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実生活に役立つ哲学の本はありますか。
amaguappaの回答
- amaguappa
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ものごとを、図式的明瞭さのほうへ導いたほうが、実生活には役立ちます。 実生活は、人に共有される記号的なものに満ちていますから、 その意味をあたかも最大公約数のように見出す作業にも、また溢れています。 言葉はそれらを寄せて集め、掬い取りますが、 ある程度切り捨てて、うまく寄せて掬い取ることもあれば、 あれもこれも拾い集めようとして、かろうじて掬いあげているが覚束ない、ということもあります。 また、記号的事象の森羅万象の記述に踏み込んだところで、実生活から遠いということもあります。 何がどの程度、記述されていれば、実感として腑におちるのかは、 自分次第ですね。 哲学の言葉が、何かを編纂して掬いあげようとするのを見るのは、 生きるうえで響応する世界を知ることにつながっていると思います。 そんなふうに、世界とつながって世界を知るというということは、 本で読む言葉によってのみもたらされるのではないために、 哲学の本は、すでに準備のある人にしか伝わりづらく、 また、そのもの自体では即効性も有用性も薄いと言えるのです。 あなたのことは知りませんが、以下ご参考まで。 『孟子』『老子道徳経』、東洋哲学に親しみがあるなら普通に面白いです。 シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』、キリスト教の世界ですが、とらわれない人間の孤独と自由と意思の底力まで降りて行きます。 市村弘正『小さなものの諸形態』『敗北の20世紀』、タヌハチさん言及のハンナ・アーレントへの導入にもなると思います。 禅語をダイジェストした実用書、これは茶席の掛軸が読めるようになるという役立ち方をしますというのは冗談で、無門関とか臨済録とか碧巌録とかの公案集には思考実験のような空論も多いのですが、身近なことに絞って禅語を抜粋した書籍くらいは読んでおくのもいいです。禅は所詮、口伝ですから書物の体裁に拘る必要もないですしね。
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