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中性子散乱について

中性子散乱を勉強し始めました。 中性子散乱には非弾性散乱と弾性散乱があるようなのですがこれは同時に起こるものなのですか?だたしたらどうやって区別するのでしょうか? それとも非弾性散乱と弾性散乱は別々の実験手段で、選択的に行うものなのでしょうか? また核散乱や磁気散乱は弾性散乱なのでしょうか?非弾性散乱なのでしょうか? エネルギーの増減によりフォノンが生成消滅するというのが僕の非弾性散乱イメージです。とすると弾性散乱はどんなイメージなのでしょうか? 教科書をみてみると核散乱、磁気散乱ともに非弾性、弾性のときがあるようで混乱しています。 質問ばかりですみませんが、解説おねがいします。

  • biola
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  • metzner
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回答No.1

中性子を試料にむけてたくさん打ち込むので、あるものは弾性散乱されあるものは非弾性散乱されます。そういう意味では同時におこります。そうやって散乱された各中性子のエネルギーを調べれば、試料に入射した中性子のどれだけが弾性散乱したか(すなわち非弾性散乱)がわかります。弾性散乱実験では、入射と同じエネルギーのものだけを検出すればいいです。非弾性散乱は弾性散乱に比べて一般に非常に起こりにくいので、非弾性散乱を見る実験をするには一般には入射中性子の量を多くする必要があります。またいろいろなエネルギーに散乱される可能性のある中性子を検出する必要があるので、非弾性散乱の実験の方が実験的に困難な面はあると思います。そういう意味で弾性散乱実験と非弾性散乱実験は、実験設備的に異なる側面を持ちますが、試料と中性子の間で起こっている現象は、試料の条件と入射中性子の条件が同じなら、同じです。 どんな散乱でも一般的に、弾性散弾、非弾性散乱両方起こり得ます。入射された中性子が試料の状態を最終的に状態Aから状態Bに変えたとして、状態Aと状態Bが同じエネルギーE_A=E_Bなら(エネルギー保存より)中性子のエネルギーも変わらないので弾性散乱になります。試料が励起状態E_B -E_A > 0なら非弾性散乱になります。だから散乱された中性子の中から非弾性散乱された中性子を分析すると試料の励起状態に関する知見が得られます。

biola
質問者

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ありがとうございました。納得できました。

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