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動的接触角(後退角)
psa29の回答
- psa29
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重力や液滴にかかる外力が無視できるとすれば、本来、前進接触角と後退接触角は等しくなり、液滴の表面張力が等しければ、液滴の種類によらず、接触角は等しくなっても良さそうです。 しかしながら、現実はそのようにはなりません。 被測定面(固体)の表面粗さについて無視すると、前進接触角と後退接触角が異なる原因、および同じ表面張力でありながら、液体の種類によって後退接触角が異なってしまう原因は、濡れている面の界面の状況にあるものと思います。 つまり、乾いている時と濡れいる時とでSUS表面が変化している可能性が高いと思われます。 界面活性剤などは、金属表面に吸着してしまうので極端に金属との界面張力を低下させてしまえば、後退接触角は小さくなります。 別の言い方をすれば、幾何平均則に従うような状況では前進接触角も後退接触角も差がなく、液体の種類の差はないが、濡れたときに水素結合や酸塩基相互作用など、液体と固体の間に強い相互作用が生じ、幾何平均則からはずれるような組み合わせでは、接触角の数値が異なってしまうと言うことだと思います。 幾何平均則が成立すると言うことは、相互作用が殆ど分散力だけに起因しているような素材の組み合わせということになるのではないでしょうか。 酸塩基、水素結合など強い相互作用が生じ、幾何平均則から推定されるよりも界面張力が低くなるような状況では、後退接触角は小さくなります。そのような相互作用がなければ、大きくなります。 なお、幾何平均則とはある固体とある液体との間に生じる分子間力(エネルギー)は、おのおのの分子間力(エネルギー)の幾何平均になるという仮定を指します。 これを用いるとFowksの式が簡単に誘導できます。 Γab=Γa+Γb-2(Γa×Γb)E1/2 ( )の1/2乗を表したつもりです。 Γab;固体(a)と液体(b)との間の界面張力 Γa;固体(a)の表面張力 Γb;液体(b)の表面張力 ΓaとΓbが等しければ、Γabは0となります。
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