どういう経緯でのご質問なんでしょうかね。
学校の追試のレポート、とか。
<マラソンの由来>
マラソンは、紀元前、フィディピディスという兵士が伝令のため、マラトンという都市から首都であったアテネまでの約40kmを走ったことに由来しています。
<マラソンの位置付け>
一般的な陸上競技の長距離走種目において、最長距離を走るもので、よって、長距離においては花形種目といった位置付けとみなされることが多い。
また、競技場(トラック)内ではなく街中などに設定されたコースで競技が行われるため、テレビ中継でも人気がある。
概して、トラック種目で最長距離の1万メートルで優勝したとしても、マラソンを制していない限り「最強の長距離ランナー」とはみなされないことが多く、多くの長距離選手が最終的にはマラソンを制覇することを夢見ている。特にこの傾向は、オリンピックにおいては顕著である。
(このあたりのエピソードは、何かしら参考事例があると良いでしょう)
<メリット>
マラソンは、長距離走であり、タイムを競う競技である。しかし、42.195kmを走り遂げるという達成感もあり、競技者ではない市民ランナーはマラソンの完走を目標に、一般参加が可能なレースにエントリーすることも少なくない。
特に、アメリカ・ハワイ州での「ホノルル・マラソン」のように、記録が目的ではなく走り切ることを目的に、レジャー感覚で参加可能な大会もある。
マラソンの完走を目標にすることは、健康増進という目的において、日頃からジョギング等に親しむには有効な手段と言える。
また、競技者であっても、乳酸(筋肉疲労により生成される物質)への抵抗値ないしは分解速度は、10代後半から20代後半にかけて伸びるとされ、年齢的に「若い」ことが必ずしも有利とはならず、30代でもマラソンで実績を残すアスリートも多い。そのため比較的長い期間、競技として取り組みやすいといったメリットもある。
<デメリット>
反面、長距離走の中でも最も肉体的な負担が大きい。
競技者において、マラソンで好タイムを記録するには体重等の厳正な管理が必要で、しかし体重を絞り過ぎれば、レースにおいて必要なエネルギーを身体に蓄えることができず、このような調整の難易度の高さから、体調不良に陥る競技者もいる。
また、別の要因として、硬く舗装された道路でレースが行われることが多く、また練習でもこのような道路を想定した路上を走ることも少なくない。長い距離、足の骨や筋肉へ負担の大きい路上、といった要因から、競技者の怪我・故障も少なくはない。
これを背景に、マラソンに取り組むトップレベルの競技者は、コーチやトレーナーの他に、ドクターや整体・マッサージなどによるメンテナンスの専門家による「チーム」で競技に取り組むことが一般的となっている。
<エピソード>
正月のイベントとしてテレビ中継で人気を博している「箱根駅伝」は、関東の大学を対象に、日本の陸上競技におけるマラソンランナー育成のために始まったものである。
「箱根駅伝」は、その他の大学駅伝と比較して、各区間の距離が長く、20kmを超える。これはハーフマラソンに匹敵する距離であることが多く、「箱根駅伝」を経験したランナーが、その後 実業団等でさらにトレーニングを積み、マラソンに挑戦している。
しかしながら、オリンピック代表に選出されるランナーは、「箱根駅伝」で活躍したランナーではないことも多く、各大学の指導は、テレビ中継による宣伝効果を重視するがあまり、マラソンランナーの育成という観点で十分なものとなっているのか疑わざるを得ない。
<国際大会におけるマラソンの傾向>
男女ともに、マラソンのトップクラスのランナーは、そのほとんどがアフリカの各国を出身とした競技者である。また、このような競技者は、トラック種目の1万メートルでも実績を残しているケースが多く、マラソンと1万メートルとで、1kmあたりのタイムで大差なく走破している。しかしながら、他国の選手でマラソンと1万メートルの双方で実績のある競技者は決して多くはなく、マラソンは人種的特性が顕著な競技となりつつある。
しかしながら、このような競技者は、アフリカの本国でトレーニングを行うのではなく、ヨーロッパ各国、アメリカなどでトレーニングを行なっているケースも見られ、アフリカ各国の競技者の育成方法が高度なわけではない。
<陸上競技におけるマラソンの課題>
このような事例から、今後のマラソンにおける課題を述べる。
マラソンは、陸上・長距離種目の花形とみなされていることで、長距離種目の競技者にとって目指すべき目標としての位置付けが根強い。しかしながら、総じて、日本人選手のトラックにおける長距離種目は決して芳しいとは言えない。対して、アフリカ各国などは、トラック種目でも十分な実績を誇っている。このことから、日本における長距離種目の指導が、マラソン偏重となっていることがうかがえる。また、トラック種目を強化することの方が、マラソンでの実績向上につながるといった仮説を立てることもできる。
以上を踏まえ、一般市民の健康増進の目標としてマラソンには十分なメリットがあると考えられるが、競技者においては、マラソンを過剰に意識化することにより弊害も大きくなっていると考えられ、マラソンを長距離種目における花形と位置付ける風潮を改善する必要性があると考えられる。