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罪刑法定主義と刑法6条

InfiniteLoopの回答

回答No.5

○つまり、「刑法6条が罪刑法定主義に抵触することはないにしろ、存在する意味がないのではないか」と、僕には感じられるのです。 そうですね。そこは選択の問題だろうと思います。 国家・政府の恣意的な行動を抑制する意味から、後から刑を変えて重くすることはダメ、というところは問題ないかと思います。 逆に軽くなった場合にどうするか。選択肢としては、(1)重いときは変わらないのだから軽くなっても同じで不遡及にする、(2)軽くなる場合は不遡及の原則には反しないので、例外的に軽いほうを遡及させて適用する、の2つが考えられます。 現行法は(2)です。質問者さんは、不遡及の原則から論理的に考えて、また犯罪者に有利にする必要はないのではないか、と考えて、(1)であるべきだろうと考えるわけですね。 法律の理論としては、(1)も(2)もありうるところだといえます。たとえ(1)を選択したとしても、それが憲法違反だとされることはないでしょう。 ではなぜ(2)の方を選んだか。私の考えは、#1で個人的な意見として述べたとおり、それが正義だという意識があったのではないかと思うのです。被告人に有利だから、ということでは必ずしもなく、後から軽くなったのにそれを適用しないのは正義に反すると思うのです。 しかし、多分、私には論理的に質問者さんを納得させることができるほどの回答は出来ないと思います。上記の通り、どちらの選択肢も可能だと思います。しかし立法者はどちらかに決めなければなりません。そこで(2)を選択した、ということでしょう。 なお、限時法の問題は、実際には法律で適切な規定(経過規定)を置くことで回避できます。 http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column041.htm さらに脱線して話しますが、実際には刑罰を軽くすることが被告人に有利でなくなる場合もあるのです。2006年に、窃盗の刑罰について、それまで懲役刑しかなかったところ、罰金刑が追加されました。今まで懲役刑しか選択できなかったのに罰金刑も可能になったので、形式的には刑罰が軽くなった、といえます。しかし、現実的には、万引きなどの比較的軽い窃盗について、今までは起訴してしまうと懲役刑しかありえないので(執行猶予はあるにしても)重すぎると考えて検察官が不起訴(=前歴にはなるが現実的にはお咎めなし)にしてしまっていたところ、罰金刑ならいいや、ということで起訴してしまう(=確定すれば前科)となり、実は特定の被告人にとっては厳罰化に等しい、という指摘もあります。 そうなるとやっぱり刑法第6条はいらないのか?難しい問題ですね。

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