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肉のタンパク質と酸・アルカリについて
noname#175206の回答
食肉については複雑です。調理面からみると「死後硬直」「熟成」ということがあります。牛肉ですと、タンパク質がアミノ酸に分解するのを待つわけです。これは柔らかくなることにもなります。 http://www.gourmet-meat.com/unchiku/jukusei.html マリネでも、酸だけでなく油の効果もあり、以下のような研究があったりします。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007058133 実は柔らかくするためだけなら、別の方法を用います。生のパイナップルの酵素ブロメライン、パパイアの酵素パパインはタンパク質を分解します。これらでは、タンパク質であるゼラチンを溶かすので、ゼリーが作れず、加熱して酵素を無効化するか、寒天で代用します。 そのゼラチンはコラーゲンから作るわけですね。肉の硬さを担うコラーゲンは、酸で分解されます。タンパク質の多くは酸で固まります。ちなみにアルカリで分解するので、弱アルカリ性である石鹸は、皮膚や髪を洗ったら、きちんと洗い流さなければいけません。牛乳にレモン汁を入れると固まるのが、酸性によるタンパク質変性の一例です。 コラーゲンだけは酸で分解するわけです。このことを風味も含めて経験的に使われているのが、たとえば肉の下処理に使う酒の種類です。赤ワイン、白ワイン、日本酒に牛肉を漬け込むと、赤ワインだけが味が良くなります。 これは、アルコールは香味成分を溶かし出す力が強いのですが、牛肉は香り成分の多さが風味の特徴となっています(対照的に鶏肉は旨味成分が多い)。赤ワインは酸性度が他より強いので、まずそれで肉の表面を固めるため、香り成分があまり溶け出してきません。白ワインや日本酒では酸性度が不充分で、アルコールに香りが逃げてしまいます。 その他、肉の保水ということもあります(漬け込む液体の塩分や糖分なども影響してくる)。 もし、調理して柔らかく、美味しくするということであれば、酸・アルカリ以外の要素も大きいことは注意しておくべきかもしれません。
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補足
回答ありがとうございます。コラーゲンは酸によって分解されるのですね。 マリネについてもとても勉強になりました。シチュー肉は赤ワインで漬けておきますが、ほかの酒とは違った効果があるのですね。 ちなみに、オイルが肉を柔らかくするのはなぜでしょうか?