種小名で頭に“sub”が付く場合の意味

このQ&Aのポイント
  • 種小名で頭に“sub”が付く場合の意味について説明します。
  • 英ケンブリッジ大発行の植物学名の意味を記した書籍、“The Names of Plants”の中で、“sub”が付く種小名の意味について多数の例が挙げられています。
  • ただし、日本語で記した種小名辞書では、“sub”は「acaulis種に似た別種の」などと説明されていることもあり、どちらが正しいのかは明確ではありません。
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種小名で頭に“sub”が付く場合の意味

 英ケンブリッジ大発行の植物学名の意味を記した書籍、“The Names of Plants”の中で、種小名で頭に“sub”が付く場合が多数出ています。そこにある説明では、“sub”は「やや」、「すこし」、「ほとんど」というような意味の説明になっています。  一例をあげますと、“subacaulis”の項の説明には“almost without a stem”(ほとんど茎のない)とあります。  しかし、以前に、インターネットに出ていた、日本語で記した種小名辞書には、「acaulis種に似た別種の」というような説明が出ていたと思います。  具体的植物名の例を挙げますと、“Dianthus subacaulis”(コウメナデシコ)は、「“Dianthus acaulis”(和名なし)に似て別種の」ということになります。  上記“The Names of Plants”は権威ありそうで間違いはないと思いますが、感覚的にはどうも日本語版の方が正しいように思えます。  どちらが正しいのかお教えいただければと思います。  ちなみに、私は植物学を正規に勉強したことがないアマチュア植物愛好家です。

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回答No.2

こんばんは。ラテン語はまったくわかりません。以下に書くことは参考書籍に書いてあることからの推測の域を出ませんのでご承知おきください。 種小名に、'subナニナニ'としてあるものの'sub'の意味はおっしゃるものの両方があるようです。場合によっては両者どちらの意味でも同じという場合もありそうです。さらに、3番目の意味として「下に」というのもあるようです。私の見ている本は「鳥類学名辞典」(内田清一郎・島崎三郎、東京大学出版会、1987)ですが、そこからいくつか拾ってみますと、 ●「近い」という語義が書いてあるもの(※以下、「ラ」=ラテン語)。 ・subbuteo 「ノスリに近い(ラsub に近い + 近代ラButeo(ノスリ属))」                             →チゴハヤブサ ・subminuta 「ニシトウネンに近い(ラsubに近い + (C.) minuta)」                               →ヒバリシギ ・subaureus 「金色に近い(ラsubに近い + ラaureus金色の < aurumu金)」                             →コガネハタオリ ●「やや」という語義が書いてあるもの。 ・subviridis 「やや緑色の(ラsubやや + ラviridis緑色の)」                                    →アフガンムシクイ ・subruficollis 「やや赤い頸の(ラsubやや + ラrufus赤い + 近代ラ-collis, ラcollum(頸)の形容詞形語尾)」                           →コモンシギ ●「下面が」という語義が書いてあるもの。 ・subniger 「下面が黒い(ラsub下に + ラniger黒い)」                                     →クロハヤブサ というあんばいです(同じ色彩のことでも、subaureusは「金色に近い」で、subviridisが「やや緑色」となっている理由はよくわかりませんが、日本語の訳語にあまりこだわっても仕方なく、色彩の場合についていえば「やや」も「近い」も同じじゃないかということなのかもしれません)。 おたずねの、subacautisについて私はなにも説明できるような材料を持っていませんが、上記の事例から考えるに、辞書的には、「ほとんど茎のない」と「D. acautisに似た」の両方の解釈がありえる、ということのように思います。 そうなると原記載論文で命名者が、種小名をつけた理由(語源)をどう書いているかという話になるかと思います。ただこれはなかなか一筋縄ではゆかず、原記載までたどれないこともままあったり、原記載までたどり着いてもたいしたことが書いてない場合もあるようです。上記「鳥類学名辞典」の前書きでも内田清一郎は、「海外にも鳥の学名の字義をあつかった成書はいくつかないわけではないが、実際に当たってみるとなかなか難物で、いろいろな可能性が出てくる、原記載論文にあたることが重要だが、そこで手がかりを得られないことも多く、また原記載論文を日本で収集することは困難だ」といったむねを書いており、さらに、間違いを見つけた方は教えてほしいと結んでいます。 ですので、辞書的には両方の可能性があるため、原記載論文まで辿れなかったり、原記載論文にはっきりしたことが書いてなかったりした場合に、書籍ごとにまちまちの語義が書いてあるといった現象が起こるのではないかと思います。

TAKAMEYAMA
質問者

お礼

kumagerasu さま、いろいろと例示していただき、大変参考になりました。ありがとうございました。  動物名については全く知らないのですが、植物についても同様なことが言えるのでしょうね。  原記載論文について触れられていますが、確かにその通りですね。  学名そのものに綴りミスがそのまま通ってしまっている場合も多くみられることから考えても、学名の意味はもともといわばどうでもよいことで、単なる記号と見做した方がよいのではと考えたりしています。その意味では、発行されている学名辞典の内容にあやふやなことが書いてあっても許されることなのかと思うこともあります。

その他の回答 (1)

  • suiran2
  • ベストアンサー率55% (1516/2748)
回答No.1

分類で「sub」とは,「亜」という意味ですから,種小名の前に付けば,そのまま亜種で良いのではないかと思いますが… 亜種の定義は,交雑可能な別種ですが,詳しくは検索なさってください。

TAKAMEYAMA
質問者

お礼

suiran2 さま、有用なことをお教えいただき、ありがとうございます。“sub”は「亜種」ということになるのですね。  “The Names of Plants”では、“sub”は「やや」、「すこし」、「ほとんど」というような意味としてだけ説明されています。これはやはり正しくないということになるのでしょうか?

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