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哲学者の公務

noname#2543の回答

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noname#2543
noname#2543
回答No.10

No.6,No.8の回答者です。 明日から、およそ哲学やネットとかいった文明とは無縁の世界に旅立つので最後にします。 >(1)哲学者には納税者への大きな具体的実績はない >(2)哲学者には納税者からの具体的期待がほとんどない >は認めるがこのとき「功利主義かつ民主主義」を前提としなければ,「哲学者の >存在の否定」は言えないというご意見ですね. 違います。功利主義の論理を徹底されたとき(1),(2)の批判に答えにくいと言うだけです。 >しかし今現在が功利主義かつ民主主義なのですから,言い換えると「功利主義の >否定または民主主義の否定」がちゃんと成立するときまで,哲学者は自己の存在 >を肯定できない日が続くということです. 今現在は功利主義かつ民主主義ではありません。単に主流派を形成しているだけです。功利主義批判の潮流は哲学上もありますし、一般人の生活感覚にも存在するでしょう。No.9の方も仰るように、哲学への税金は建前上は民主主義的に配分されています。つまり、功利主義の論理に上手く反論できなくても、少なくともNo1-No9の人々は、直感的に「哲学は必要だ」と感じるわけです。 そして、理論化された功利主義の直感と、未だ理論化されない功利主義批判の直感はどちらが正しいかは、直ちには決められないでしょう。 >哲学者は警鐘を鳴らすために…と仰ってますが,なんらかの具体的な破局(戦争 >や大事故や地球環境破壊)から社会を救うという目的を前提としている主張に思 >えます.これは先に仰られた個人の満足のためという主張とは明らかに異なって >客観的な成果を目的と認めていると思うのですが. そうです。それは何ら論理的な破綻を意味しません。ある一つの行為に、複数の目的(正確には「効果」)が混在しても問題はありません。 私が、NO.6とNO.8で論理を変えたのは「個人的な満足」はダメとしゃるのでおっしゃるので「社会的な便益」をも指摘しただけです。個人的には、小説家に公的な補助金を出したって良いと思います。小説に税金が使われないのは、歴史的な沿革と、優秀な小説家なら自力で飯が食える、という点にあるのでしょう。 >真に警鐘を鳴らしたいのならば,なぜ「哲学者は納税者のメリットの1つである戦 >争や大事故や地球環境破壊のリスク低下を目的としている」と最初から明示しな >いのでしょうか? 研究者の主観的な「目的」と社会が期待する(期待し得る)客観的な「効果」は違います。数学者も科学者も、哲学者と同様、必ずしも社会の為に研究をしているわけではありません。単に「楽しいから」「生活の為」という人が沢山います。(もちろん、中には「人類の為」と言っている人もいます。しかし、哲学者にも同様に「功利主義批判」を高々と掲げる人もいます。) そのような科学者・哲学者を一般国民が食わせているのは、社会的な「効果」を期待するからです。もちろん一般国民は、功利主義批判なんて考えてないでしょう。しかし、同様に科学者の社会的便益ということも、常に考えているわけではありません。突っ込まれたとき、科学者の便益はすぐ答えられるが、哲学者のそれは説明しにくいだけです。 >なぜ「納税者の具体的期待」を得ようとしないのでしょうか? 科学者だって、いつも「納税者の具体的期待」を得ようと宣伝しているわけではありません。研究者は半分変人ですから、あまり社会の目とかは意識しないのです。 ただ科学への期待は一般人にも分かり易いので勝手に目に付くだけです。哲学界では功利主義批判は非常にホットな話題です。ただ、それが国民に伝わってないだけです。新聞の学芸欄とか読んでみてください功利主義に限らず現代の思想に警鐘を発する思想家の主張はよく載っています。 >「現時点で納税者が期待していると思われる便益」∋「功利主義かつ民主主義の >行き過ぎによる戦争や事故や地球破壊のリスク低下」 は既に成立しているように >見えます. ええ、ですから社会は哲学者に税金を払うのです。 >功利主義と民主主義を前提とした社会の構成員として生きるならば,これを前提 >と素直に認めた上で,「功利主義と民主主義を「行き過ぎない」ようにする」こ >とを素直に目的として掲げればよいのに…と思うのですが. つまり、skistrさんも「哲学者の便益」を認められたわけですか?だとしたら、問題は解決ですよね。哲学者自身の「目的」と社会が期待する「効果」は一致しないのはすでに説明しましたよね。 哲学者をはじめ研究者には、変人が多いのです(実感)。でも、社会は彼らのワガママを多少は我慢して、その社会的な「効果」を得ようとするのです。 >数学者が数学の自己進化を目的として許されているのは「具体的実績がある」か >らでしょう.哲学者にはそれが無いのですから,警鐘を本当に鳴らしたいのなら >ば,数学の真似など止めて「具体的期待がある」状況にもっていくしかないので >はありませんか? 哲学に具体的実績はあります。例えば功利主義それ自体もその実績の一つです。功利主義、この当たり前の合理性さえ、誰も疑わなかった時代があるのです。民主主義、この当たり前の原理さえ、気がつかなかった人の方が多いのです。そして、これらの当たり前の民主主義や功利主義も、千年後の人々にとっては、嘲笑の対象になっているかもしれません。 ところで、私のこの哲学擁護論自体、功利主義批判のほうが便益あるという功利主義になっています。これは意識的です。功利主義のベースで功利主義批判をした方が功利主義の人には説得的だからです。私の思想自体は、もっと「非合理的」な淵源に発っします。 ところで、哲学の実績は探せば色々あります。確かに科学的な成果のみを「便益」とするなら限られるでしょうが、例えば実存主義なしに大江健三郎の小説は無かったでしょう。「パレート最適」という哲学上の概念を巡って先進国と発展途上国の外交が展開される事もあるといのもご存知ですか。 しかし、学問の権威性・研究者の独善性を掘り崩そうとするskistrさんの発想自体には共感する所があります。

noname#2879
質問者

お礼

いままで有難うございまいした. とても参考になりました. 功利主義という実績は昔の話ですね. またパレート最適は当初の目的を達成できたのでしょうか?提案手法を現実問題に適用すること自体は実績とは言いません.適用結果,当初の目的を達成したことをもって実績と称せられると思います.哲学者の合格ラインを科学者の合格ラインより低く設定するわけにはいかないと思います. 社会のために研究しない学者が許される場合は,彼らの副産物,副作用に実績や期待があるからでしょう.科学は無価値という常識は大きく疑われているようです. 「社会のため」とキチンと掲げない一方で,有用な副産物も副作用の実績も期待もない分野は存在意義を明確に説明しなくてはいけないと思うのです.「直感」だけでは「分かりにくい」ですね. 議論が循環しているのか,徐々には収束しているのか, 不明ですがもっとも誠意ある回答を頂いたと思っております. 本当に有難うございました.

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