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年齢助数詞「歳」の代用字又は略字「才」の起源&普及

年齢助数詞「歳」の代用字又は略字としての「才」の起源&普及はいつ頃から? 数年前、初めて墓地の墓石・霊標板(墓誌)などの刻字に関わりましたが、 石材店からの事前の内容確認に際し「行年〇〇歳」部分が 「行年〇〇才」予定となっていた為、何のためらいもなく 位牌どおり「行年〇〇歳」への訂正を申し出た事がありました。 目前に迫る四十九日法要に伴う御斎会場手配や香典返し・粗供養手配、 仏間改修・仏壇開眼法要などに忙しく、初めての事でもあり、 その時点では何も考えていませんでした。 それまでは漠然と外から眺めていただけのことが、 内から対処する立場に変わった事で、場面毎に生じる疑問点を解消しながら、 落ち着きを取り戻したのは精霊棚を飾り終えた初盆間近の頃でしょうか。 あらためてあちこちの霊園・境内墓地・公営墓地の墓石・霊標板等を拝見すると、 「歳」「才」の刻字が入り乱れていることに気付きました。 もちろん日常的には「才」が「歳」の代用字又は略字であることは知っていますが、 墓石・霊標板の不統一にはとても驚き、数えたわけではありませんが、 どうも「歳」より「才」の刻字の方が多いような気もします。 日付・金額・住所・氏名など一字違えばとんでもない事態に陥りかねないと 少なくともビジネス・シーンでは日々一字一字に気を遣っているのは 私だけではないと思いますが、その感覚からすれば、 墓石・霊標板などの「才」の刻字は、独り善がりかもしれませんが、 私個人的には疑問符が付きますが、その一方で、 手作業時代なら「歳」よりは「才」の字を刻む方が易しかったのは明らかですから、 かつては「才」の字が刻まれ、一つの墓石・霊標板内での混用はおかしいので、 現在でも「才」が踏襲される場合もあろう事も想像できますから、 墓石・霊標板などに限っては「才」の方が慣習化されていて、 それに従うのがふつうという考え方が出来るのかも知れません。 そこで過去の使用例を近代デジタルライブラリー、神戸大学図書館新聞記事文庫、 青空文庫、国立公文書館などネット上で少し調べてみました。 下記辞書の「才」項目には、年齢助数詞の記述がありません。 ・『言海 日本辞書 (第2冊か-さ)/大槻文彦編/大槻文彦/明治22』(376頁) ・『大日本国語辞典 第2巻く-し/上田万年・他著/金港堂書籍/大正5.10』(633頁) ・『大日本国語辞典 第2巻く-し/上田万年・他著/富山房/昭和3.12修正版』(633頁) 一方、下記URLによれば、 ◇大修館書店HP「燕館」別館-漢字文化資料館> 漢字Q&Aコーナー>漢字Q&A一覧>Q0165 http://www.taishukan.co.jp/kanji/qa04.html#Q0165 昭和4~17年に編纂された『大漢和辞典/諸橋轍次/大修館書店』「才」項目には、 日本では「歳」の略字として用いる、というような説明があるそうです。 また、下記のように新聞、雑誌、届書等の一般的な表記では、 明治初期まで遡っても「歳」の代用字又は略字としての「才」の使用例が散見されます。 ・十五六才頃から研究をはじめて四十五年(本年翁は六十才) <大正2年2月8日大阪朝日新聞> ・十六才より七才に及んで居る <1912.7.(明治45)大阪新報> ・其中(そのうち)十一才の誕生日に有つた事をお話し致しませう。 <『女学雑誌/女学雑誌社/1893(明治26)年』「黄金機会 上/若松賤子」> ◇国立公文書館>アジア歴史資料センター 7月 松平大学頭家来額賀加藤治ヨリ届書〔生捕及死罪申付の件〕 【階層】防衛省防衛研究所>陸軍省大日記>軍務官記録・陸軍省審按>軍務官記録> 軍務官雑>明治元年7月8月 諸往復留 波28 【レファレンスコード】C09080398000【年代域】明治元年7月【画像数】7 http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C09080398000?IS_STYLE=default&IS_KIND=SimpleSummary&IS_TAG_S1=InfoD&IS_KEY_S1=%E6%B1%9F%E6%88%B8%E3%80%80%E5%8D%81%E6%89%8D&IS_LGC_S32=&IS_TAG_S32=& 「當時 明石貫之丞 生捕 當辰弐拾一才」ほか届書に多数「才」の使用例 あと『日本国語大辞典/小学館』では、 雑俳・西国船(1702)「あとがある三ケ月形りに青二才」の用例を示していますから、 1702年当時すでに「青二才」の表記があったということは、 ふつうに考えれば「二才」表記もあったはずです。 (天・地・人を表し、宇宙の万物の意とされる「三才」に対し、 未熟者ゆえ一つ欠けての「二才」だから、 実は「青二才」は年齢とは無関係なんてこともあるのでしょうか?) http://www.nikkoku.net/ezine/quiz/quiz005.html 続いて下記URLによれば、西念寺の移転が寛永十一(1634)年のため、 何時時点の刻字かは定かでありませんが、安土桃山時代の二代目服部半蔵、 慶長元年(1596)年十一月十四?日五十五歳死去。 墓石刻字「才」と言うよりは「戈-`」で 「歳(13画)」の5・11・12画目を表す略字のようにも見えます。 ◇東京雑写>2006年07月18日-四谷 西念寺 服部半蔵墓所 http://zassha.seesaa.net/article/20963739.html 写真8段目左側/墓石左側面の「三州住人服部石品 五十五才」刻 ほか下記URLでは「戈-`」の字について、 ◇中国語方言のページ>漢字の写真字典>減画略字(1) http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/kanji/genryaku.htm 「財」の姿形書換字の減画略字。部首の「貝」が略され,音符だけになっている。 この字体は,江戸時代に,年齢を表す「才」の同字としても常用された。 とありますので、元々が「財」「歳」の何れであれ、 石碑刻字には略字が一般的だったのかもしれません。 「歳」「才」の語意や漢音・呉音には差異がありますから、 我が国固有の問題のように思いますが、 「筑前国嶋郡川辺里戸籍断簡/大宝2(702)年」とか ネット上でキーワード検索可能な『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』 『うつほ物語』『大鏡』『水鏡』などでは、 年齢助数詞「歳」の使用例が複数ヒットしますが、 代用字又は略字としての「才」の使用例は見つけられませんでした。 あと、裏付けは取れていませんが、 「高野山文書(又續寶簡集百十一/嘉保二年~長承三年/1095~1134)」 僧覺鑁略年譜 覺鑁上人 嘉保二年乙亥生、嘉承二年丁亥十三歳從鎭西入仁和寺、十六才出家、 永久二年甲午參住當山、生年廿才、… など「歳」「才」の混用記述もあるようです。 また識字率を考慮すれば、日常的な表記の普及については世間一般では 早くても江戸期からとは思いますが… 前置きが長くなりましたが、ここからが質問です。 年齢助数詞「歳」の代用字又は略字としての「才」の使用は、 一般的な表記又は墓石刻字など、いつ頃まで遡ることが出来るのでしょうか? また知識層等や世間一般での表記と墓石刻字等はいつ頃から普及したのでしょうか? 画像または書籍あるいは古文書とか論文などとともに、 具体的な年代をお教え頂ければ幸いです(^^) お詳しい方だけに限らず、ネット検索に長けた方、 興味をお持ち頂いた方も含め皆様のお知恵をお借りしたいと思います。 長文読了ありがとうございます(^^)よろしくお願い致しますm(__)m

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みんなの回答

  • ohg-jiya
  • ベストアンサー率37% (354/940)
回答No.1

過去の使用例を詳しくお調べのようですが、 手書き時代は筆記略字はごく普通でしたから、これは使用例としてはあまり参考にはならないんでは?? うちは墓碑銘の原稿は正字で出していますが、そういえば他の家の墓碑銘には才はけっこう使ってますね。 例えば吉田茂のサインは役職柄たくさん残っていますが、 昭和23年の当用漢字制定前では吉田の「吉」は土吉を使ってましたが、当用漢字制定後は日本の総理大臣として正字を意識するようになったのか署名もちゃんと吉になってます。 これ、いわゆる手書きの略記に相当しますね。 これ以前は厳密に漢字の使い方、当て字の使用はうるさくなかった。 夏目漱石なんか当て字の使いまくり。 私の記憶によると戦後のシネマの字幕では「才」は使いまくり状態でした。 これは字幕としては字画が多いと読みにくいという実用性から採用されもの(当時字幕は手書きでしたし)だと理解していました。 それに当用漢字(常用漢字)使用には罰則があるわけでもなし、要は使う人のこだわり度ですからね。 私は編集やなので、職業柄こだわり派に入ります。 私、古い人なので子供たち相手に黒板書きするとき、旧字で書いてしまい、「その字、間違ってる!」って注意されることもあります。 以上、正字と手書き時の略字について、ご参考まで。

amasakaoowarawa
質問者

お礼

早速の応答、ありがとうございます。 「手書き時代は筆記略字はごく普通」と御教示いただきましたが、 正にそれが何時頃(漢字伝来当時?)まで遡れるのか 書物・石碑などの実例等により具体的な年代を知りたい趣旨で 質問させていただいております。 …書写に縁が深い寺関係が発端?かもしれないとも想像しています… …石碑刻字は当初全て「才」?の可能性もあったとか… 具体的な情報があれば宜しくお願い致します。 あと、行政側(法務省など)では「吉(士・土)」について、 「吉(士)」を正字、「吉(土)」を俗字として取り扱っているものの、 両字を筆写の習慣差、活字のデザイン差との見解を示していますし、 「已己巳(己)<イコみキ>」等たとえ別字であっても 筆記等の場面では緩やかな運用がなされています。

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