• ベストアンサー

【国際関係学】現実主義、自由主義、構成主義について

現在国際関係学を専攻しており、東アジアの安全保障問題において、Realism, Liberalism, Constructivismのどの考え方が一番現実的か、また説得力があるかというエッセーを書いています。そこでなのですが、複数の文献を参考にはしたものの、現実主義、自由主義、また構成主義について、具体的に頭の中で、それらがどのようなものか、という事が理解しきれていな状態です。どなたか、それらについて簡単に説明いただけませんでしょうか。 またそれらの思想が実際にどのように世界で機能しているか等も加えて説明いただけると幸いです。 よろしくお願いいたします。

  • 469
  • お礼率67% (58/86)

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.2

 いえいえ。どういたしまして。 > リアリズムについてなのですが、ClassicalとStructural、すなわち伝統的リアリズム?、とネオリアリズムがありますが、これらの違いはどういったところなのでしょうか。    まず、”Classical realism”は”伝統的リアリズム”と一般的には訳されているようです。伝統的といいましても、第二次世界大戦後の話ですが・・・    「主権国家のみが、(単一の)アクター(行為主体)であり、そしてアナーキーを中心に据えている」というのは、確かにそう言えると思われます。ただ、Classicalにおいてもその傾向は見られます。  顕著な相違と言われますと、”人間の本質”というものを取り入れるかどうかの違いが、最も異なる点かと考えられます。  つまり、伝統的リアリズムでは、イデオロギーなどよりも国益重視、さらに名誉欲や権力欲を”人間の本質”とみなし、そしてそれに応じて国益を追求していくという姿勢を貫きます。つまり、出発点が”人間の本質”ということなんです。  ですが一方、ネオリベラリズムにおいては、そのような”人間の本質”といったものは(ほとんど)考えず、国際関係における「アナーキー構造」、さらには、国家間の相対的な力関係(パワーバランス)や国家が置かれている環境構造を、その論理の出発点としているということです(このため、”構造”、すなわち”structural”と言われる所以かと)。  以上、まとめますと、Classicalの場合では、”人間の本性・本質”を出発点として国際関係を説明する傾向にあり、一方、Neoの場合では、自国の置かれている”環境構造”を基点にして国際関係・政治を説明する、といったところでしょうか。

その他の回答 (1)

回答No.1

 こんばんは > 現実主義、自由主義、また構成主義について  可能な限り、区別しやすくのべさせてもらいました。 ・現実主義:現実を直視して国際関係を考えることを重視する。国際関係においては、国内のような統一的権力機関が存在しないため、極論すると”無政府状態”を基本においている。一例としては、古くはマキャベリ。つまり、安全保障の観点からは、倫理的、規範的なものを一切排除し、国家が存続するためには、あらゆる手段を講じていくべきという主張。 ・自由主義:国際法や国際機関に重きを置く主義・思想。現実主義と同様に”無政府主義”がその根本にある。そこで、国家は、国際的秩序(国際法や国際機関)を重要視すべきと主張する。”永久平和のために”を唱えたカントらが代表。歴史的には、現実主義とは敵対しながら発展してきた。現在では多数派に近い。 ・構成主義:国際関係は国家間の”無政府状態”の影響から生まれるのではなく、むしろ国家のアイデンティティや規範といった理念が、それらの関係性のなかで国際秩序を徐々に形成していくという考え方。人間の組織の構造は物質的な力ではなく共有された理念によって主に決定される、さらには、合目的な主体のアイデンティティと利益は、自然によって与えられるのではなくむしろこれら共有された理念によって構築される、と論ずる。歴史は比較的新しい。ソ連崩壊後に重要な思想とみなされるようになった(国益なんていうものは、時とともに変化すると主張する)。 > またそれらの思想が実際にどのように世界で機能しているか等も加えて説明いただけると幸いです。 ・現実主義:おわかりかと思いますが、本国では、親米右派に多いです。例えば、極端な例ですが、先のイラク戦争の際に、「北朝鮮をどうにかしてくれ」との願いから、米国を支持したケースです。もちろん、イラク戦争は国際法や国連(国際機関)無視です。そもそも大量破壊兵器などはなかったのですから。 ・自由主義:上記イラク戦争に反対した人たち、つまり反米派に多いです(右派・左派関係なくです)。どちらかと言いますと、”性悪説”に立ちますが、それが故に”国際的秩序”を重要視する傾向にあります。 ・構成主義:実を言いますと、そんなに影響力を持った事例・実例はないように思えます。理由としましては、そもそも、ポストモダニズムの論壇者から端を発したこと、またこのため、具体的性に乏しく、極めて抽象的な哲学的議論に終始するとの批判があります。  また何かあれば、「補足欄」にて質問してくださいね。

469
質問者

補足

非常に詳しくありがとうございます。とてもはっきりとしていて、分かりやすかったです。お言葉に甘えて補足欄にて、質問させていただきます。リアリズムについてなのですが、ClassicalとStructural、すなわち伝統的リアリズム?、とネオリアリズムがありますが、これらの違いはどういったところなのでしょうか。リアリズムの主権国家のみが、アクター、そしてアナーキーが中心、というのがネオリアリズムなのでしょうか。 よろしくお願いします。

関連するQ&A

  • 国際関係論の中の"institutionalism"

    国際関係論の論文を書いているのですが institutionalismの単語がよくわかりません。 realism、liberalismとかと並べられる単語なのですが… ご存知の方いらっしゃいましたらお願い致します。 もしあればこれについて説明しているサイトでも構いません。英語可。 よろしくお願い致します。

  • 東アジアの資本主義国は儒教国家?

    東アジアの資本主義国のほとんどは儒教思想をもとに発展したんですか?

  • 国際連盟の集団安全保障と民主主義

     こんにちは。宜しくお願いします。  国際連盟の集団安全保障が上手く機能しなかったことの1つに、民主主義の減少と聞いて、調べたのですが『ドイツが第一次世界大戦で敗北し、インフレになり国民的安定の民主主義が減少した』みたいなことが書かれてあったのですが、どうして、民主主義が減少したのかが、よくわかりません。  教えて下さい。お願いします。

  • おすすめの東アジア国際政治史の文献について

    わたしは大学生で、授業で 東アジア国際政治史 を使っているんですが、私には文章的に難しく、よくわかりません。国際政治史について無知なので(--;) なので、もっとわかりやすい、文が噛み砕かれているような文献を探しています。 おすすめがある方、教えてください。お願いします。

  • ヘルメス主義とは?

    ヘルメス主義について調べているのですが、歴史的な観点から解説をお聞きしたいです。 あまり参考文献等もなく困っています。 ヘルメス主義について調べてみますと、まずどこのサイトでも開祖はヘルメス・トリスメギストスで、彼はアトランティスの司祭だった、そしてエメラルドタブレットがどうのこうの・・・と触れられています。 私が知りたいのはこんなことではなくて、現実の歴史に照らし合わせてヘルメス主義がどのような発展を辿ってきたかを具体的に知りたいのです。 開祖がヘルメス・トリスメギストスだなんていうのはどうでもいい情報で、実際にはどのような人物がこの思想をまとめあげていったのか、歴史的にヘルメス・トリスメギストスの名が登場するのは何世紀ごろの話なのか? この思想の発展にはユダヤ教徒は関係があるのか? 他にもエメラルドタブレットの初出について、またこれがピラミッドの中で見つかったという尾ひれが加わったのはいつ、誰が言いだしたのか? そしてこれについても伺いたいのですが、グノーシス思想とヘルメス主義は共に発展してきたのでしょうか? 調べても全然情報が出てきません。ヘルメス主義の実像とは一体どういう物なのでしょうか。詳しい方よろしくお願いします。

  • 共産主義が赤の理由

    教えてください!どうして赤い思想とか彼は赤だというような表現に見られるように、赤が共産主義を意味するんですか?広辞苑で赤を調べたところ、(革命旗の赤色から)共産主義の略称・俗称って書いてあったんですけど、もう少しわかりやすい説明が欲しいです。または、こういうことを調べるための参考文献を教えていただけたらうれしいです。よろしくお願いします。

  • 東アジア的自由とは?

    政治学原論の講義で政治学においての自由は4つの種類があり、積極的自由、消極的自由、共和主義的自由、東アジア的自由だったのですが、最後の東アジア的自由だけ、定義がわかりません。 レジュメには、レヴィナスの「正義とは他者のうちに我が師を求めることである」という言葉が東アジア的自由の説明として書かれていたのですが、それとの関係性もわかりません… どなたかわかる方がいたら教えて頂きたいです!

  • まともな国際政治学者はどのくらいいるの?

    マスコミに出てくるリベラルといわれる国際政治の先生は空想的な政策論や平和論しか言わないような気がします。 私が大学の教養でとった講義の先生もそんな感じでした。 いろいろと本を読んで思ったのですが、国際政治学者はもっと現実的な国家間の動きを見ていくべきだと思います。地球市民の協力や、集団安全保障の構築とか現実にはないものばかりを論じて何になるのでしょうか。 京都大学教授の故・高坂先生のグループはまともに国際政治の研究をされていたようですが、大学の国際政治学にはいまだに空想的なことばかりを論じる人が多いのでしょうか。

  • 歴史の課題なのですが

    歴史の課題なのですが いろいろな人の意見を聞いてこいとのことなので ご意見をお聞かせください 1 19世紀中ごろから20世紀初頭にかけての 東アジアの国際関係の変容についてそれ以前と比較しつつ答えよ 2 日清戦争の「日朝日台戦争」としての側面について説明せよ 3 義和団事件から韓国併合にかけての時期は東アジアが本格的に 帝国主義的な国際秩序に組み込まれた時期と言われるが 日本の役割に注目しつつなぜこのように言えるのか答えよ 4 近代アジアの認識について「文明」と「野蛮」というキーワードを用いて説明せよ

  • 国際政治について質問

    国際協調が大切だ!との議論がよく交わされますが、国際協調のメリットって具体的に何でしょう?? アメリカ・欧州・中国・韓国・東南アジア・アフリカなど・・・。 政治に疎いので、詳しい方よろしくお願いします。 アメリカは日本の製品を輸入してくれるからなのか? でも、自由貿易の国際法があるのでは? 武力をちらつけせて、関税かけて輸入しませんよ!とは言えるのか? 安全保障の問題でアメリカが日本を見捨てたら、軍事費がかさむから? アフリカは資源国ですから、ODAなどで援助することで日本の技術を守りたい? 政治的権力や経済的権力があると自分に都合のいい国際ルールがつくれるから? アメリカ・欧州・中国・韓国・東南アジア・アフリカなどにつても個別に回答をいただけると幸いです。 無知で申し訳ないのですが、よろしくお願いします。