、実際はそうでもないのですか? というのは、アメリカ人はアウトドアスポーツが大好きだし、狩猟や釣りなども好きな人が多いと思っています。それで、彼が描くアフリカのサファリとか釣りを題材にした小説を読んで、自分を重ね合わせてワクワクするんだろうなと思っていました。 日本人のヘミング評を2、3読みましたが、評を書く人はその作家が好きな人、更に言えば"傾倒"してる人が書くので"べた褒め"するのが通例です。 世界的なノーベル賞作家となると、それだけで萎縮してしまい批評眼が曇ってしまうようです。 私の知り合いのアメリカ人は高校時代にテキストとして読んだきりだと言ってますし、貴方もそう言われているから、実際は、読んでも余り分からないし読んでいる人は少ないのでしょうかね?

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