薄いアルミ板の応力

このQ&Aのポイント
  • 直方体のステンレスの箱に張り付けられた薄いアルミ板が気圧の変動に耐えられるか検討する
  • 計算した結果、薄いアルミ板は発生応力の範囲内で気圧の変動に耐えられることが判明した
  • しかし、実際の状態と計算結果に差異があり、なぜ差が生じるのか原因がわからない
回答を見る
  • ベストアンサー

薄いアルミ板の応力

直方体のステンレスの箱があります。 サイズは、縦150、横(a)100、高さ40、厚みは2とします。 この箱の上側には、蓋がわりに厚み0.2の薄いアルミ板が張り付けてあって、内部は密封状態になっています。 このアルミ板が気圧の変動に耐えるかどうかを検討して、報告書を提出しなければなりません。 そこで、気圧の変動幅p=1kPaとして、発生応力などについて検討してみましたが、結果が変なのです。 (a=100mm、h=0.2mm、E=72GPa、 α=24×10^-6) ・最大曲げ応力σの計算 機械工学便覧の、長方形板、4辺固定、等分布荷重の問題の解によると、最大曲げ応力σは、固定部の長辺中央で発生して、 σ =β2・pa^2/h^2 =115MPa (β2=0.46 ) となります。 ・最大たわみwの計算 最大たわみwは、板中央に発生して、 w=α2・pa^4/Eh^3=4.3mm (α2=0.025) となります。 変な点-その1 この材料の引張強さはJISから75~105MPaですから、σはこの範囲をこえています。 実際の気圧変動は1kPaよりも大きい場合があって、この場合はすぐにこわれてしまうというのでしょうか? 実は、上の寸法は、すでに製造して2~3年使用実績のあるものです。こわれたものはありません。 変な点-その2 気圧変動1kPaで、4.3mmもたわんだら、目に見えると思います。 しかし、この前台風が来た時、気圧は-2kPaぐらいになっていたはずで、この2倍の8.6mmほどたわむはずでした。 でも、実際には目に見えるようなたわみは発生しませんでした。 以上の計算は、実際の状態を表していないと思うのですが、計算式や値の代入は間違えていないと思います。 いったい、どこがおかしいのでしょうか? 考え違いをしているのでしょうか? 周囲の先輩たちに聞いても、原因がわかりません。 どなたか教えていただけませんか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • h191224
  • ベストアンサー率81% (119/146)
回答No.1

これは、有名な非線形問題です。 まず、材料力学の板や梁の公式は、部材の変形挙動が曲げ剛性に支配されているという前提に立って導かれています。 部材を水平に保とうとして、形が保てないような部材は、曲げ剛性が支配的ではありません。要するに、板や梁の公式が使えません。 この場合、ぴんと張った状態を初期状態として、そこからの変形を議論することになり、引張剛性が支配的になります。 板や梁の公式は、たわみwが高さhを超えたら適用できない、という話は、どこかで聞いたことがありませんか? 特に、今のように、両端固定の場合には、適用限界外になってしまいます。 また、梁や板の解は、軸力や面内力を計算してくれません。 両端固定の梁の中央にせん断荷重をかけると、実際は軸力が発生するのですが、これは2次の微小量となるために、省略されてしまい、線形計算をする限り、計算してくれないのです。 今回のあなたの問題は、この軸力(板なので面内力)が計算できないと、正しい評価ができません。 では、どうやって答えを導くのか? それは、ピンと張った弦の中央に、弦に垂直方向に力を加えると、梁の理論では3次関数で変形しますが、弦は明らかに3角形の2辺を構成するように、直線状に変形します。 要するに、弦の張力と力のつり合いを考えてやれば、解けてしまうのです。 分布荷重を単位長さあたりfとすると、だいたい次のように近似できます。 w=L/2・(fL/4AE)^(1/3) 今の場合をL=aの梁(*)と置いて、値を代入してみると、 1kPaに対して、w=0.60mm 2kPaに対して、w=0.95mm ぐらいの値が得られます。 a=100の両端(長辺側)を固定し、反対側の短辺側を自由とした場合の解に相当します。4辺固定よりは少し大きめに出ている値です。 機械工学便覧には、大たわみの解が掲載されているのですが、あれも曲げ剛性支配の解ですので、今のような引張剛性支配の問題には適用できません。 応力や軸力を計算する式がどうだったか、昔誘導した解があるはずなのですが、今すぐにはわからないので、もし見つけたら画像欄に掲載します。 この質問は来週の月曜までは閉じないでおいて下さい。もし見つからなかったらごめんなさい。 なお、もし可能なら、幾何学的非線形問題が解けるCAEソフトを使って、荷重を1/10キザミぐらいで段階的にかけて計算してみると、数値解は得られます。 (*)梁とは、曲げ剛性支配の部材を指すので、ここで梁と呼ぶのは、本当はふさわしくありません。

ten_leikun
質問者

お礼

ありがとうございました。 こんなに早く回答がいただけるなんて、思ってもみませんでした。 目からうろこの状態で、まだよく理解できていないというのが本当のところなのです。もし解の誘導過程などを教えていただけるのであれば、よろしくお願いいたします。 それから、私自身は理解できつつあるのですが、宿場の先輩たちは「こんなこと初めて聞いた」といって、全然納得できていません。 曲げ剛性支配とか引張剛性支配という意味や、なぜ荷重が小さいうちから非線形になるのかといったことがわからないようです。 たしかに機械工学便覧にさえ、このようなことは説明されていません。 回答者様は、これまでのほかの質問に対する回答を拝見すると、とてもご立派な方とお見受けしますが、どなたかを知ることができないこのがの掲示板のルールのようですので、せめて、職場の先輩たちを理解させられるような文献がありましたら、ご紹介いただきたいと思うのですが、可能でしょうか? CAEでの解析については、ANSYS-EDというものが職場にありますので、これから使い方の勉強を始めて、ぜひやってみたいと思います。 先輩たちも、回答者様が書かれた数字が計算されてくれば、その結果で納得してくれるかも知れません。 これからもよろしくお願いいたします。

ten_leikun
質問者

補足

お礼と補足が反対になってしまいましたが、ごめんなさい。 ANSYS-EDの使い方を知っている人がいたので、教えてもらって数値計算をやってみました。結果は、1kPaに対して0.59mmとなって、回答者様の書かれたとおりになりました。 先輩たちも、非線形になることがわかってくれました。 解析的に求める方法には興味があるのですが、私の理解のために、いったん質問を閉じさせていただいて、新しい質問をしたいと思います。 ありがとうございました。

関連するQ&A

  • せん断応力

    赤ペンで書いた絵のように、ステンレス平板t12mm幅16mm長さ30mmの真ん中にφ7が空いており、これにM6のボルトを指して、板を締め付けて固定します。 この時、M6の締め付けトルクは、3Nmで締め付けた時、軸力は2500N。板のたわみと応力を計算したら、絵の横の計算結果になりました。 ※断面積が間違えてφ6の穴で算出している為、φ7ではありません。 この結果で算出された応力とは、この板材の曲げ応力?せん断応力?何の応力になるのでしょうか? また、この計算2点支持梁で計算してしまいましたが、考え方は合っていますか?

  • 方持ち梁の応力の求め方と単位の変換の方法

    材料力学についてご相談させてください。 現在、とある部品のバネ応力を求める仕事をしており、実測値が 正しいかどうかを確認するために、材料力学のたわみの計算から 以下のような値を求めました。 条件:幅10.5 mm 長さ3.0 mm 厚さ0.1 mmの板を0.03 mmたわませた時の応力を求める。 1)板の断面二次モーメントを求める。 モーメントI=bh^3/12=(10.5*0.1^3)/12=0.000875mm^4 2)たわみの式から応力Pを求める。 求める部品のヤング率Eを1.6*10^8Pa とすると、 たわみv=(Pa^3)/(3EI)→応力P=3EIv/a^3=(3*(1.6*10^8)*0.000875*0.03)/3.0^3=471.1Pa A.この板を0.03mmたわませる応力Pは471.1 Paである。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ というところで皆さんに質問です。 Q1:応力Pを求める式は上の式で合ってますでしょうか? Q2:応力Pは計算ではPaで出したのですが、測定時はgfで    測定をしたため、整合性を確認する為にはPa値をgf値に    変換したいのですが、それって可能なのでしょうか?

  • 残留応力を持った片持ち梁に繰り返し曲げ応力をかけ…

    残留応力を持った片持ち梁に繰り返し曲げ応力をかける場合の応力計算はどうするのでしょうか? 幅:6mm 厚さ:5mm 長さ:100mm 上記の様な片持ち梁の先端に50Nの繰り返し荷重を掛けた場合 断面係数Z:bH^2/6⇒25mm^3 曲げモーメントM:50*100⇒5000Nmm 曲げ応力度:M/Z⇒200N/mm^2⇒200MPa と理解します。 【質問】 上記条件に加え梁材に100MPaの残留応力が掛かっている部材を使用した場合 梁の寿命はどのように考えれば良いでしょう? 残留応力のない同寸法の梁の先端に25Nの繰り返し荷重を掛けた場合と同じですか? (単純に200MPa-100MPa=100MPaと考えてもOKですか?)

  • アルミ板の自重によるたわみ

    アルミ板の、自重によるたわみ及び裏補強について教えて下さい。 4000mm×1650mmで板厚3mmの板を四辺で支えた場合、中心でたわみは何mmぐらいになるのでしょうか?ちなみに天井パネルとして使用するのですが、板サイズが大きいので裏に何らかの補強材を入れてたわみを補おうと思っています。 この場合の補強材の入れ方、どんな補強材を入れたらいいかを教えていただきたいです。宜しくお願いします。

  • 複合材による補強について

    FRPパイプの内側にアルミパイプを挿入して、補強をしたいと考えています。 アルミパイプ挿入による効果を算出する際の考え方(計算式)を教えてください。 (1)曲げに対する強度がどの程度大きくなるか (2)たわみがどの程度小さくなるか FRPパイプの最大曲げ応力:σa アルミパイプの最大曲げ応力:σb

  • 長方形板のたわみ

    「長方形板の4辺固定で、中央の長方形領域に等分布荷重」がかかっているときの最大たわみを求めたいのです。 機械工学便覧 A4 材料力学に、4辺支持での最大曲げ応力はあったのですが、たわみがありません。 4辺固定または4辺支持におけるたわみを教えてください。

  • 応力計算の判定について

    径27の丸棒で長さ900mmを両端持ち梁として、真ん中に1500N(150kg)の荷重をかけたとします。 この場合φ27mmの断面係数Z=1932mm3となります。 曲げモーメントの最大は750×450=337500N・mmとなります。 ここで最大引張り圧縮応力は M/Z=337500/1932=174.6N/mm2(MPa)となります。 材質をSS400として縦弾性係数は2.06×10^5MPaぐらいだと思います。 SS400の降伏点が230MPaぐらいとして(調べる先によって異なるためぐらいと表現します。) 上記計算は174.6<230だから曲がることは無いと言って間違いないでしょうか? 手元の本には何故か174.6<2.06×10^5と縦弾性係数以下だから大丈夫というような表現があるのですが・・ 縦弾性係数は歪量から応力を出すための係数的なものと考えていたので このような考え方が本に記載されているのに混乱してしまいました。

  • 4隅を支持する長方形状ベース板のたわみ

    こたつのような形状(上面に長方形状の板とそれを支える4隅の脚4本)の上面の長方形板に等分布荷重がかかる場合と中央の一点に荷重かかかる場合の長方形板のたわみと曲げ応力を求める方法を教えてください。 長方形板材質SUS303 長方形板板厚10mm 長方形板短辺350mm 長方形板長辺600mm 脚の位置はそれぞれの角から縦横30mmの位置 得たいご回答は A)100kgが等分布にかかった場合のたわみ B)100kgが等分布にかかった場合の曲げ応力 C)20kgが長方形板の中央にかかった場合のたわみ D)20kgが長方形板の中央にかかった場合の曲げ応力 よろしくお願いいたします。

  • 等分布荷重を受ける両端固定梁について

    前回質問No.5438093で「薄いアルミ板の応力」という題で質問させていただきました。 その結果、数値計算から、たわみwが梁の高さhを超えたら、非線形を考えなければならなくなって、梁の公式が適用できないということがわかりました。 梁の高さhが、梁の長さよりも極端に小さい場合には、非線形になりやすくなるということもわかりました。 また、両端固定梁が曲げを受けると、材料力学の公式では軸力は計算されて来ないけれども、実際には軸力が発生して、それは曲げの荷重に対して非線形だということもわかりました。 そこで質問なんですが、等分布荷重(単位長さあたりf)を受ける両端固定梁のたわみと軸力と最大曲げモーメントについて、数値計算はできるようになったのですが、数値計算プログラムを使わずに式で計算できる方法があれば教えていただきたいと思います。 大きめに計算する近似式でも結構です。 実際に取り扱いたい形状は、長さ50~300mm、幅20~200mm、厚さ0.2~0.6mmのアルミの長方形板で、4辺が固定されているのですが、長い方の二辺を固定すれば梁とみなすことができると思います。そのうえ、問題は簡単になって、解も大きめに出るので、設計に使えると思います。 ですから、長さに比べて高さが極端に小さい梁の場合だけの解でも結構です。 申し訳ありませんが、私は今週いっぱいここに来ることができないと思います。お礼が遅れますが、よろしくお願い致します。

  • 板ばねのたわみ量と最大応力の計算

    <やりたいこと> 下図のような直線と円弧からなる板ばねにおいて、 上の直線部 L1 と下の直線部 L2 の長さが異なる(L1<L2)場合の 全たわみと最大応力を計算したい。 ■ ■ /↓P ■( ──────中心線 ■ \ ■ \↑P(反力) ■■■■■■←壁 <参考> 上の直線部と下の直線部の長さが同じ場合は上下対象となるので、 荷重Pによって上半分の直線部と円弧部に発生するモーメントM1,M2から 弾性エネルギーU1,U2を算出し、U1とU2を足し合わせPで偏微分したものを 2倍(上下対象)して全たわみを求めました。 最大応力は図の円弧の左端となるので、 円弧部のモーメントM2を断面係数で除して求めました。 <質問事項> 上の直線部 L1 と下の直線部 L2 の長さが異なる(L1<L2)場合、 ?たわみの計算は以下の考え方であってますでしょうか。 中心線と上の直線部とのなす角(=中心線と下の直線部となす角)をα 円弧部の半径をr、荷重点(反力点)をx=0,円弧部と直線部の接点をθ=0とすると 上半分は、荷重Pによって直線部と円弧部に発生するモーメントM1,M2を求め、 M1=Px cosα (※0≦x≦L1) M2=P(L1+r sinθ)cosα (※0≦θ≦β) 下半分は、反力Pによって直線部と円弧部に発生するモーメントM3,M4を求め、 M1=Px cosα (※0≦x≦L2) M2=P(L1+r sinθ)cosα (※0≦θ≦β) M1,M2,M3,M4から弾性エネルギーU1,U2,U3,U4を算出し、 全て足し合わせてPで偏微分すれば、全たわみ量を算出できる。 ?最大応力はどう計算すればよいでしょうか?(どこが最大になる?) <以下修正します> 下半分は、反力Pによって直線部と円弧部に発生するモーメントM3,M4を求め、 M1=Px cosα (※0≦x≦L2) M2=P(L2+r sinθ)cosα (※0≦θ≦β) ~~ <以下修正します> 下半分は、反力Pによって直線部と円弧部に発生するモーメントM3,M4を求め、 M3=Px cosα (※0≦x≦L2) ~~ M4=P(L2+r sinθ)cosα (※0≦θ≦β) ~~ <追記> 質問の意図がわかりにくいかもしれませんので、以下のように書き直します ?の質問 全たわみを求めるには、以下の考え方で良いか? 1. 板ばねを円弧部の中心から上半分と下半分に分け、 円弧部が直線部と繋がっていない方を固定端とみなした板ばねを考える 2. 上半分と下半分の板ばねについてそれぞれ荷重Pによるモーメントから 弾性エネルギーを求め、カスチリアーノの定理より変位を求める 3. 2で求めた上半分と下半分の板ばねの変位の合計が全たわみとなる ?の質問 最大応力発生部と最大応力値について、以下の考え方で良いか? 1. 最大応力発生部 荷重P(または反力P)の荷重作用線に垂直で最も遠い場所、 つまり、図の円弧部の左端となる。 2. 最大応力値:σmax σmax=M/Z (M:曲げモーメント、Z:断面係数) ここで使用する曲げモーメントはM2とM4のどちらか? 上半分の荷重Pによる固定端での曲げモーメント:M2=P(L1 + r sinθ)cosα 下半分の反力Pによる固定端での曲げモーメント:M4=P(L2 + r sinθ)cosα