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ブラームスの作風について教えてほしいです。

ブラームスの作風について教えてほしいです。 ロマン派の最後の方の人で、新古典派ということはわかっているのですが・・・。 ざっくりした質問なので、答えにくいのですが、教えてほしいです。 よろしくおねがいします。

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  • JBrahms
  • ベストアンサー率56% (114/201)
回答No.1

ブラームスですか。 私が最も敬愛する作曲家です。ココのIDもJBrahmsですしね。 ざっくりした印象で言えば、とにかく重厚。「必要以上に重厚」と言った方が良いかも。 対位法等、古典的な技術・技法に精通しており(ドイツ・レクイエムのフーガなど有名ですが)、すでにブラームス当時では省みられることのなくなった教会旋法や古い形式(シャコンヌ、フーガ)などを多用しています。ただ、そういう専門的で高度な技術を駆使するあまり、「衒学的」と揶揄されることもしばしばです。 よくいわれるのが「網の目のような」対位法で、これなども過度に対旋律を重ねたりするため、肝心の主旋律が埋没しがちになることもあります。 対位法に関連して、ブラームスは「変奏曲の大家」とも言われます。変奏曲で立派な作品が書けるというのは、真に優れた作曲の力量(センス)が無ければ不可能です。ロマン派でブラームス以上の「変奏曲作家」はいません。 一方、管弦楽曲ではオーケストレーションが地味、というか、あまりに時代遅れで古臭いですね。 金管楽器も頑固に無弁楽器を前提とした書き方に固執していますし(そうは言ってもトランペット辺りは倍音列以外の音も頻繁に使っているので、必ずしも無弁楽器に忠実という訳ではないですが)、同時代の他の作曲家と比較すると、一世代前のような錯覚に陥ります。 とにかく、全ての規範を古典派、バロックに求めた作曲家と言えるでしょう。 有名な交響曲第1番での、ベートーヴェンを強烈に意識した逸話なども、その表れです。 ですが、その反面、なかなか時代を先取りしたような進取の精神も持ち合わせていますね。シェーンベルクあたりが、そういうブラームスの一面を指摘して高く評価していますが、そんな「古臭い」部分と「新しい」感覚が絶妙にブレンドされたところに魅力があるのだと思います。 それから、ブラームスで重要なのは室内楽と声楽曲(歌曲)の分野です。 特に室内楽は素晴らしいですね。ロマン派では文句無くダントツで最大・最高の室内楽作家ですし、歌曲でもシューベルト・シューマンの後塵を拝しているとはいえ、ドイツ・リート界での3大作曲家にカウントされます。 これらの音楽を聴いた時、まず感じるのが「構成美」ということです。 他のロマン派作曲家がおしなべて「形式構成力」が弱く、ソナタなどのキチンとした構造を持つ音楽に不得手だったのに対し、ブラームスの書く音楽には、そういう「形式上の曖昧さ」や「構成力の弱さ」というものが見られません。シューベルトにしても、例えば交響曲や弦楽五重奏等有名ですが、構成的に冗長さが勝っていると感じさせる箇所が多いですが、ブラームスにおいてはそういうことがほとんどありません。 ロマン派作曲家の中では群を抜いて「形式」を使いこなす能力に長けていた、と言えます。 また、ブラームスの書法で特徴的なのは、低音(バス)パートの素晴らしさです。 単なるバスではなく、その動きが実に心地よい。 私はアマチュア・オケでチェロを弾いていたのですが、バスパートを担当すると、他の作曲家との違いが良く分かります。楽譜を見ただけでは何と言うこともなく、他の作曲家とも別段違いがないように見受けられますが、そうではないのですね。低音パートにとっては、弾いていて、とにかく快感が得られる作曲家です。 低音の動きに意を払う・大事にする、というのは当たり前のようでいて、案外ないがしろにされている場合も多いです。西洋音楽の基本はバスにあると言っても過言ではないですから、ここは基本中の基本とも言えますが、こういうところがキッチリ書き込まれているのがブラームスでしょう。 音楽は常に節制を旨とし、表面的で過度な派手さや、外面的な効果だけを狙った底の浅い書き方は一切しません。そこが「とっつきにくさ」に繋がるのでしょうが、逆に言えば「聴けば聴くほど味が出る」、「奥行きの深い」作曲家ということにもなるのでしょう。 ちょっと質問内容と外れたことをダラダラ書きましたが、とにかく私個人としては大好きな作曲家です。質問者さんはブラームスをどのように評価されているか知りませんが、もっと評価されてしかるべき、大変優れた才能を持つ素晴らしい作曲家だと思っています。 長々と失礼しました。

faifer
質問者

お礼

大変丁寧に、そして熱く語っていただいてありがとうございました! 私は今、2つのラプソディーの2楽章をやっていて、とても気に入ったのでブラームスについて知りたいと思って質問をだしました。 とても参考になりました。 ありがとうございます!

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