イスラエルについて（周辺諸国及び米国との民族上及び宗教上の関係）

質問

アラブ人を追い出して、ユダヤ人がイスラエルを建国したということは表面的には理解しているのですが、
・イスラエルと周辺諸国（アラブ諸国？）
・イスラエルと米国
の、民族上及び宗教上の構図について、ご教示くだされば幸いです。よろしくお願いします。

回答No.2

koon1600 · ベストアンサー

厳密に言えば、イスラエルはアラブ人を追い出して建国したわけではありません。
すべての元凶はイギリスの三枚舌外交にあります。そして、実際のところ宗教戦争というわけでもありません。

第1次世界大戦で軍事費に困ったイギリスは、ユダヤ人資本であるロスチャイルド家に資金を借りようとします。そのときにした約束が「もし資金を貸してくれたら約束の地（パレスチナ）におけるユダヤ人国家独立を承認する」というもの。「密約」とよばれる裏約束です。歴史的にはバルフォア宣言と呼ばれます。

さて、一方ではイギリスはオスマントルコ帝国とも戦争状態にありました。しかし、広大な領土を持っているオスマントルコを攻めあぐねていました。そこで、フサインという人物に「オスマントルコを倒すのを手伝ってくれたら、パレスチナに建国させる」という「密約」を行いました。これがフサイン・マクマホン書簡。

もう一方でイギリスは、同盟国であるロシア、フランスとともに、戦後の中東を3分割するという「密約」を結びます。これがサイクス・ピコ条約。

しかし、サイクス・ピコ条約はレーニンがばらして表に出てしまい、イギリスの三枚舌外交が明るみに出ました。
セーヴル条約で、このサイクス・ピコ条約が通ったため、イギリスとフランスで分割することになります（ソ連は、これをすでに破棄していたので、フランスイギリスで2分）。
で、パレスチナですが、かの地はイギリスの統治領となったので、上の2つの密約（バルフォア宣言とフサイン・マクマホン書簡）を、もしかしたら実現してくれるのではないかという「期待」をこめて、双方がパレスチナに入ります。

しかし、イギリスは結局履行せず、両方の顔色を伺いながら、どっちつかずの政策を行っていました。しかし両者の溝は深まり続け、1929年におきたアラブ人の発砲事件で、両者の亀裂は決定的になります。その後も関係は悪化。第2次大戦後の1946年に、ユダヤ人がイギリス大使館を爆破します。
これで「もう統治できない」としたイギリスは、問題を国連に「丸投げ」します。

で、その国連が出したパレスチナ分割案（半分ずつに分ける）にパレスチナが反発（理由は、人口比が1：50という割合で、圧倒的にパレスチナ人が多かったため）。そして、第1次中東戦争が起こり、これはイスラエルが大勝。分割案の1.5倍も多い領地を得ます。
その後、泥沼化して現在に至るのです。
結局、ユダヤ、イスラムともに被害者でして、宗教戦争というよりは、大英帝国時代のイギリスが招いた代物です。

宗教的に見ては、イスラエルの周りはすべてイスラム教国で、まさに孤立状態の四面楚歌です。
なお、アメリカは、これはまた込み入った問題があるのですが・・・ユダヤ人資本がアメリカ社会では少なからず影響があるため、イスラエル寄りの政策を取ると票が集まる、というのもあります。
また、イスラム過激派のテロ問題や、アメリカ国内のキリスト教過激派の問題、石油がらみの利権を含めた、中東政策の方針もあるのかと。

まあ・・・なににしても、ユダヤもアラブも被害者なのは確かでして、それにアメリカの利権などが絡んだ、非常にどろどろしたものです。決して、宗教戦争ではないのが現実です。

補足

詳細なご回答ありがとうございます。
　「イスラエルの周りはすべてイスラム教国で、まさに孤立状態の四面楚歌」はそうだと思っていたのですが、「ユダヤ及びイスラムともに被害者で、大英帝国時代の三枚舌が原因」と「アメリカは人資本がアメリカ社会では少なからず影響があるため、イスラエル寄りの政策を取ると票が集まる」というのは目から鱗です。

　中段にあります「双方がパレスチナに入ります」の双方とは、ロスチャイルド家（ユダヤ人）とフサインという人物だと思いますが、フサインはアラブ人なのでしょうか？パレスチナ人なのでしょうか？「国連が出したパレスチナ分割案（半分ずつに分ける）にパレスチナが反発（理由は、人口比が1：50という割合で、圧倒的にパレスチナ人が多かったため）。そして、第1次中東戦争が起こり、これはイスラエルが大勝。」というのを読んでいたら、わからなくなってしまいました。よろしくお願いします。

※私も、No.1の補足を書いている間にNo.2の回答をいただいてしまいました。No.3の回答も拝見しましたが、ここにまとめて補足させていただきます。

回答No.7

mago99

確かユダヤの神であるヤハウェー（エホバ）とイスラムの神アラーは同一の神であったと記憶していますが・・・。キリスト教もイスラム教も旧約聖書を経典と見なしているはず・・・。
現在の砂漠地方の神は、エル、エロヒム、ヤハウェー、エホバ、アラーと、色々な名前があるのですね。

お礼

ありがとうございます。なかなか一筋縄では行きませんね。

回答No.6

eroero1919

＃1さんへの回答に間違いがあります。

質問者さんはエルサレムがキリスト教の聖地と書かれていますが、元々はユダヤ教の聖地です。
元々、イエスという人はユダヤ教徒で、ユダヤ教の教えの範囲内で宗教活動をしていました。彼が十字架にかけられた後、「イエスは死後3日たって復活した。彼は救世主（キリスト、あるいはメシヤともいいます）である」と主張する人々が出てきてキリスト教が誕生しました。ユダヤ教は、イエスのことは「自称メシヤ」であるとして救世主として認めていません。
イスラム教はそもそも旧約聖書も経典としましたし、イエスも「預言者（神の言葉を伝える者、という意味です。『予言者』とは違うことを注意してください）」としていますが、「最後の、そして最も優れた預言者はムハンマド（マホメット）」として、彼の教えを集めたコーランを最も重要な経典にしています。
そしてムハンマドは「人生最後は、エルサレムで過ごしたいなァ」と望んで、エルサレムで亡くなりました。つまり、エルサレムはイスラム教徒にとって「教祖入滅の聖地」になってしまったのです。

ここまで読んでお分かりの通り、ユダヤ教というのはキリスト教やイスラム教の父みたいな存在です。ということで、彼らの対立を本質的に理解することは我々日本人には不可能なのですよ。

補足

「エルサレムは、元々はユダヤ教の聖地」、「エルサレムはイスラム教徒にとって『教祖入滅の聖地』」なのですね。ありがとうございます。
　１点だけ教えてください。「ユダヤ教というのはキリスト教やイスラム教の父みたいな存在」とごじますが、ユダヤ教がキリスト教の父であることはわかりましたが、ユダヤ教がイスラム教の父であるとは、どう理解したらよろしいのでしょうか？ご教示くだされば幸いです。

回答No.5

sgi1962

宗教的には・・・
現米国政権はプロテスタント原理主義でして、
イスラエルの地にイエスが再臨するとまじめに信じている
関係上、この国がないと困るのです。

補足

「現米国政権はプロテスタント原理主義」というのが、ユダヤ系米国人のなのでしょうか？

回答No.4

jk7

１．民族
イスラエル＝ユダヤ人
周辺諸国＝アラブ人
ただし、パレスチナ在住あるいは難民となったアラブ人を、特にパレスチナ人と呼ぶこともある。
アメリカ＝人種のるつぼ
当然ユダヤ系アメリカ人もいる。そのユダヤ系アメリカ人が、実は影でアメリカの政治と経済を牛耳っていると考えられている。

２．宗教
イスラエル＝ユダヤ教
周辺諸国＝イスラム教
アメリカ＝キリスト教

お礼

非常に簡潔・明瞭なご回答ありがとうございます。
「パレスチナ在住あるいは難民となったアラブ人を、特にパレスチナ人と呼ぶ」は、学生の頃にかった世界史の用語集で調べて、なんとなくそうなんだろうとは思っていたのですが、すっきりしました。
「ユダヤ系アメリカ人が、実は影でアメリカの政治と経済を牛耳っている」というのがミソなのですね。

回答No.3

koon1600

解答書いている間に補足がでたので・・・

イスラエルはユダヤ教国ですよ。完全に（なにせユダヤ教徒でないとユダヤ人と認めないので）。
もともとユダヤは国を持たない民族、として虐げられた歴史があるのですが・・・そのあたりはウィキあたりを見てください。

また、イスラム教はもともと他宗教に寛容です。仲が悪いのはここ100年くらいですし、キリスト教世界のように「異端排斥」なんていうのもないです。

参考URL：

http://ja.wikipedia.org/wiki/ユダヤ人

お礼

「イスラム教はもともと他宗教に寛容です。仲が悪いのはここ100年くらいですし、キリスト教世界のように「異端排斥」なんていうのもない」というのは、大づかみで理解する助けになりました。ありがとうございます。

回答No.1

noname#20181

非常に長いのでこちらをどうぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/イスラエル#.E5.8F.A4.E4.BB.A3

参考URL：

http://ja.wikipedia.org/wiki/イスラエル#.E5.8F.A4.E4.BB.A3

補足

ご回答ありがとうございます。たしかにwikipediaには詳しく書いてあるのですが、、、
イスラエルはキリスト教の聖地であるエルサレムを首都に持っていますが、イスラエルは単純にキリスト教国家と考えてよいのでしょうか？（そうであるならば、イスラム教を信仰するアラブ諸国との対立は理解できるのですが。）
　また、米国との関係についても、簡単にで結構ですので、ご教示くだされば幸いです。よろしくお願いします。