• ベストアンサー

村上春樹とグレート・ギャツビーについて

数年前に村上春樹氏のフィッツジェラルドを巡るエッセイを読みました。 フィッツジェラルドの破滅型人生は文学的で興味深かったのですが、 その本で絶賛されていたグレート・ギャツビーを読んでも、 いったい何がそんなにいいのか、さっぱりわかりませんでした。 その本で村上春樹氏がグレート・ギャツビーを誉めている理由については記憶に残っていないし、そもそも理解できなかったのかもしれません。 その時から今まで疑問に思っています。 グレート・ギャツビーの魅力はどこにあるのか。 なぜ、村上春樹氏はグレート・ギャツビーを絶賛しているのか。 自分でもう一度読めばいいのでしょうが、その前に道しるべとしてご教示をいただけたら幸いです。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
noname#37852
noname#37852
回答No.2

ええとですね、読売新聞にメールでのインタビュー連載がありました。 そこで『グレートギャツビー』について語っていましたけど、たしか、フィッツジェラルドの小説を読んで、成長しなければならないというメッセージを感じただか、そう思っただか・・・・言っていました。 曖昧でごめんなさい。 私にも春樹さんの言う「良さ」は解らないんです。 どこで読んだか忘れましたが「(グレートギャツビイを)僕のような読み方をしている人にいままで会ったことがない」とのことでしたので、一般的ではない解釈というか、春樹さんにとってはものすごく何か来るものがあった(ある)作品であり、作家である、ということなんだろうと思います。 No.1の方がお書きになっているように、他の人には解らないらしい。 私にも解らんです。村上春樹は好きですが。 探してみたらありました。本よみうり堂 《今の日本に「成熟」伝えたい《村上春樹 僕の「ギャツビー」 上》 http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061124bk02.htm 《高い志 小説家の規範《村上春樹 僕の「ギャツビー」 下》 http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061128bk04.htm しかし「村上朝日堂はいほー」ってのがいいですよね(笑) 登場人物たちの考え方や行動様式が現代に生きる我々にとってもじゅうぶんに同時代的で、物語の中の情景のひとつひとつの意味や成り立ちについて、あたかも「我がこと」のように真剣に考えさせられるのが良い物語である・・・・ たぶん村上さんにとって『ギャツビー』はそういう物語なんでしょうね。 フィッツジェラルドを小説家として「規範・基準」と見ている。 彼は「私生活があまりまともじゃなかった」が、天才なんだからどんな生活を送り、どんなひどいことをしてもべつにかまわない。 作品が残ればいいのだ。 など。 でも正直言って、インタビューを読み返しても、私にはいまひとつピンと来ません。 たぶん私にとってはフィッツジェラルドにはビビッと来るものがないんでしょう。 なんか村上さんには圧倒的に感じるものがあるんでしょうね。 スパンと解る(ような気がする)何かが。

tabataba3
質問者

お礼

回答していただきまして、ありがとうございます。 ご紹介いただいたページ、とても参考になりました。 小説に耽るとき「物語の中の情景(文脈からは人物の言動か)のひとつひとつの意味や成り立ちをあたかも我がことのように」感じるのはごく普通のような気もします。まあ、過去の時代から生き残るのは、そうした小説だけだからなのでしょうが。ともかく、村上氏にとっては「我がことのように」の度合いが高いということですね。 小説を読むという行為そのものについて、考えさせられます。 実は食わず嫌いで村上作品に手をつけておらず、初めて読んだのがそのエッセイで、これで行き詰まってしまっていました。当時はまだ村上訳の「ギャツビー」も出ていなかったので、これを機会に読んでみようと思います。そのエッセイと「ギャツビー」は、村上春樹氏の感性を表すものとして、入門としての選択は期せずして間違っていなかったわけですね。 数年来のもやもやが整理できました。 ご教示ありがとうございました。

その他の回答 (2)

noname#37852
noname#37852
回答No.3

No.2です。 コメントありがとうございました。 勝手ながら、村上春樹ファンとしてのアドバイスです(笑) 村上春樹の著作は分野や作品によってかなりヴァリエーションがあります。 そのためファンの中でも、「翻訳作品はあまり読んでいない」とか「ノルウェイの森が好き」「ノルウェイの森よりは断然『羊をめぐる冒険』だ」とか、「昔の作品のほうが好み」「今の作風もいい」などなど、好みが分かれます。 短編は短編で不思議な雰囲気があるし。 村上春樹の感性に触れるためにエッセイをお読みになるなら入門編としては『村上朝日堂』シリーズがお勧めです。 小説とは全く違う世界です。 なにしろ『村上朝日堂はいほー』ですからね(苦笑) 日常的な考察があったりします。 旅行記は旅行記でまた、朝日堂とは全然違ってシリアス。 ユーモアはありますが。 小説ですと、『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』の“初期3部作”、続編の『ダンス・ダンス・ダンス』が基本を知る上では良いと思います。 他に評価が高く、なおかつ読みやすいと思われるのは『ノルウェイの森』『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』 それぞれ全然違う傾向の話ですが。私は後者が好きです。 村上訳『ギャツビイ』はまだ読んでいないんですが、従来出ている訳版は読みました。 「なるほど、ハルキさんはこういうのを読んできたんだな」と思いました。 どの話だったか、書き出しの雰囲気が似ている作品があったんです。 カフカ賞を取ったりなんかして騒がれた頃、テレビなどの報道で「村上春樹氏は自分のことをさらけ出さない」みたいに言われていましたが、そういうことを言うのはエッセイを読んだことのない人だろうなと思いました。 エッセイだとけっこう日常生活とか奥様の話とか出てくるんです。ファンなら奥様のお名前だって知ってます。 http://opendoors.asahi.com/asahido/ http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E6%9C%9D%E6%97%A5%E5%A0%82-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E6%98%A5%E6%A8%B9/dp/4101001324

tabataba3
質問者

お礼

再び、ありがとうございます! ご紹介を読んで、手付かずだった豊かな世界に入れそうな気がしてきました。 『村上朝日堂』、読んでみます。 アメリカ文学にもう少し入ってみようという思惑もあってフィッツジェラルドを巡るエッセイを読んだので、相互に幅を広げていければ、とも思っています。 やはりこういうことはご存知の方に教えていただくものですね。 ご指南ありがとうございました!

  • tabbycat
  • ベストアンサー率30% (60/195)
回答No.1

私はそのエッセイを読んでおらず、村上氏の熱狂的ファンという訳でも ないのですが、お答えします。 村上氏は「ギャッツビー」と「僕」の両方に自分を見たのでは ないでしょうか? ギャツビーは派手な生活をしているけれど孤独で、たった一つの事を 成し遂げたいばかりに恐ろしく膨大かつ緻密な、でも不器用に 力を注ぎ込んだ人。 「僕」は身の丈に合わないことは決してせず、人間関係のごたごたは うんざりだと引き気味にしている人。でもすべてを見守ってしまうし 周囲からの人気がある。 両方に村上氏に通ずるものを感じました。 それと描かれている時代のアメリカの雰囲気と村上氏の青春時代の 空気感と合っているのかもしれません。 でも、これらは後付けの考察であって、 それほどまでに惹きつけられる理由は、村上氏の周囲の誰も 理解できないそうです。

tabataba3
質問者

お礼

そうすると読み手は、村上氏のギャツビーへの思いを彼の自己理解の軌跡として受け取り、その自己理解と小説の内容を重ねる、という仕掛けのエッセイだったということなのですね。 そう考えるとエッセイの方はわかるような気がしてきました。 もともと文学を理解するとはそういうことですよね。 私自らが独自にギャツビーに共感できるかは、自分でその作業をしなければいけない、ということですね。 よくわかりました。ご教示ありがとうございました。

関連するQ&A

  • 村上春樹氏の書籍

     村上春樹氏が数年前(20年位前)に出されたエッセイで{山口県柳井市での無人島での体験談}が掲載されたエッセイ集が出版された記憶があります。ご存じの方がいらっしゃいましたら 書籍名、 出版社などお教えいただけませんか。村上氏の本はほとんどそろえているつもりなのですがこの本のみ行方不明になってしまいました。来年こそ「ノーベル文学賞」を期待しております。 どうぞよろしく

  • 村上春樹さんのエッセイ

    村上春樹さんのエッセイで「私は○○(英語)を求めていたのだが、 彼らは○○(英語)を求めていたのだ」といった感じの文章が、 書かれたものがあると思います。 一部分だけを、ネットで見かけてそれが頭を離れません。 本を買いたいのですが、どの本に収録されているのか分かりません。 そのエッセイの題名、もしくは収録されている本の名前が、 おわかりになるかたいましたら、教えていただけないでしょうか。 よろしくお願いいたします。

  • 村上春樹が影響を受けた作家について

    こんばんは。 村上春樹が影響を受けた作家を教えていただけませんでしょうか? 最近、外国文学に関心がでてきたので、 何から読んでみようかと一考していました。 読書家と言えるほど読書に時間を使えず、本当に未熟なので知りたいことがたくさんあります。 いい本に出会い、自分で発見した本がよくって嬉しくなる。そういう経験もこれからも味わっていきたいのですが、同時に限られた時間でいい本に出会いたいという打算もあります。 まだ村上春樹の作品を全て読んだわけではないのですが、平行して読んでいきたいと思い、質問させていただきました。 ちなみにネットで調べた(或いは私がそうだろうと思った)作家は、 カーヴァー、チャンドラー、フィッツジェラルド、ヴォネガット、カポーティ、カフカ、ブローティガン、サリンジャー、ドストエフスキー、ヘミングウェイ、トルストイ、チェーホフです。 他にもたくさんいると思いますが、 どなたかよろしくお願いいたします。 ご教授くださいませ。

  • 村上春樹さんの1Q84のような流行っていた本・

    村上春樹さんの1Q84のような流行っていた本・ 「これは(これだけは)読んでおいておいた方が良い」本を探しています (かなり昔でもOKです) エッセイなどより真面目な感じで宜しくお願いします 読む人は60過ぎ男性です どなたかご返答や感想をお願いいたします

  • 村上春樹さんのよさはどこでしょう?

    村上春樹さんのノルウェイの森を読みました。 村上春樹さんは非常に有名で、このカテゴリーでもファンの方は多いようですが、 彼の小説のどのようなところが好きなのでしょうか? 非難するつもりではなく、単純にその魅力を具体的な言葉で知りたいのです。 ノルウェイの森しか読んでませんが、 私の感想では、、。 まず、主人公の人格ですが、あまり魅力が無いように思います。 実際にいても、友達が出来ず、人望も無いのでは? と思ってしまうほどに感じます。 また、相手の女性方も、全員とは言いませんが、魅力に欠けます。 無くてもいいのでは?と思えるようなエピソードもたくさん出てきます。 冒頭の、多少苦しみながらの回想シーン、 これは小説の終わりに、冒頭の部分につながるはっきりとした何かが来るのかなと思えば、何もありません。 冒頭の部分がなぜ必要なのかもわかりません。 最後、年上の女性と肉体関係を持ってしまうのも いったいこの本で何を表現したいのかと思ってしまいます。 他の作品もたくさん読んでみたいとも思うのですが、 迷っています。 村上春樹さんの作品を好きな方の魅了されている点を具体的に教えて頂けないでしょうか?

  • ポスト村上春樹といえば?

    村上春樹さんはノーベル賞受賞間近と言われ、 日本で広く親しまれるだけでなく、様々な国に熱心な読者がいます。 2、30年前の作品が、今なお映画化されたりして愛され、読まれ続けています。 村上春樹さん以降の作家で、 これから、村上春樹さんのように、愛され続けると思われる 日本人作家と、そのお薦め作品を教えてください。 (別に文体や作品が村上春樹さんに似ている必要はないです。) 海外文学ばかり読んできて、 日本の現代小説、特に21世紀以降の作品は詳しくありません。 でも、古川日出男さんのベルカとアラビアの~を読んで面白いなあと思い、 今の日本文学で、とびきり生きの良い&すばらしい作品を知りたいと思うようになりました。 なお、個人的な好みとして、 海外文学は、岸本佐知子さん、柴田元幸さん、村上春樹さんの翻訳したものは大体チェックしています。 池澤夏樹さん監修の世界文学全集は、わりと好きな作品/作家が多かったです。 他にチェーホフ、夏目漱石も好き。ナボコフも好きです。 そういう作品/作者と、並んで読めるような作品を是非是非教えてください。

  • 村上春樹さんのエッセイのタイトル

    村上春樹さんのエッセイの中で、「人生の2大キーワードは、”そんなもんだ”と”それがどうした”だ。乗ろうと思った電車のドアが目の前で閉まってしまった時は”そんなもんだ”と思えばいい、それによって待ち合わせに遅れてしまうときは”それがどうした”と思えばいい」という話をよく覚えていて、自分のブログで引用したのですが、出典を聞かれて分からなくて困っています。どなたか思い出していただけないでしょうか?

  • 村上春樹とバターピーナッツ

    村上春樹の小説もしくはエッセイで、非常に美味しそうなバターピーナッツの作り方の表記があります。 行きつけのバーのマスターが、客のためにそのつどフライパンで生ピーナッツをバターで炒って出すのですが、その本のタイトルがわかりません。 おそらくエッセイで村上氏が通っていたショットバーだと思うのですが……、小説のワンシーンかもしれません。 わかる方がいましたらぜひ教えてくださいませ!

  • 村上春樹の<風の歌を聴け >についてです

    村上春樹の風の歌を聴けという文学があります 読書感想文を書けと学校の先生に言われました 正直、文学は苦手で本を読むのも苦手です 一応この本は読みましたが いまいち理解ができず、本を要約できませんでした そこで150字以上でこの本を要約してほしいのです よろしくお願いします

  • 村上春樹さん

    村上春樹さん、若い頃は読んでたけど歳いくにつれて読まなくなった、という方がたまにいます。 自分も10代後半、はまりました。20代になってからも、新刊が出れば読んでいました。海辺のカフカあたりから、なんか変わったな〜昔の方がよかったとがっかりしてしばらく読まなくなりました。しかし数年したら、むしょうに海辺のカフカが読みたくなり、読んだらとてもよかったです。何度も繰り返し読みました。20代後半でした。逆に昔の作品を読みたくなくなりました。 30代になり1984、やっぱりピンと来ませんでした。しかし数年後無性に読みたくなり読んだら良かったです。 しかし、そこまでです。色彩を持たない〜からは、まったく読んでいません。新刊が出たとき買ったのですが、数行読んで、もういいや、と思い、ブックオフに売ってしまいました。 それから10年ほどたちますが、まだ読んでみたいと思いません。 もっと歳を取っていったら、そのうち読みたくなると思いますか? また、若い頃は好きだったけど今は…という方、なぜですか? 昔の作品と最近(といっても20年くらい前の海辺のカフカあたりから)の作品、どちらが好きですか? 村上春樹さんは大好きなので、エッセイなどは今でもたまに読んでいます。 みなさま、どうですか?