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請負人の行為が責任を問われない場合は? 「使者」だということが関係ある?

fix2008neoの回答

回答No.3

>しかし,それだからといって,工事中に発生した損害を「業者は施主の >『使者』だから,施主に賠償請求する」というのが通ってしまえば, >民法第716条は何も効力を持たないものになってしまうのでは? その通りです。716条が規定されている趣旨はその不安を払しょくするために規定されています。 すなわち、通常、使用者と被使用者、本人と使者(または代理人)との関係では、 いずれも使用者、本人が責任を負うことになります。 特に前者の場合には715条により使用者責任が規定されています。 ところが、請負というのは、発注者と請負人は使用関係にはなく、 したがって、使用者責任は認められないということが論理的に導かれます。 そのことをわざわざ注意的に規定したものが716条です。 つまり発注者は使用者ではないから使用者責任は負わない(715条の適用はない)が、 請負人と契約したのは発注者ですから、その指示に過失がある場合には、 発注者はその限りにおいて責任を負う、ということにしているのです。 (その意味で、716条は論理的に他の法律関係から導けるので、 間違わないようにわざわざ規定されている、いわゆる注意規定と呼ばれます)。 ここで、BはAに対して「Cは使者」として主張しています。 しかし、ACには請負関係がある以上、これは原則的には認められないでしょう。 もちろん、別の事情として、発注者であるAが請負人であるCに、 ついでに請負契約とは関係なしにBに対する伝達を頼んだ、ということであれば、 請負とは関係ないですから「使者」ということもいえる場合がある、ということはいえます。 そうすると、これがもし裁判であるとすると、 互いの主張のやり取りは、No1に示したことになりますが、 裁判所での判断の中心的なポイントは、 Cのなした行為がACの請負の範囲かどうか、が争われることになります。 請負の範囲なのであれば、716条の適用、すなわち「Aの指示の過失の有無」がポイントになりますし、 請負の範囲外ならば、「使者」という可能性もありえます(他の可能性もあり得ます)から、 「原状回復がなされているかどうか」がポイントになります。 質問者さんの事例では、Cは請負業者ですし、Bはその説明を受けていますし、 仕事の内容からも請負の範囲外と考えることは質問文からは難しいように思いますから、 そうすると、原則的に716条が適用されることになると思います。 したがって、その質問の場合では、Aについては指示の過失の有無だけが問題となり、 そして過失の事実が明確に出てこなければ過失なし、 という判断が下される可能性が強いと思います。 訴訟とい言う形でいえば、この場合、B原告でA被告としていますが、 Aがきちんと主張・立証を行えば、Bの主張には理由がないとして棄却されることになると思われます。 なお、Bの花壇につき原状回復していないことが事実として認められるなら、 そして、AまたはCからのいずれかから損害賠償を得ようとするなら、 A及びCを被告として同時審判申出訴訟をすることにより解決できた、と思います。

nekotower
質問者

お礼

fix2008neo様,貴重な日曜日に,何度もご懇切なご回答を下さり, 本当にありがとうございます。 シロートの私にも,無理なく理解できる名回答だと思います! ・・・本当は,「お礼」欄で補足するのはダメだと思うのですが, 内情をさらにお示しすると,   ◯現在,業者Cは夜逃げしちゃって行方不明。   ◯で,花壇の現状も「原状回復していない」と認められてしまっても,    仕方ないかもなあ,という形状。 という状態です。 なので,「Cへの指図に際しての,Aの過失の有無」を争うとき,   (1)「Cへの指図の内容は過失の無いもので,結果的にCが     その通り仕事をしなかっただけだ」とAが主張して,認められる?   (2)それとも,花壇の形状が不十分であるという事実を以て,    Aの指図に過失がある,と見なされる? というところが,また疑問でして・・・。 なんだか,一つご教示いただくと,それを踏まえてまた疑問が出てきて しまいまして・・・。 ただ,これは当初の質問から派生して,別のことになってしまってますし, それこそ単なる一般論では論じにくいですよね。 ご回答いただきまして,本当に心から感謝しております。

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