• ベストアンサー

和声に重きを置く曲はいつから?

d-dropの回答

  • d-drop
  • ベストアンサー率22% (214/938)
回答No.4

 こんにちは。再びd-dropです。補足していただいたのでようやく私もご質問のイメージがつかめました(私なりですが……解りが悪くてすいません)。要するに、和声が、旋律を飾るためのものでなくて、それ自体でひとつの“雰囲気”を作るような音楽、ってことでしょうか。  以下そういう前提で書きます。  まず、音楽の始まりは、 1 祭りの場で、神に呼び掛けるもの。神官による独唱か、1本の旋律をみんなが歌うユニゾン(一世を風靡したグレゴリオ聖歌、あれは和声でなく、ユニゾンです)。 2 やはり祭りの場で、神と一緒に踊る(トランス状態をつくる)ためのもの。これは1本の旋律の単調な繰り返しに、打楽器が入っていたでしょうね(日本の祭りの音楽を思い浮かべてください……笛と太鼓の懐かしい響き)。  この辺は、和声以前といっていいと思います。  そのうち、ユニゾンのテンポをずらすことによって、輪唱が生まれる、あるいは、ひとつの歌(旋律)の合間合間に、別の歌(旋律)をはさむことによって、歌の意味に深みを加える(リエゾンといいます、サイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェアー」ですよ)。シェイクスピア時代(ルネサンス)の音楽を再現したCDを持ってますが、色々な旋律の追っかけ合いという感じですね。  そして、その中から「対位法」が出てきます。違う旋律を重ねることに、より重厚な、美しい響きを求めた訳ですね。ヘンデル、ヴィヴァルディ、そしてバッハ……のちにバロックといわれる時代ですね。  ところで、この対位法(私も聞きかじった程度ですが)3度、5度、7度という和声の基本にある程度則ったものなんだそうです。美しい音のひびきを求めたらそうなったんでしょうか。後世の「機能和音」よりははるかに自由なものらしいですが。だから、お答えとしては、ここで「和声」の音楽が始まったといえるでしょう。ただ問題は、たとえばバッハが「和声」を知っていたか、ですね。これは解らないけど、私は、彼等は対位法の決め事を自由に使って作曲をしていたんであって「和声」という意識はなかったと思います。どう思います?  ともあれ、対位法というのは、ある旋律を際立たせるためというより、鳴っているすべての旋律のひびきを重視した音楽だと私は思います。ということは、「和声」中心の音楽だった、といえないでしょうかね(「和声」を意識してるしてないにかかわらず)。いい例が、パッヘルベルの「カノン」、有名な曲だから、お聞きになったことあると思います。あれは総譜をみると、ものすごい複雑な対位法的技巧が駆使されているそうです。とくに際立った旋律はない。響き合って、ひとつの音的空間を作っている。余談ですが、あれはコードでいうと、G-D-Em-Bm-C-Bm-C-Dの、「機能和音」の繰り返しです。たぶん全曲を通して。その上に色々な旋律が主張し合い、助け合いながら流れている訳です。  つまり、私の回答としては、バロック時代が和声の全盛期であるということになります。その後の時代は、旋律の時代になっていくわけですから。  でも、いま、環境音楽(好きないい方ではないですが)とか、アンビエントとかが流行ってますよね。火付け役は、ウィンダムヒルあたりからかな? あれも、古典的なそれではないけど「和声」重視の音楽なような気がします。だから、今が、バロック以来の和声音楽全盛時代といってもいいんじゃないか、なんていうふうにも思います。  和声中心の音楽は、「包まれる」音楽ですよね。音楽の中に「いる」といってもいい。対して、旋律中心の音楽は、「乗る」音楽なような気がします。馬に乗るみたいに旋律にのってどこかへ連れてってもらう。なんかそんな気がします。  横道ばかりそれて、長くなってしまいました。  ご参考になれば幸いです。

noname#32495
質問者

お礼

長文のご回答、ありがとうございます。 バロックが和声的というのは以外でした。 対位法とか「音の組み合わせ」を和声的と考えるというのは、ちょっと新鮮な感覚です。 そういう見方もできるものですね。参考になりました。

関連するQ&A

  • 「キエフの大門」は何と読む?

    「キエフの大門」は何と読む? ムソルグスキー作曲「展覧会の絵」の中に「キエフの大門」がありますが、 この読み方、「キエフのだいもん」なのか「キエフのおおもん」なのか、はたまた「キエフのたいもん」なのか。 ご存知の方がおられましたら教えてください。

  • クラシック ダウンロード

    著作権切れのクラシックで、ムソルグスキーの「展覧会の絵」の ・鶏の足の上の小屋 ・卵の殻をつけたひなどりのバレエ ・グノーム ・カタコンベ を探しているのですが見つかりません。 できればすべて単体でDLしたいのですが、どこかよいサイトなどありませんでしょうか? 宜しくお願いします。

  • ベストオブクラシックで聴いた曲の演奏家を教えてください!

    NHK-FMで以前ムソルグスキー作曲{展覧会の絵」を聞いたのですが、その時演奏していたピアニストの名前が分からないのです。 これまでにこの曲を演奏したピアニストが分かれば教えてください!

  • クラシック系音楽についてのアンケイト

    展覧会の絵 このムソルグスキーの 曲にまつわる おもしろい実話があれば お願いします。

  • 曲の感想が聴きたいです。

    最近クラシックに興味を持って色々聴いてます。 最近気に入ってるのは ○モルダウ ○バッハ:インヴェンションとシンフォニア ○ビゼー:アルルの女第1&2組曲 ○ムソルグスキー:展覧会の絵&はげ山の一夜 なんですが、この曲のここがすごいとか感想みたいなのを聞かせてほしいです。お願いいたします。

  • 以下の曲が嫌いな理由

    以下の曲が嫌いな方がいましたら、その理由をお聞かせ願えれば幸いです。私はこの曲が特に好きなので、嫌いな方の感覚というのを知りたいからです。 チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調 ムソルグスキー作曲(ラヴェル編):展覧会の絵 ドヴォルザーク作曲:弦楽四重奏曲「アメリカ」

  • お薦めの「春の祭典」CDを教えてください。

    皆さんの個人的な意見で構いませんので、 お薦めのCDをあげてください。 宜しくお願い申し上げます。 ムソルグスキー「展覧会の絵」と ベルリオーズ「幻想交響曲」も お薦めCDありましたら、教えてください。 よろしくお願いします。

  • EL&Pの「キエフの大門」の歌詞の一節の解釈は?

    エマーソン・レイク&パーマーのアルバム"展覧会の絵"に収録された一曲"キエフの大門"の歌詞の一節に、意訳すると、「私は生きる、私は死なない。死ぬことは生きること。」といった意味の歌詞があります。 著作権の問題と私の拙い英文読解力の為、歌詞の原文の引用は避けます。EL&Pのファンの方なら恐らくピンとくると思います。 これは、「死ぬほど辛いことがあっても、私は生きる、生き続ける。」との決意表明だ、と私は解釈しています。ドラマチックな楽曲構成(原曲はムソルグスキー)と、グレッグ・レイクの美声もあって、私の大好きな曲です。  EL&Pのファンの方、ぜひ貴方のこの歌詞の解釈を教えて下さい。よろしくお願いします

  • 展覧会の絵(ピアノ)の難しさは?

    ピアノの発表会で弾く曲を探しています。 家族が最初の「プロムナード」が好きなので、ムソルグスキーの「展覧会の絵」を候補に入れようか考えているところです。 (今現在、良く聴いているとか好きという理由ではないのですが、弾くとなったらこれからよく研究しようと思います。半年以上時間があるので・・・) この曲は全音の難易度一覧では6(上級上)になっています。でも、譜面を見てみたところ、同じ6に属するショパンのエチュードとか、ドビュッシーの喜びの島とかよりは、一見、譜面が簡単そうに見える気がします。 きっと、これらの曲とは違った難しさがあるのだと思うのですが、どういう点が難しいのでしょうか?(パワーが要るとか、全曲をまとめるのが難しいとか??) また、この中から数曲抜粋してトータル10分ぐらいにする場合、どういう組み合わせがいいでしょうか?プロムナードは絶対、あとキエフの大門はできれば入れたいです。

  • どこか物悲しい雰囲気のクラシック曲を教えてください

    こんにちは。 ロックが好きですが、リッチー・ブラックモアやイングヴェイ・マルムスティーンなどの影響で、最近クラシックを聴き始めました。 質問はタイトル通りです。 物悲しい雰囲気でなくても、壮大な(悪く言えば大仰な)感じの曲も探しています。 基本的に短調の曲が好きです。 特に好きな曲は... ヴィヴァルディ: 調和の霊感 第8番 第一楽章 「四季」より「冬」 第一楽章 バッハ: ヴァイオリン協奏曲 第一番 第一楽章 小フーガ ト短調 G線上のアリア ベートーベン: ピアノソナタ「悲愴」 エリーゼのために 交響曲第九番 モーツァルト: 交響曲第25番 レクイエム「怒りの日」 パガニーニ: カプリース 5番、24番 ラ・カンパネラ ムソルグスキー: 展覧会の絵「プロムナード」「バーバ・ヤーガの小屋」「キエフの大門」 グリーグ:ペール・ギュント「山の魔王の宮殿にて」 パッヘルベル:カノン スメタナ:モルダウ こんな感じです。よろしくお願いします。