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トルストイの「戦争と平和」の歴史観

ナポレオン戦争を描いたトルストイの大河小説「戦争と平和」は、それまでになかったユニークな歴史観で貫かれたものだといわれます。 一体どこが、「戦争と平和」以前の歴史小説とは違ったところだったのでしょう? また、トルストイが提示した歴史観はいまでも通用するものなのですか?

  • 歴史
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みんなの回答

  • w9h
  • ベストアンサー率100% (1/1)
回答No.2

一人のカリスマ独裁者(ここではナポレオン)が戦争を起こすのではなく、民衆を含めたあらゆる人間の心にひそむじわじわしたものが、一人のカリスマを生み出す。 従来の歴史観では、一人の偉大な人物なり独裁者なりが歴史を作って行くように描かれますが、そうでなく、もっと広範な人間全体の心にあるなにかがじわじわと歴史を動かしていくのだと、そういう風に感じました。

  • caesar-x
  • ベストアンサー率48% (101/208)
回答No.1

その口ぶりだと読んだことがないようですが、 まず「戦争と平和」を読んでみるべきでしょうね。 話はそれからでしょう。 読めば分かりますが、あなたのいう歴史的要素は この大著のごく一部でしかありません。 基本的に「戦争と平和」は歴史を描いた作品ではなく 人間を描いた作品であって、トルストイは 人生の深遠な問題や、思想的側面を論じてもいますが すべての歴史上の事件は、執政者や外交官や軍事指揮官などに 左右されるのではなく、取るに足らない個々人の行為や、 民衆の意思の総和によるとしたところが 後に社会主義的作品として捉えられたゆえんです。 それを歴史観というならば、ま、そういえなくもないですが、 思想としてではなく、小説として考えれば手法的なことであって ストーリーの構成上の問題です。 この作品には膨大な数の無名(取るに足らないという意味)の キャラクターが登場しますが、 彼らがストーリーとしての歴史を動かす重要な要素になります。 一般的な小説ならば、主人公や、有名なキャラクターが 物語を動かすわけで、例えばシェイクスピアと比べれば明らかですが シーザーなりアントニーなどの対話で物語がすすみます。 要するに、「戦争と平和」の場合、 ピエールもアンドレも、物語の中の時代のうねりのなかに存在し 彼らにはそれを動かすような力はありません。 それはつまりリアリズムということでしょうし、 現実世界の我々のように、キャラクターも時代に翻弄されます。 もちろん一方で、彼ら自身のストーリーも持っているわけで 背景となる歴史的出来事と別に、 個人的なストーリーがあって、同時進行で進み、 基本的にはそれが本筋なわけですが、 この複雑な構成は文豪ならではの技量というところでしょう。 下手な作家にはこうはかけません。 歴史観というよりも、世界観といったほうが適切でしょう。 トルストイは水滴の一滴から海ができていることを 理解するだけでなく、表現できる作家で 複雑怪奇な世界を文学的に再構成して秩序を与えうる天才です。 トルストイの手法はもちろんどの時代にでも通用しますが、 彼を真似ることはほどんど誰にも不可能でしょう。 まず本を読んでみて、それを自分でできるか、ということを考えてみください。 よほどのマヌケでなければ、その困難さを思って気が遠くなる感覚を憶えるでしょう。

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