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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:歴史において鉄砲が果たした役割)

鉄砲の歴史的役割

phjの回答

  • phj
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回答No.2

最初に「武器」というものの進化について書きます。 武器というものは防御と攻撃の際に効果的である必要があります。「効果的」というのは、防御兵器であれば軽くて絶対に壊れない盾とか、刃物や弾でも完璧にはじき返す鎧、などが重要であるということです。 軽くて壊れない盾なら、大きくても取扱いが楽ですから、敵とまったく同じ刀剣で戦うにしても生存率を高くすることが可能になるからです。 鎧の進化も「完璧に防御できる」なら重くて動き難くてもかまわない訳で、だからこそエンジンという動力が発明された後は戦車という完璧な鎧(少なくとも白兵の武器では歯が立たない)ができ、それを運用したナチスドイツの機甲師団は大変に強かったのです。 攻撃に使う武器に関して言えば、射程距離が長いというのは非常に重要になります。これに的中率の高さが加わればより効果的になるといえます。 この点を考慮してクロスボウと鉄砲を比較してみると、的中率は同じ、というよりクロスボウを含めた弓と初期の鉄砲は弾幕を張ることで敵の突入を防ぐという役割が大きく、そもそも殺傷能力はあまり重視さされていませんでした。 これは映画にもなった日露戦争時の203高地でロシア軍が使用した機関銃も同じであり、たくさん弾をばら撒くから殺傷能力が高く、また日本軍も突撃しか行わなかった為死傷者を大量に出すことになります。 そもそも機関銃というのは大量に弾をばら撒くことで相手に攻撃させない(特に距離が近づいてこないようにする)という役割があるからです。 そもそも弓というのは、鉄砲ができて使用されなくなるまで、殺傷能力を期待されて使用されたことはありません(もちろん当たれば致命傷になるようにはしますが「確実に仕留める」という用途ではありませんでした) 特に弓矢の弱点は至近距離になると命中精度が落ちること、連射が出来ないこと、矢に限りがあること、などで、どの軍隊でも弓矢隊は一番後ろに居て、矢を打ち尽くしたら逃げるか刀に持ち替えて白兵戦に参加するのが一般的だったのです。 で、これを踏まえて鉄砲の登場になります。 鉄砲の凄さは先ず第一に、水平撃ちで射程距離が弓の何倍にもなったことです。これにより最前列に鉄砲隊を配置すること可能になりました。もちろん初期のころは撃ち終わったらすぐに後ろに引っ込みますが、射程が長いので鉄砲隊が引っ込んだ後に歩兵が隊列を直す時間が十分に取れたのです。 これがクロスボウを含む弓矢との最大の違いでもあります。 これだけでも鉄砲を採用する理由になったのです。 次に鉄砲の特徴(弓に比べて扱いやすい)を利用して「大量に一斉に使用する」という戦法が編み出されます。射程距離が長いですから、鉄砲を持っていない又はより少ない相手は白兵戦に持ち込むことがより困難になります。 これが鉄砲を大量に購入して使用する、という根拠になっていきます。 特に初期の鉄砲は筒込め式であり点火も火縄ですから、一度撃つと次の準備に時間が掛かったのですが、交代しながら相手との距離をとって戦うことが可能になったので、量があれば、相手が攻めてくるのが困難になる、ということだったのです。 この時点で重要なのは「当たったら困る」ということで、確実に当てて仕留めるということは考慮されていないことに注意してください。 そして次第に筒込め式から薬莢に代わり、点火方式も火縄からフリントロックなどになり、最後に薬莢に信管が埋め込まれることになります。 ライフル銃が発明されたのは16世紀ですが、銃身にライフルを刻むのはかなり高度な技術を必要とした為、ライフル銃が一般的に軍用になるのは、19世紀になってからです。つまり命中率と確実な殺傷能力が求められるようになり、いわゆる狙撃というものが出来たのはたかだか100年程度の歴史しかないのです。 ということでご質問の1,2,3,を見てみると。1についてはそのとおりですが、鉄砲にしてもかなり後期まで殺傷能力自体は求められておらず、それよりも射程の長さや扱いの容易さが重要だったといえます。 2については「傭兵」という言葉の意味が判りませんが、中世ぐらいまでは騎馬が得意な民族や白兵が得意な民族などがおり、鉄砲も運用にあわせてそれを得意とする集団があったと思います。 それが、ある国の中で徴用されて戦えば「国軍」ですし、隣の国などに助っ人に行けば傭兵になるわけです。 日本では傭兵の歴史がほとんどないためあまりぴんときませんが、現在でもスイス人は様々な国の傭兵として活躍しており、同じ意味でバチカン市国の警察軍はスイス人だけで運営されています。これも傭兵なのですが、バチカン市国という国を守る一つの機関という意味では、国際会議などにも出席しますし国際的に認知されている存在といえます。 しかしフランスの外国人部隊と同様、どちらも傭兵には違いないのです。 3も同様です。全ての封建的領主は(日本の武士階級を含めて)、自分の領地は自分で守る義務があり、同盟や君主が敵対勢力に攻撃されていれば、原則的に助けに行って戦争に参加する義務があったのです。ですから自分の領地を守る軍隊は私兵でもあり、領地軍(という名が適正か分かりませんが)という正規軍でもあったわけで、いろんな方式がありますが、領民が兵になることもあったのです。 軍や傭兵、国と領主の関係については歴史的地理的に様々な経緯があり「絶対王政を目論む領主たちが自分たちの私兵を武装させる」という言い方は正確さに欠けるといえます。 とりあえず、弓矢と鉄砲の差は、大きいということです。

gootttt
質問者

お礼

ありがとうございます。 傭兵についての定義は、かつての領主・騎士の階級ではない軍事要員というイメージです。 まあ本来の意味は金で雇われて戦う人なのですが、そうすると騎士も傭兵の中に含まれてしまうので…(中世の騎士は広義の意味で傭兵だったと思いますが) そもそも当時は封建領主から絶対王政に移行するという根本的時代の潮流があり、鉄砲はそれを補助したというのが私の理解です。 そして戦う人として欧州の軍事および統治を担っていた階級を押さえつけて絶対君主になるには押さえつける対象である騎士とは別の階級の軍事力、つまり傭兵を自らの力とする必要があったのだと思います。 そして戦いの化身・戦闘マシンである騎士に農民出身の傭兵で対抗するには、長い槍や鉄砲が効果的だったのだと思います。 基本的歴史の理解としてはそれで十分だと思います。 ただ、個人的趣味としてもう少し細かく見ていくとなぜその際に選ばれたのがクロスボウではなく鉄砲だったのかがイマイチ分からないのです。

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