フォトショップでのアンシャープマスクの掛け方は表現したい被写体や最終仕上がり(出力)は何かによっても違うと思います。また人それぞれの好みも考慮されますから見た目おかしくなければそれがその人のアンシャープの好みとなるでしょう。
そもそもなぜデジタル画像にシャープネスを掛ける必要があるかと言うとフィルムは現像する時点で化学反応により輪郭が強調される特性を持つのに対し、デジタルでは水平、垂直に隣り合う四角いドットで再現していますから斜めの線や曲線などはどうしても甘くなってしまいます。(解像度が低くければ階段状態に見えますよね)
それらを改善するためにシャープネスが必要になってくるわけです。
シャープネスと言えばデジタルカメラ側でもシャープネスを掛ける事が出来ます。このシャープネスはご存じかと思いますが輪郭を強調する事が出来、それらの適用量を好みに近い形に出来るアンシャープマスクとは別物です。しかし私はデジタルで微量のシャープネスを施しておかないとアンシャープの掛かり具合が悪くなると感じるので弱めのシャープはデジタルで掛けるようにしています。
アンシャープのそれぞれの適用量については私はフジのフィルムの特性からヒントを得ています。
ベルビアというフィルムは派手な発色をし、とてもシャープな描写をします。主に風景撮影などに重宝されています。このフィルムで写したい被写体には、アンシャープの各適用量については最終仕上がりや好みによってもかわりますが例えば撮影した画像が300万画素以上600万画素以下なら私は大体(上から)150~200・1.5~2.5・0~5
くらいで仕上げています。
またアスティアというフィルムはベルビアと比べると非常にソフトな描写のフィルムで人物などの撮影に重宝されています。このフィルムを参考にした場合、アンシャープは(上記と同じ画素)80~150・0.5~2.5・5~15くらいで仕上げます。
(上記2つの適用量の例は300万画素の時が5で600万画素の時が15って事ではありません)
これらのコツは半径(輪郭が強調されます)をどれだけ上げ、(適用量で増減、しますから適用量と半径はいっしょに考えると良いです)シャープにしたい部分をどれだけしきい値(平らな部分はシャープネスの効果を弱めます)で残すかがポイントとなってきます。(例えば人物なら半径で目などの輪郭を強調しキリッとさせ肌は荒れてはこまるのでしきい値で滑らかにするなど・・・)
また掛けたい部分をモニタ表示でアップにしながらやるとわかりやすいですよ。(アンシャープマスクのダイアログでプレビュにチェックする)
最後に最終仕上がりによっても違うという事を説明しますが、
ショップでプリントしてもらう時にはアンシャープマスク(主に輪郭強調)は弱めに掛けた方が良いでしょう。どれくらいのプリントサイズにするかによっても違いますが、お店プリントはとても解像度が高いためエッジが目立って不自然に見える事もあります。
商業印刷の場合は、お店プリントよりも解像度が低いので(アミ点で再現されるため)アンシャープは
強めに掛けなければいけません。この辺はドットゲイン(紙への滲み)も考慮する必要があります。
基本はモニタで見てちょっと強いかなぁ~くらいになります。
ホームプリンターの場合は基本的に高性能なプリントなのでお店プリントと、印刷の中間の値を取るのが良いと思います。
ちなみに先の方が紹介されていますように一度Labに変換しLチャンネルにのみシャープを掛けるのが綺麗に仕上がります。またニコンキャプチャーのシャープネスはLabのLチャンネルにのみシャープネスを掛けたのと同じ効果があるそうですのでご参考下さい。
また掛ける段階は仕上がりの最後に一度だけです。Rawデータならニコンキャプチャーで補正~アンシャープ・ニコンキャプチャーなどでRaw現像後、フォトショップで補正~アンシャープ・フォトショップがCSもしくわカメラRawが入った7またはプラグインの入っているものならフォトショップで補正~アンシャープという流れになります。