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アスパラギン酸のラセミ化が迅速な理由。

炭酸塩化石を試料に扱っています。 生物の死後、アミノ酸が徐々にラセミ化を起こす訳ですが、アミノ酸の種類によってラセミ化速度が違うのはわかります。文献によると最も速いのがアスパラギン酸で、最も遅いのがイソロイシンだそうです。 でも、Aspが最も速くて、Ileが最も遅いのかが化学的によくわかりません。申し訳ありませんが、どなたか教えて下さい。 ちなみにIleのラセミ化半減期は約144万年、AspはIleの約10倍の速さでラセミ化が進むそうです。

  • 化学
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みんなの回答

  • rei00
  • ベストアンサー率50% (1133/2260)
回答No.3

 これはアスパラギン酸側鎖に存在するカルボキシル基の電子吸引性効果が影響している様に思います。  アスパラギン酸ではβ炭素に電子吸引性のカルボキシル基が付いているためその効果に拠ってα水素の酸性度が高まっていると考えられます。結果として,α水素の脱離と再結合を経るラセミ化が起こり易くなっているのでしょう。  グルタミン酸でも同様の事は言えるわけですが,グルタミン酸の場合はカルボキシル基がα炭素からさらに離れるので,その電子吸引性効果が及ばないか及んでも小さくなり,ラセミ化の速度はアスパラギン酸ほど速くならないと思います。  イソロイシンの場合は,電子供与性のアルキル基が存在するため,α水素の酸性度が低下してラセミ化が遅くなっているものと思います。  α水素の酸性度ではありませんが,カルボキシル基あるいはアルキル基がカルボン酸の酸性度に及ぼす効果について先程回答しましたのでそちらも参考にして下さい。  ・http://odn.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=756929   QNo.756929 電子吸引性について教えてください。

参考URL:
http://odn.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=756929
gousan_2000
質問者

お礼

有難う御座います。 β炭素にある電子吸引性のカルボキシル基の考慮、大変ためになりました。また、酸性度、解離定数の見解は本当に参考になりました。 ご意見感謝致します。

回答No.2

まず、実験室や工業レベルの数時間の反応ではなく、数万年の反応ですね。 だから、通常無視するレベルの反応機構も考える必要があります。 おそらく、たんぱく質でのペプチド結合した状態でのラセミ化でしょうか。 どの機構にしても α 位の水素の離脱が起こるのでしょう。(参考URL) アスパラギン酸が速いというのは分子内にもう一つある-COOH が加速する と考えるのが自然です。したがって、   -COOH + H+[アミノ酸] → -C(OH)2[+] + [アミノ酸]-  or   -COO- + H+[アミノ酸] →  -COOH   + [アミノ酸]- でいいのではないでしょうか。 これなら、グルタミン酸も速い方ではないでしょうか。 アスパラギン酸の方が速いのは酸性が強いためか、α水素引き抜きの中間体 が環がより安定なためでしょう。 イソロイシンが遅いのはまず疎水基であるということ。さらに枝分かれして いるため、立体的に α水素を保護の度合いが強いと考えられませんか。

参考URL:
http://www2.hama-med.ac.jp/w1d/life/sylla00/Racemi.htm
gousan_2000
質問者

お礼

有難う御座います。 酸性度も考慮に入れるとはとても参考になりました。 IleのR-基は側鎖型の官能基で疎水基である事から プロトンの受け渡しを経るラセミ化が起こりにくい 、つまりn-Leu,Leu,Ileの順で起こりにくいみたいですね。

  • thiku-rin
  • ベストアンサー率54% (45/82)
回答No.1

参考URLのページに詳しく書いてあるみたいです。 斜め読みしたところによると、 アスパラギン酸は不斉炭素が一つしかないためエナンチオマーしか存在しない。 イソロイシンは不斉炭素が二つあるためエナンチオマーとジアステレオマーが生成する。 つまりアスパラギン酸には L-アスパラギン酸、D-アスパラギン酸 の2種類の光学異性体が存在し イソロイシンには L-イソロイシン、D-イソロイシン L-アロイソロイシン、D-アロイソロイシン の4種類の光学異性体が存在する。 アスパラギン酸の場合 L-アスパラギン酸とD-アスパラギン酸でラセミ化する。 イソロイシンの場合 L-イソロイシンとD-イソロイシン、 L-アロイソロイシンとD-アロイソロイシン ならラセミ化するが、 イソロイシンとアロイソロイシンはジアステレオマーでありラセミ化しない。 そのため、アスパラギン酸のほうがイソロイシンのよりラセミ化が迅速である。 ということみたいです。詳しくは参考URLを読んでみてください。

参考URL:
http://www.grisda.org/origins/12008.htm
gousan_2000
質問者

お礼

有難う御座います。 イソロイシンの場合、不斉炭素が2個ある事からジアステレオマーな関係のものに転換するエピマー化が起こるそうです。年代では、L-IleからD-AIleに転換するエピマー化に重点を置いているみたいです。エピマー化の方が転換する率が多いのかどうかわかりませんが・・・。AspやGluの様なものに対してのラセミ化のし易さについての文献や意見って載っていないものですね。 R-基の違いによるラセミ化のし易さって何でしょうね?Alaとかの方が単純な分子であるという事もあり最も迅速そうな気もしますが・・・。 ご意見有難う御座います。 さっそく参考にさせていただきます。

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