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和泉式部日記の“はかなし”
和泉式部日記の一文(岩波文庫P12)に なにかは、あだあだしくもまだ聞こえた給はぬを、はかなきことをも、と思ひて、~和歌~ というのがあります。 和泉式部は言ってしまえば恋と和歌の女と言っても過言ではないくらいですよね? なのにどうして和歌をはかなき(つまらない)ことと言っているんでしょうか?
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この部分は、「和泉式部日記」の冒頭部分で、恋人の為尊親王を亡くして、傷心に浸っていた和泉式部の許に、かつて為尊親王の許に仕えていた小舎人童が、親王の弟宮の敦道親王の言伝を持って和泉式部の前に現れて、橘の花(「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」を踏まえる)を取り出して、その返事を求めたことに対して、和泉式部が和歌を詠んで返事をする場面です。 そこで、和泉式部が心の中で、「なにかは、あだあだしくもまだ聞こえ給はぬを、はかなきことをも」と思ったのです。 ここの心象部分を口語訳すると、「ええい、何の事があろうか。浮気性の(あだあだし)宮様という評判はまだ聞いてはいないので、何は無くとも、とりあえず他愛の無い和歌でも返事しよう」となります。心中では、亡き兄宮の事を考えながらも、弟宮からの求愛が来て戸惑い、これが真実の恋なのか迷って、このように考えたのでしょう。 そして、次の歌を弟宮に贈るという風につながるのです。 「薫る香によそふるよりはほととぎす聞かばや同じ声やしたると」 (あなた様は、昔の人の香がするという橘の花を贈ってくださいました。わたしも亡き兄宮様のことを偲んでおりますが、時鳥の鳴き声によそえて、昔の人(兄宮)と同じ声をしているのかと、あなた様の声が聞きたいものです)
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- kzsIV
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「薫る香によそふるよりはほととぎす聞かばや同じ声やしたると」 この歌は、歌だけから解釈すると、 「五月になると、あの人を偲ぶよすがになる橘の香りを「聞く」ことができるのもうれしいけれど、あの人と一緒に聞いたホトトギスが同じ声で鳴くのを聞くほうがもっとうれしい。」 これは表向きの内容です。和歌は表向き書けないことを相手に伝える働きをします。kogonta31さんの回答では、状況が明示されているので、裏の内容(ホンネ)が解釈の前面に出ています。 詞書は歌の真意を読者に悟らせるための最低限の情報です。 歌だけで表向きの解釈をし、 歌と詞書と、セットで、呼応させつつホンネの解釈をする。 これが平安和歌の解釈のコツです。 和歌が全く別のもので、秘めた思いを打ち明ける内容だったら、詞書の「なにかは、あだあだしくもまだ聞こえ給はぬを、はかなきことをも、と思ひて、」は 「なんということもないことです。あの方が、遊びで私とつきあっているという噂どおりに振舞われていると決まったわけではないし、私は無駄なことでもいいからしてみようと、決心して(思いを打ち明ける手紙を書いたのです)。」 と解釈できないわけではありません。 http://okwave.jp/qa4978445.html 回答No.4
- kzsIV
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なにかは、あだあだしくもまだ聞こえた給はぬを、はかなきことをも、と思ひて、 これだけでは正しく解釈できません。しかし、和歌がつまらない、という意味でないことは確かです。状況がわからないので、いろいろに想像して解釈できます。それらのすべてがこの「和歌」の正しい解釈となるわけではありません。 こんなのはどうでしょう。 だからさァ。キライって言われたわけじゃないんだからぁ……。無駄でもイイからってェ、メールでね!!! ……(ハート)(ハート)(ハート)……って 「コク」っちゃったのよぉ!?。
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お礼
なるほど!このはかなしは、和歌全体に対するものではなく、返答に困った和泉が「今はこんな他愛のない和歌しかかえせないわ」と想ってのことなんですね! ありがとうございました(^^)