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プルーストの「失われたときをもとめて」

ghostbusterの回答

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回答No.2

スワン家は、語り手(マルセル)の家族と親しいユダヤ人一家です。 あの有名なマドレーヌを口にする場面で、レオニー叔母が日曜日の朝、紅茶に浸したマドレーヌを出してくれたコンブレーのことを思い出す。その叔母さんの隣人がスワン家です。 当主のシャルル・スワンは美術品を蒐集し、フェルメールを研究し、文学や演劇にも造詣の深い教養人で、しかも高級娼婦(ちょうど『椿姫』の主人公のような)だったオデット・ド・クレシーと結婚します。そのために上流社会から締め出されることになりました。 「スワンの恋」という章は、このスワンとオデットの恋愛を描いているのですが、三人称で語られ、全体とは異質な形式を取っています。当初、プルーストはスワンを主人公とした三人称の小説を構想したのですが、途中でそれを放棄し、いまあるような一人称の小説になりましたが、最初の構想がそのまま取り残された部分であるといわれています。 この物語は、マルセル(語り手)の生まれる以前の物語です。やがてマルセルはスワンとオデットの娘、ジルベルトに初恋をすることになるのですが、スワンという人物は、マルセルにとって精神的な父ともいえる存在で、「スワンの恋」という物語が、以降に展開される『失われた時を求めて』の予告ともなっている、という構造を取っています。

hautbas55
質問者

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成る程!丁寧にご回答いただきありがとうございました!

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