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和声に重きを置く曲はいつから?

pomoccの回答

  • pomocc
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回答No.2

和声に重きをかけた時代を最初に切り開いた人は重要な人物はドビュッシーです。 また、音楽が旋律重視の時代から和声やシステムを全面に出した語法に変わっていった時代は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて起き始めました。 ムソルグスキーの「展覧会の絵」はまだ旋律の美しさにこだわっている側面があるので、和声重視とまではいっていない作品です。 ドビュッシーは1905年(だったと思う)に「和声の化学」ということを言って、旋律ではなく、響きや音響体によって音楽を書きました。 なぜそうしたのかというと、モーツァルトやベートーヴェンのように機能和声に従いながら美しい旋律のある作品を書いたら、自分の音楽にオリジナリティや革新性が生まれないからです。 過去の作曲家たちとは別の作曲の仕方で音楽を書いて、新たな音楽の時代を切り開こうと考えて、ドビュッシーは機能和声の逸脱をはかりました。 機能和声とはいわゆる、簡単に言えば、C-durの曲なら曲の終わりはソシレファという和音とドミソで終わらなければならないとか、そういう決まった和声進行によって音楽を書かなければならない和声のことです。 ドビュッシーの音楽は、そういう決まった和声進行ではなくて、たとえば、最初のセクションは3和音のみを使用するセクション、次のセクションは7の和音のみを使用するセクション、そしてその次のセクションは短2度を主体としたセクションなど、過去の音楽の書き方とはまったく異なった方法で音楽を書きました。 ラヴェルもドビュッシーに影響を受け、独自の和声法で音楽を書くようになります。ドビュッシーが「和声の化学」と言ったのと同じ年にラヴェルも同じく「わたしの音楽は今までは全く異なった響きのする音楽になった」と言って、音楽に新たな変化をもたらしました。フォーレはまだ機能和声に従っていますが、和声進行に違反した進行が数多くあり、これも響き(和声法)を中心に革新性をおこそうとしたためで、和声の時代にフォーレも重要な作曲家です。 ロシアではムソルグスキーより、和声面での革新性をおこなったのはスクリャービンです。 スクリャービンのピアノ・ソナタ6番やプロメテウスでは神秘和音という独自の和声を用いて音楽を書いていて、和声面で大革命をおこしました。 バルトークもドビュッシーの和声法に影響を受け、独自の方法論で音楽を書いています。 また、19世紀後半から20世紀初頭の音楽の運動は、こうした和声面での運動のほかに、シェーンベルクのように12音技法という新たな作曲の方法論で音楽を書いた人がいます。これは旋律の側面での革命です。 もしシェーンベルクがドビュッシーと同じように和声の領域で革新性をおこなったら、ドビュッシーと同じになってしまって、人の物まね以外にはならないですよね。それゆえに、シェーンベルクは旋律の領域で革命をおこなったわけです。 詳しいことは、とりわけドビュッシー、ラヴェル、スクリャービンの音楽を勉強すると、そしてそれは対照的にシェーンベルクを学ぶと、このあたりの時代(いわゆる両大戦間)の音楽の思想や動きが分かってくると思います。

noname#32495
質問者

お礼

ありがとうございます。 とてもよく近代音楽の胎動についてわかりました。 ただ、私が疑問に思ったのは、まさに「大門」のような曲(機能和声でも革新和声でもよい)はいつごろから起こったのかなと思ったのです。 前奏部分にというならいろいろありそうですけど、和音で押し捲るという曲は…という疑問がわいてしまいました。

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