解決済みの質問
「兎」という字について少し説明します。漢字は大まかに言って
甲骨文字→金文→篆書→隷書→行書、楷書
と変化してきました。篆書は印鑑などに使われる字体ですが、筆で書く字ではなく、削って書く字でした。この段階では「兎」の上の部分は「刀」のように見えます。
筆で書くようになって、字体が変化しましたが、その結果楷書では「兎」、またはこの字の中央の縦線が上に突き出ない「白」の上の部分のようになった字体となりました。
印刷用の活字ができたのはずっと後のことですが、この活字体の基準は康煕字典という辞書を元にしています。この辞典では漢字の起源にちかい篆書を重視して、「兎」の上の部分が「刀」の字を正しい活字体としたのです。
したがって手書きでは「兎」が、活字では上を「刀」にした字が正しいものと思われます。
上が「ク」の字がどうしてできたのかというと、「免」との混同によるものと思います。「兎」と「免」は篆書の段階では違いは右下にある点のみです。楷書に変化した段階では上の部分の形が違ってきました。二つの字を区別しやすくするためではないかと思います。しかしながら、小数の例外もあり、この二つの字を判別する最大の違いはやはり、右下の点です。
なお康煕字典では「免」の上はやはり「刀」です。
というわけで「冤」という字はあまり好ましい字体ではないと思います。
手書き文字では下は「兎」とするのがよく、活字体では「ク」の部分を「刀」にした方がよいでしょう。
手書き文字と活字との字形の乖離は問題で、個人的には活字を古くからの楷書体に近い字体に変えた方がよいと思いますが、康煕字典を絶対視する人も多く、なかなか解決できないようです。
投稿日時 - 2002-07-29 12:00:11
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