民法総則専門書の白紙委任状についての記述とは?

このQ&Aのポイント
  • 法律学についての質問です。
  • 民法総則の専門書のP291には、表見代理の白紙委任状についての記述があります。
  • 具体的な問題については109、110条の併用適用が記されています。
回答を見る
  • ベストアンサー

法律学についての質問です。以前にも質問したのですが、自分で理解しきれて

法律学についての質問です。以前にも質問したのですが、自分で理解しきれてないのでもう一度質問させていただきます(;_;) 近江先生、民法総則の専門書のP291、表見代理の白紙委任状についての記述のところです。 そこには、 基本代理権の存しない場合の例として、 Aにより土地を担保に融資を受ける代理権を与えられたBが、Aから交付された白紙委任状を濫用し予定された相手方でないEに対して抵当権を設定した。 とあります。 そしてこの問題については109、110条の併用適用なる旨が記されています。 そこで思ったのですが、 民法109条適用には基本代理権は必要でないというのは理解しているのですが、上記のような場合、Aから付与された『融資を受ける代理権』が基本代理権利となって110条の問題として考える(109条と併用ではなく)ことは出来ないのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.2

近江総則の該当箇所を確認しましたが、ここで近江先生が書いているのは、その前段に「原則」を書いたうえで、「例外的」に、「基本代理権がない場合」として109条・110条を併存して処理しようというものですよね。 ここで、110条のみで処理する場合と、109条・110条を併存して処理する場合とで、具体的に何が違ってくるのかを検討してみます。 理屈からいえば、110条は、「基本代理権を超える代理権があること」を相手方が信じるにつき、正当事由が認められる場合に、表見代理の成立が認められます。 他方、109条・110条併存でいけば、まず、「基本代理権たりうる代理権授与表示」についての善意・無過失と、「その基本代理権たりうる代理権授与表示を超える代理権があること」を相手方が信じるにつき、正当事由が認められる場合に、表見代理の成立が認められます。 このように、理屈の話からいけば、110条のみでいくよりも、109条・110条併存でいくほうが、表見代理が成立する要件が厳しくなるわけで、ここで近江説が主張するところの「実質的な狙い」は、110条のみでいくよりも、より慎重に表見代理の成立を検討しようというものだということが分かります(近江総則の該当箇所にも、高森論文を引用しながらそれを示唆する記載がありますよね)。 ここまでの検討でお分かりだと思いますが、近江説の該当箇所だけをとりあげて、「110条の問題として考えることはできないのか?」と問うことは、近江説を理解するうえでは十分ではなく、むしろ、なぜ近江説が「原則」と「例外」とを分けたのかについては、「原則」事例と「例外」事例とでどこがどのように異なっているのかを検討しないと分からないと思います。 そのうえで、109条・110条併存で処理するのが妥当なのか、110条のみで処理するのが妥当なのかを検討する方がよいでしょう。 ・・・と、実際の法律相談ではなく、勉強の相談のようですので、考えるヒントだけ出しておきます。 なお、参考判例としてあげられている福岡高裁判決昭和37年2月27日判決についても、きちんと判決文にあたって下さいね。

km1101
質問者

お礼

わざわざ確認までしていただき、ありがとうございます(>_<) すなわち、近江先生的には表見代理の成立について慎重に検討しようという感じ?なんですね?(・_・;) 表見代理について未だ予習の段階なので、どちらが妥当なのか適当な判断はできないのですが、自分的には109、110条を併用する方がより慎重に判断できてよい気がします! もし、時間がおありでしたらどちらが妥当か教えてくださいね\(^^)/ ご回答ありがとうございました!!

その他の回答 (2)

回答No.3

えーと・・・「どちらが妥当か」は「教わる」ものではなく、ご自身で「考える」べきものです。 だからこそ、最高裁判決ですら「妥当でない」として、「自らが妥当と考える」学説が唱えられたり、あるいは、後になって最高裁自身が、かつての最高裁判決は「妥当でない」として、「自ら妥当と考える」判決に判例変更するわけですから。 もっとも、最高裁判例はもちろん、多くの学説が「妥当だ」とする結論については、それ相応の説得力があるのであり、軽々に「妥当ではない」と結論づけるのは禁物です。 しかし、それでもやはり、「どちらが妥当か」は「教わる」ものではなく、ご自身で「考える」べきものです。

  • _julius
  • ベストアンサー率46% (85/181)
回答No.1

>Aから付与された『融資を受ける代理権』が基本代理権利となって110条の問題として考える ことは当然できますが、 だからといって、109条の適用は無いと解する、理由はないでしょう。 確かに、109条は、条文上、代理権の存在が必要とされていません。 しかし、それに加えて、109条において重要なことは、「(基本)代理権の不存在」も要件とされていないということです。 つまり、109条は代理権の「有無」を問わないで適用できる。したがって、代理権がない場合はもちろん、基本代理権という不完全な代理権はおろか、完全な代理権が存在する場合(いわゆる有権代理の場合)でも適用できるのです。 このように考えられる理由は、109条が代理権の存在・不存在を要件としていない規定趣旨から説明できます。 109条の規定趣旨は、表示が行われたことへの相手方の信頼の保護にあります。 この趣旨からは、実際に代理権が与えられているかどうかはどうでもいいことになります。 なぜなら、代理権があろうがなかろうが、実際に表示がそこにあれば相手方はそれを信頼するからです。 以上の理由から、この場合には109条も重畳的に適用できるのです。

関連するQ&A

  • 民法の専門書の記述で理解出来ない箇所があります。

    民法の専門書の記述で理解出来ない箇所があります。 表見代理のところなんですが、 専門書の記述で、 基本代理権の存しない場合にはみんぽ109条の問題となる。例えば、Aから土地を担保に融資を受ける代理権を与えられたBが、白紙委任状を利用し、予定された相手方でないEに対し抵当権を設定した場合などである。 とありました。 そこで疑問なんですが、融資を受ける代理権というのは基本代理権にはならないんでしょうか? 別の専門書によると、基本代理権は当該法律行為に関連しない代理権でもよいとありました。 また、事実行為の代理は基本代理権には当たらないとありましたが、融資を受ける行為は法律行為でしょうし、この例について基本代理権の存しないのでしょうか? 詳しい方教えてください(>_<) ずっと悩んでいます..

  • 民法総則の白紙委任状について

    今民法総則の勉強をしている者です。白紙委任状についての問題で Aは、BにCに売却した甲地の所有権移転登記をするように依頼し、実印や委任状事項を空欄とした委任状など必要書類を渡した。ところが、Bは、受け取った実印や委任状などを用いてAを代理して、自分が経営するD会社がEに対して負担する債務を担保するためにEとの間で甲地を対象とする根抵当権設定契約を締結し、甲地上に根抵当権を設定した。Aはこの根抵当権設定登記が無効であるとしてその抹消を請求できるか  というものがあります。この問題に関し、Bが直接空白を乱用した問題であると考え判例・通説より109条の問題(白紙委任状の交付は、白紙部分についてどのようにも補充してもよいという権限を与えたようにみえる「表示」があるとする)で処理しようとしたのですが、109条の成立要件として(1)授権表示があること(2)授権表示された者が、表示を受けた第三者と、表示された代理権の範囲内で代理行為を行ったこと(3)第三者が善意・無過失であることが必要であり、本件において109条の成立要件の(2)が欠如しているように思われます。そうすると、本件においては109条を適用し、表見代理を成立させることができないのでしょうか? また、109条が適用できない理由から110条によって処理しようとした場合、白紙委任状を基本代理権として認めることができるのでしょうか?

  • 民法110条の権限外行為の表見代理について

    民法110条の権限外行為の表見代理についての質問です。 この要件には、何らかの基本権限が存在しなければなりませんが、以下の場合はその基本権限になりうるのでしょうか。 (1)「Aから実印、印鑑証明書および甲土地の権利書の保管を依頼されていた」Bが、Aに無断で委任状を作成しCに売買する契約を結んだ。 (2)「Aから甲土地の管理を委任されていた」Bが、Aに無断で委任状を作成しCに売買する契約を結んだ。 ご回答よろしくお願いします。

  • 白紙委任状その2

    白紙委任状が今ひとつしっくりきませんのは、白紙委任状が109条で 問題になりますが、110条の問題に思えてしまうからです。 白紙委任状が発行された以上は、記載事項が不十分であってもなんらか の代理権が与えられていると考えられますので、これが濫用された場合 には110条の問題のように思えるからです。 判例、通説が直接型を109条の問題とする理由づけは「白紙委任状の 交付は、白紙部分についてどのように補充してもよいという権限を与え ているように見える「表示」がある」としています。 この意味は本人は「白紙部分についてどのように補充してもよいという代理権」は与えていないとして代理権の存在を否定しているのでしょう か? たしかに、そのような代理権を与えていないのはわかりますが、白紙委 任状が虚偽でないかぎりなんらかの代理権を与えたことは間違いないと 思うので、基本代理権の問題とするほうが自然のように思えます。 形式的理由付けでは、基本代理権の有無は上記のように微妙なところが ありますが、妥当な結論という意味で109条の問題とするのでしょう か? つまり、110条が表権代理の中では、なんらかの基本代理権があれば よいということで成立しやすいの対して、109条では、授権表示の要 件をより細かく見ることで、木目の細かい利益衡量が出来るということ でしょうか?

  • 商法12条と民法112条(表見代理)の関係を教えて

    商法12条と民法112条(表見代理)の関係を教えて下さい

  • 印鑑の盗用は110条?

    Aの子B(30代)がAの実印を盗用して委任状を作りAの代理人としてA所有の土地をCに売却したという事例があります。 この場合、Cが保護される場合として、109条と110条の表見代理が考えられると教わったのですが、 <109条> CがAに対し直接確認をするなど確認義務を尽くしていたら善意無過失と言え、Cの確認に対し適当に「あげるよ」などと答えたAは「B(他人)に代理権を与えた旨表示した」ことになるため、Cが確認義務を尽くした場合に限り109条の表見代理により保護される と考え納得したのですが、 <110条> そもそも印鑑の盗用は基本代理権の授与に当たるのですか?判例では似たような事例(印鑑を偽造する)で110条が否定されているような気がするのですが… 当たるとしても、Bは基本代理権を逸脱した行為をしたといえるのですか? 109条の考えがあっているのかと、110条の二つの疑問に解答お願いします。

  • こんにちは!民法の代理について質問です。

    いつもお世話になります、宅建受験者です。 ご回答にご協力くださり、ありがとうございます!! 民法の代理について質問します。 ヨロシクお願いします! 代理権は、本人の死亡で消滅しますよね? このとき、相手方がいたとして、 相手方が善意無過失の場合、 契約行為は有効になるんでしょうか? 代理権消滅後の表見代理は、適用されるんでしょうか? もう本人がこの世にいないから、契約行為は無効なのでしょうか? 破産手続き開始の決定を、 代理人がうけ、代理権が消滅した場合、 相手方が善意無過失なら表見代理が成立し、代理人のした契約行為は有効になりますよね。 これと、ごちゃごちゃになってしまってます。。 基本的な部分ですが、 ご回答ヨロシクお願いします! スミマセン、ネットも見たのですが、自分の知りたかったことが調べられずだったので 質問しました!! ヨロシクお願いします!

  • 委任状に記載されている代理人

    過去のQAを見てもよく理解できない為、質問させて下さい。 仕事上の書類で委任状を扱うときがあるのですが、その中に 「Aを代理人と定め」という記述があります。 民法上、委任と代理権は別のものとして理解しているのですが こういった場合、この委任状は委任と代理権付与をセットにしている ものとして理解するのが正しいのでしょうか。 何方様か、お教え下さい。

  • 民法の代理と白紙委任状について

    代理について教えて下さい。 (1)本人が他人に代理権を与えていない場合は、代理権が全くない者の無権代理であって、授権表示の有無によって民法109条の適用可否が問題となる。 (2)本人が他人に代理権を与えたが、代理権が消滅した場合は、同じく代理権が全くない者の無権代理であって、民法112条の適法可否が問題となる。 (3)本人が他人に代理権を与えたが、代理人が委任事項の範囲を超えて、法律行為をした場合は、代理権の権限逸脱による無権代理で、110条の適用可否が問題となる。 ここまでの理解はあっているでしょうか? もしそうだとすると、 (4)本人が他人に代理権を与えたが、代理人が本人が委任した契約の相手方と異なる別人と契約した場合(例えば、私がマンションの賃貸借契約の締結を代理人に任せ、その際、相手は日本人だけにしてねと委任したのに、代理人が外国人と賃貸借契約を締結した場合)は、権限逸脱として110条の問題なのでしょうか?契約当事者が異なる場合は、109条の問題なのでしょうか? 判例等をみると、おそらく、109条の問題となるのでしょうが、その理屈は、契約当事者が異なる場合は委任事項の権限逸脱と異なり、当事者が異なるので、もはや代理行為とはいえないという考えなのでしょうか? ご教示よろしくお願い致します。

  • 「事実行為」と「法律行為」 94条虚偽と 110条代理

    民法の 94条 虚偽表示 と110条 基本代理権を勉強してるところなんですが。 たびたび、「事実上の利害関係」と「法律上の利害関係」 「事実行為」と「法律行為」という。 事実 と 法律 という言葉の対比が出てくるのですが。 イマイチ使い分けというか、それぞれの定義がよくつかめません。 ご存知の方、ご教授のほどよろしくお願いします。 詳しくは以下です。―――――――――――――――――――― 94条2項、仮装譲渡された土地上の建物賃借人=「借家人」は 事実上の関係にすぎず、法律上の「第三者」として保護されない。 賃借は債権で、売買や譲渡の物権に比べ、弱いのか? 110条 投資会社Aから、勧誘行為の代行を委託されたB代理人が、 代理権の範囲外の「契約行為」を勝手にしてしまった。 勧誘行為=事実行為の授権にすぎず、表見代理ならない、本人に効果帰属しない。