ピーリング材における結晶粒粗大化の原因とは?

このQ&Aのポイント
  • 鋼材の加工工程で、ピーリング材に結晶粒粗大化が起こった原因を探ります。
  • 加工工程には冷間引抜とピーリング加工の後に2ロール矯正があり、結晶粒粗大化との関連性についても考えます。
  • 結晶粒の粗大化は、引抜ダイスや2ロール矯正による歪や残留応力から起こる可能性もあるので注意が必要です。
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結晶粒の粗大化について

鋼材の加工を行っています。SCM420Hの成分モディファイBar材を冷間引抜加工(φ28→φ26.5)したものと、ピーリング加工(φ28→φ26.5)したものを、両方とも同条件(930℃)で浸炭焼入れを行った結果、ピーリング材に結晶粒粗大化(内部まで)が認められました。 なぜ、ピーリング材のみに粗大化が起こったのか解りません。 熱処理や組織に詳しくないので、解りやすく教えてください。 よろしくお願いいたします。 解り易いご回答ありがとうございます。 加工工程を追記しますと、冷間引抜およびピーリング加工の後に、曲がりと切削肌の目つぶし、寸法精度出しのために、2ロール矯正を行っています。 金属組織からのアプローチ以外に、引抜ダイスや2ロール矯正による歪や残留応力と結晶粒粗大化の関連はあるのでしょうか?

noname#230358
noname#230358
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noname#230359
noname#230359
回答No.1

浸炭処理は焼きなましや焼入よりもずっと高い温度で行われるため、粒成長が起こりやすく、その防止策も検討されています。文献(A)の緒言には、粒成長防止には二つの方法(「析出物による粒成長防止」と「前組織をフェライト+パーライト組織にする」)があることが説明されています。 今回の質問は「冷間加工材とピーリング材」での粒成長の違いになっています。しかしここで考慮しなければならないことが二つあります。 1)冷間加工率は5%程度。 このような小さな冷間加工率が粒成長に影響するかどうかが問題です。文献(B)の?項に粒成長に及ぼす冷間加工率の影響が説明されていますが、加工率10%以下はほとんど影響がないとされています 2)ピーリング加工。 皮むき加工ですから、影響は表層だけであり、内部の粒成長に影響するものではありません。 つまり、粒成長の違いの原因が「冷間加工とピーリングの違い」による可能性はほとんどないと考えられます。 質問では素材として同じφ28材を使用していることになっていますが、成分だけではなく内部組織は同じでしょうか。加工前に焼きなまし、あるいは焼ならしをしていれば、組織はほぼ同じだと考えられますが、圧延ままならば、組織が異なっている可能性があります。文献(A)にあるように、ベイナイト組織はフェライトパーライト組織よりも粒成長しやすくなります。 原因を知るためには、まず浸炭前の組織を確認することが重要です。 『歪や残留応力と結晶粒粗大化の関連』 「冷間加工の影響」とは、「冷間加工により発生した歪や残留応力による影響」のことを意味します。 『引抜ダイス』 引き抜きによる減面率は5%程度ですので、前述のように関連は無いと考えられます。 『2ロール矯正』 何十度も曲がるわけではないでしょうから、曲がりや表面肌の矯正での歪と残留応力の発生量は小さく、しかも局所的で表層のみなので、内部までの結晶粒粗大化には影響しないと考えられます。

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane/93/10/93_10_649/_pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohaga

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