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死とは何か?

Yui-sの回答

  • Yui-s
  • ベストアンサー率37% (6/16)
回答No.6

「生命体の死」とは、難しいですね。 私たち人間の場合、以前は心臓死が個体死であると見なされていました。 が、脳の機能こそが私たちの意識のありかだというコンセンサスのもと、 人間の場合、脳死をもって個体死ということが受け入れられつつあります。 ただし、個々の細胞、それらの集まりである種々の組織や器官の機能は 保たれて(きちんと生きて)いる訳で、だから脳死患者からの移植医療が 成り立つのですね。(余談でした) さて、細胞は、コピーを作り世代交代をしなければ、やがて老化し、寿命を迎えます。 既に述べられているように、細胞を構成する要素の酸化・変性などがあるために、 死は避けられません。けれども、細胞は「死ぬよりも前に分裂して生まれ変わる」 ことができるのです。生理的な細胞の交代は、新しく生まれ変われる細胞を選択するような リフレッシュです。単細胞生物(細菌など)の場合も、リフレッシュされるものだけが 生き残るのですから、問題はない訳です。もっとも、細菌の全てが生き残る訳ではありませんが (だから抗生物質が利くのですよね)、既に述べられているように、この意味では細菌に 死はないわけです。 では、細菌には死はないのに、なぜ私たちの細胞には分裂の限界があるのか。この点で、 テロメアに関して補足しておきます。テロメア(telomere)は真核生物の染色体の末端にある 繰り返し配列("TTAGGG" + その相補的配列)で、染色体同士の接着を防ぐ保護的機能を 持っています。(細菌の場合、もともとRNAが環状にくっついていますから、テロメアは不要です) テロメアは、DNA重合酵素(DNA polymerase)によって合成されないため、細胞分裂の度に短く なってしまうという特徴があります。このため、最後には染色体の融合や分解が起こり 細胞の成長・分裂は停止してしまいます(死んでしまいます)。テロメアを合成するには、 "telomerase"という、RNAを鋳型とする逆転写酵素酵素が必要です。 ほとんどの癌細胞にはこのtelomeraseの酵素活性が存在するので、無限の増殖が可能だとのことです。 クローン技術(後述)によって得られた動物のテロメアは短いようですが、 寿命に関わるほどではないという文献があります。 (Paul G. Shiels, et al. Analysis of telomere length in cloned sheep. Nature 399:316-317. 1999) 生殖細胞にもtelomeraseがあるようです。 (Nam W. Kim, et al. Specific Association of Human Telomerase Activity with Immortal Cells and Cancer.  Nature 266:2011-2015. 1999) 少なくとも生物学的な細胞の死とは、今ではこんな感じに理解できます。 が、私たちの意識の降り為す知的な活動(文明の持っている情報)は、 必ずしも個体死と共に滅びる訳ではありません。この意味での情報は 不完全ながら迅速なコピーと淘汰の原理に支えられた「生物を超えた生物」 のようであると、リチャード・ドーキンスは『利己的な遺伝子』の中に述べています。 この辺りは解釈の問題になりますが。 (自分のHPにも書いたのですが、まだ恥ずかしくてみなさんにお教えできません。ごめんなさい)

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