中国の歴史歪曲問題

質問

最近、中国による高句麗史歪曲問題があったようにです。韓国の人も憤慨しているようですが、朝鮮史に詳しい方、この問題についてお教え願えればと思います。

回答No.5

big_barn · ベストアンサー

こんにちは。
まずは、高句麗についてですが、
高句麗は鴨緑江周辺に扶余系民族（扶余系民族はツングース系であると言われていますが、消滅してしまったためはっきりとした確証は存在しません。）が建てた国で、高句麗の全歴史は一般に次の3期に区分できます。
第1期、卒本時代（中国遼寧省桓仁付近に国都，前37？～後209）
第2期、丸都時代（中国吉林省集安に国都，209～427）
第3期、平壌時代（427～668）。
有名な広開土王は19代の王で、第2期末期の人物で、後燕と戦い、新城（現撫順）・遼東城（現遼陽）を占領。東扶余を併合（401）。南方、百済へもしばしば侵攻し、百済・倭の連合勢力に大打撃を与え，漢江以北を回復しました。また新羅の奈句王をも服属せしめ、新羅を朝貢国にしました。
次の長寿王（20代）も一層の国土の拡大に努め、427年丸都から平壌に遷都し、西方では遼東の平原を完全に版図に入れ遼河でもって北魏と国境を接していました。575年百済の国都漢山に侵攻し、百済の蓋鹵王を捕殺。百済を熊津への南遷を余儀なくさせます。このころが、高句麗の全盛時代です。
というわけで、高句麗の発祥は満州南部なのですが、首都が平壌にあったことや、領土的に朝鮮半島の約半分にあたる部分を支配していたこともあり、朝鮮半島の歴史の一部であるわけです。韓国・北朝鮮としては、もし高句麗が中国の歴史の一部であるとしてしまえば、「朝鮮半島の北半分は本来、中国の一部であり、その領域を不当?に支配している」ということになってしまうわけです。任那日本府が実在か否かという問題に類似した意味合いをもっているのではないでしょうか。
一方、中国の立場としては、高句麗は満州南部が発祥であり、遼東半島や、遼河流域を領土的版図としていたため、「古代中国の地方政権である」と主張しているのだと思います。
しかし、高句麗の領土であった地域を含む満州は本来中国ではなく、漢民族が支配するようになったのは清の滅亡後の中華民国になってからであることを考えると、満州が中国の歴史の一部であるとするのが不当であることは明らかではないでしょうか。満州は元来、満州族などの漢民族以外の民族による国（遼、金など）が支配してきた領域です。かつて幾度となく満州族（女真族）による脅威や支配にさらされてきたことは、戦前の満州国のこともあり、漢民族にとって満州族にはアレルギーがあるようです。満州族は少数民族としては壮族についで2番目に多く約1000万人の人口を有しているのにもかかわらず満州族自治区というのが存在しないこともその現れの1つだと思います。なお、満州族（女真族）も高句麗人と同じツングース系の民族です。
その点を考えると、高句麗史問題というのは漢民族が、満州、モンゴル、チベットやウイグル、南部など漢民族の土地でない地域を支配するための口実作りの一部なのではないかと私は考えています。

以上、私見ですのでご参考までに。

お礼

高句麗の古代からの成り立ちや朝鮮半島の関係歴史等手短にまとめていただいて大変参考になりました。ありがとうございました。

回答No.4

acacia7

実際のところ、中国も韓国もその国としての歴史は５０年あまりしかありません。
が・・「中国４０００年の歴史」とか「半万年の伝統」とか言いたい放題です。
逆に言えば、言いたくて仕方が無いのでしょう。

単純に言ってしまえば、それぞれの方便が互いに矛盾する状況になって、双方とも困ってるっていう感じでしょう。
何しろ、近年の韓国の歴史教育では太古の朝鮮は現在の中国沿岸部はもとより東南アジアまで延びていたらしいですから、中国としても反発するというものです。

実際問題高句麗の人々との血のつながりは中国も朝鮮も定かではない様ですし、どちらの言い分も半分半分っといったところじゃないですかね。

ちょっと重箱の隅つつきですが・・
独立門が出来たのは併合前の大韓帝国時だと思います。日本の併合が解消されても一応「大韓帝国」の復活でごまかせるはず（笑
「大韓民国」という名前自体が「大韓帝国」を意識していると思いますし。

また、抗日闘争についても、北朝鮮の抗日闘争は作り物もいいところですが、中共の抗日闘争もほとんど作り物です。実際に日中戦争の相手は中華民国で、その実体は現在台湾で衰退しつつある国民党です。
逆に韓国については上海だかにあった亡命政府の後継っていうことになっているのでそっちの方がもっともらしいです（笑

これについては韓国の憲法に乗ってるらしく、はっきり言って、韓国の反日は政策とかのレベルではなく、
「憲法」の趣旨なので、それを変えるには憲法の改正が必要です。日本の９条改正なんぞ目じゃなくくらいに難しい話です。

何しろ、日本はその９条に疑問を持つ世代が増えつつありますが、韓国ではその趣旨に疑問を持つ世代が天寿を全うしつつあるんですから・・・・

参考URL：

http://photo.jijisama.org/dependency.html

お礼

丁寧な説明ありがとうございました。大変参考になりました。参考HPも興味深く拝見させていただきました。歴史の捏造も、中国に劣らずあるのですね。

回答No.3

No51

直接の回答ではありませんが、参考までに。

高句麗は韓国人にとって「誇らしい自国の歴史」
の一部であり、中国の歴史に組み入れられる事
に、強く不快感を覚えるらしいです。

しかし、はっきり言えば
「国家の概念がなかった時代」の話で、
（当時は中国も無いし、韓国も北朝鮮もありません）強く主張したもん勝ちでしょう。

余談ではありますが、韓国で、
高句麗を言語から研究してその系譜を辿った所、
「既知の言語なら、日本語に最も近い」
という結果が出てしまい、非常に困ったそうです。

「何故困るのか？」
当時はよくわかりませんでしたが、
韓国人にとって「高句麗」はそれほど大切な
物だったようです。

アンコールワットの遺跡をめぐって
タイとカンボジアが紛争するのと同じでしょう。

この手の「子孫争い」「元祖、本家争い」は、
ヨーロッパで近代国家が多数誕生した当時、
嫌という程起こっています。

お礼

回答ありがとうございました。文化の系譜についても問題にするのですかね。独自性ということも誇りにしたがる民族なのですか。

回答No.2

goof

直接の回答にならないかもしれませんが私見を述べさせていただきます。

高句麗が中国東北部にあったとの説は以前韓国人の評論家
キム　ワムソプ氏（親日派の弁明の著者）の別の著書でも見たことがあります。ですから真偽はともかく全く根も葉もない話でもないと思います。

ただ今回の韓国のあのヒステリックな反応はいかにも韓国的であり滑稽（失礼）に見えます。そもそも高句麗がどこにあろうと韓国の尊厳がそれにより高められたり低められたりしないと思うのですが。

お礼

回答ありがとうございました。中国の意図するところは何だったのでしょうね。

回答No.1

jazz04

東アジアの歴史は基本的に中華思想です。Ｃｈｉｎａは東アジアでは歴史的に「王＝キング」に権威を与える立場である「エンペラー＝皇帝・天皇・皇」を持った国家でした。

韓国は日本統合まで中国の属国でした。韓国最後の王朝・李朝も中国（清朝のエンペラー）から王としての権威を与えられ無ければならなかったのです。日本併合で中国の属国という立場から解放されたソウル市民は歓喜して「独立門」をソウルに建てて現在に至ります。（反日教育のためにこの門は日本からの独立を祝って立てられたと教える人が増えています。）

それで、朝鮮は今でも歴史的に「中国の属国である」とレッテルを貼られる立場にあります。これは現在の韓国政府からすると「在ってはならない」ことです。まして、朝鮮は「属国の立場」を日本併合により「失った」ので、日本併合が消滅したら元の「中国の属国になるべき」という中国の意図に正当性が生じてしまうからです。

そう言う歴史的な恐れがぬぐえない状態で、朝鮮の一部であったはずの「高句麗」について「歴史的に中国である。」と来られたわけです。韓国は今必死だと思います。

韓国政府の政権の正当性が余りにも脆弱なことに根本原因があります。現在の韓国政府の成立は今のイラク暫定政権と同じような成り立ちだからです。今のイラク暫定政権を「眉唾」と思う人は少なくないでしょう。

中国共産党も北朝鮮の金日成も「日本と戦い勝利した」という事でかろうじて政権の正当性をアピールできるわけです。韓国政府はそう言うものが何も無く「戦争に勝ったアメリカが都合の良いように造った政権」という見方がいつも消えないので、中国や北朝鮮などと同じように「反日」も辞められず「主権の正当性」への疑義には過敏に反応せざるを得ないのです。

お礼

回答ありがとうございました。「独立門」の話はおもしろいですね。しかし朝鮮併合（１９１０）の時に立てられたとしたら話が合わないですね。ぜひ見学したいものです。