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枕草子について

最近、読み始めた外国人が枕草子を探求する為に日本に来たという人の本に、枕草子の原本について書かれてました。今、私達が目にしている枕草子は、原本とはかなり異なる内容なのか、それとも、一部だけ異なるのか、どちらなんでしょうか?

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  • Nakay702
  • ベストアンサー率80% (9719/12087)
回答No.4

>今、私達が目にしている枕草子は、原本とはかなり異なる内容なのか、それとも、一部だけ異なるのか、どちらなんでしょうか? ⇒恥ずかしいことに、全然知りませんでしたので調べてみました。唯一、清少納言直筆の巻物がどこかにあって、それを現代語訳したものを我々は見ているんだ、などと安直に考えていましたが、そんな単純なことではないことではないんですね。 そもそも原本としうるものが4つ(三巻本・能因本、堺本・前田本)もあったとは驚きでした。本文の内容は、 ①自然・四季・日常生活を観察したもの(随想章段)、 ②「花は・虫は・~ものは」の、いわゆる「ものづくし」(類聚章段)、 ③宮廷社会の回顧録(日記章段)、に大別されるそうです。 原本のうちには、この区分・整理をした、整然としたもの(類纂形態)と、何らの編集もなされず、本文をただ羅列されたもの(雑纂形態)との2形態があります。原本は、各形態に2つずつあって、前者に属するものに「堺本」・「前田本」、後者に属するものに「三巻本」・「能因本」とがあります。 ところで、古典文学の本文校訂では、できる限り古い写本を底本に用います。枕草子の伝本の中で最古とされるのは前田本ですが、これは、わけあって底本とはされていません。類纂形態での配列や内容が清少納言の手によるものではなく、後人の手によってまとめられたものとされているからです。堺本も類似の理由により、一般に読まれる本文として使われることはあまりないようです。現在では、雑纂形態の2系統、特に三巻本が底本に用いられています。これは、上で述べた3種の章段をばらばらに並べていますが、この編集は作者の清少納言より後の人物の手によってなされたらしいです。もう一つの雑纂形態の伝本・能因本においても、それぞれ章段の順序や本文にかなりの相違があり、清少納言自身が書いた枕草子の原形がどのようなものであったのかは分かりません。 現在、最良の原本とされる三巻本についても、清少納言の原作から見れば、幾度となく書写を繰り返した結果成立したものであり、その間に多くの改変の手が加わっていると考えられます。これは三巻本よりも本文の上で劣るとされている能因本や堺本、前田本も同様ですが、要するにいずれの系統の伝本であっても、書写の過程で本文に少なからぬ改変が加えられており、三巻本においてもそれは例外ではないということであると説明されています。「個々の章段については、彼此優劣が錯綜していて、必ずしも常に三巻本本文が能因本本文に立ちまさっているとは断じ切れない」という意見もあります。要するに、伝本間の相異はすこぶる大きいということで、ある研究書では、「三巻本と能因本とでは、作者を別人とするしかないほどの違いがある」とまで言いきっています(鑑賞日本古典文学)。 以上、お答え(というより、初めて知ったことをお知らせ)します。 自分自身にとっても、よい勉強になりました。

tahhzan
質問者

お礼

詳しく調べて下さって助かりました🙇‍♂️ 何より驚いたのは「三巻本と能因本とでは、作者を別人とするしかないほどの違いがある」とという事でした。え?と思いましたが、ここは、学者の先生を信じるしかないでしょうね^^ ありがとうございました😊

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その他の回答 (3)

  • gunsin
  • ベストアンサー率32% (376/1165)
回答No.3

原本は現存していず、写本(伝本)が残っています。 三巻本系統、能因本系統、前田家本系統、堺本系統 4系統の写本で残っています、内容は少しづつ違う様です。 原本4冊あったと推測されてますが、何れの系統も3冊で、 最初の1冊が欠損していると思われています。 三巻本系統が一番古く、藤原定家の写本とされていて、約800年前 に写本された物です、書かれた時代から200年経過していて、 この時には既に原本は無く、3冊の写本を書き写した様です。 何れの系統の写本も原本に近い内容とされてますが、確認する 術が有りません。 江戸時代には、能因本系統が木版印刷にて売られたので、メジャー な存在になりました。 藤原北家の子孫 近衛家、藤原定家の子孫 冷泉家では、応仁の乱 の時に、多くの書籍が失われたと語ってます。

tahhzan
質問者

お礼

へぇ…そんな経緯を辿ってるわけですか…写本と1口に言っても、かなり根気が必要だったでしょうね。なるほど。勉強になりました。ありがとうございました😊

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  • chie65535
  • ベストアンサー率43% (8517/19361)
回答No.2

枕草子は金沢文庫に収蔵されています。 金沢文庫は、鎌倉幕府の執権の北条氏が作った文庫で、枕草子や源氏物語などの平安時代の書物が北条氏によって収集され納められ、それらの多くは、執筆当時の写本や、奈良時代に写本された物が多いです。 それらの多くは国宝に指定されていて、執筆当時の写本、奈良時代の写本が主なため、内容は執筆当時の物と殆ど変わりません(写本時の誤字脱字がある可能性がありますが)

tahhzan
質問者

お礼

そうなんですか。誰かの創作とかが入っていたら残念なんですが、それは杞憂なんですね^^ ありがとうございました。大変、参考になりました😊

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noname#259815
noname#259815
回答No.1

枕草子(まくらのつくも)は、日本の中世文学である随筆・紀行文の古典的な作品です。以下は、枕草子についての要点です: 作者: 枕草子は、女流作家である清少納言によって書かれました。 成立時期: 10世紀の平安時代に成立しました。 内容: 枕草子は、日常のさまざまな出来事や感情、風景、人々についての短いエッセイや観察を記録しています。 特徴: 繊細で詩的な表現、季節感、風景描写、人々の心情を描いたことが特徴です いろんな方が現代文になおされていますが、随筆・紀行文なので 原本に忠実だと思います。

tahhzan
質問者

お礼

原本に忠実なんですか。それを聞いてホッとしました^^ ありがとうございました😊

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