印刷会社さんに印刷をお願いすると仮定してお話しします。
印刷物の写真などをルーペなどで見ると、小さな点になっていることがわかります。
この点の大きい小さいで濃度(階調)が再現されています。写真の場合は、この大小の点の集合で表現されますから、網掛けをしている状態になります。
一般的には、フルカラーであればCMYKという4色のインクが使われますが、インク1色につき1枚のフィルムが必要になります。
ですから、パソコンで写真画像を作る際には4色分のデータをもったモノでなければいけません。
網掛けそのものは、印刷会社にあるフィルムの出力機(セッター)からフィルムを出力する際に、自動で掛かる仕組みになっていますので、特に荒いアミテンを使用して特別な表現をしたいというのでなければ、何の処理も必要ありません。
家庭でいえばプリンターに相当する機械ですので、専用のアプリケーションが処理してくれます。
ただし先にも述べたように、印刷現場で求められている形式にデータを加工してやる必要があります。
具体的には、印刷に使うCMYKのフィルムに合わせて4色データであることや、印刷の線数(網点密度)、EPSというデータ形式での保存が重要なことになります。
印刷現場で使用される画像用のソフトは、主にAdobe社のPhotoshopですが、Photoshopの場合はスキャナーなどから取り込んだRGBデータをCMYKに変換することが可能です。
取り込みのデータ密度(dpi)に関していえば、一般的な印刷物に使用の場合は350dpiにすることが望ましいといえます。保存は、もちろん.eps形式になります。
まとめますと、スキャナーから写真を読み込んで印刷物にする場合は
1.実際に印刷する大きさで、350dpiの密度でスキャンします。
2.PhotoshopなどでRGBデータをCMYKに変換します。
3.色具合やシャープネスの調整を行います。(←印刷会社ごとに特性あります)
4.データ形式を.epsにして保存します。
このように加工したデータを印刷会社に渡すと、先方ではセッターを使用し、アミの掛かった状態でフィルムが出力されます。
この状態では、単なる写真でしかありません。デザイン・レイアウトが必要であれば、Illustlatorなどのソフトが必要になるかもしれません。Photoshopでもデザイン・レイアウトは可能ですが、Photoshopで作成されたデータは全てが画像データということになりますので、データ量が非常に大きくなり出力処理に時間がかかることになります。何千万円もするセッターの稼働率が下がりますから、とうてい印刷会社では歓迎できることではありません。