• ベストアンサー

LC/MS/MSによる確認試験について

今、LC/MS/MSの勉強をしているのですが、少々皆様にお聞きしたいことがあります。 それは、よく論文などで、 「HPLCの検出後、LC/MS/MSを用いて確認試験を行った」 というような文章があるのですが、具体的に何を検出した後にどういう確認をするのでしょうか。また、なぜそのような確認、操作を行うのかイマイチわかりません。 もし、ご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教授頂けると助かります。 よろしくお願い致します。

  • t6y7u
  • お礼率81% (18/22)
  • 化学
  • 回答数4
  • ありがとう数4

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • DEFS-7
  • ベストアンサー率33% (44/133)
回答No.2

同定情報に、大きな差があるからです。 HPLCとだけ記載された場合、検出器はほぼUVか蛍光です。利点は機器が安く、一回に多くの試料を導入できること、欠点は感度がやや低く、物質情報はリテンションタイムと波長だけで、同定の決め手に欠けるということです。 LC/MS/MSは、HPLCの検出器がタンデムの質量分析計です。その化合物のプレカーサーイオンとプロダクトイオンのm/z(質量/電荷)が、数値でハッキリでます。要は、ほぼ確実にその対象化合物である、と論文で大手を振って言えるだけのデータが得られるわけです。 よって、HPLCでおおよその見当をつけた後、LC/MS/MSで確定情報を付与するというのは、非常に合理的と言えます。

t6y7u
質問者

お礼

非常にわかりやすいご回答、ありがとうございました。 とても勉強になりました。 ただ、疑問点として、なぜ保持時間と波長だけでは、同定の決め手に欠けるのでしょうか。プレカーサーイオンとプロダクトイオンのm/zは成分固有の物であるのに対し、保持時間と波長は成分固有の物ではないからでしょうか。 もし、具体的な理由がありましたら、ぜひお聞きしたいです。

その他の回答 (3)

  • DEFS-7
  • ベストアンサー率33% (44/133)
回答No.4

NO2です。 同一条件で測定した時に、標準とサンプルで、リテンションタイムとマススペクトルが一致した時、「その物質は標準物質と同一の物質である」とほぼ言えます。 ほぼ、というのは、LC/MS/MSでは異性体を分離できない場合があるからです。 LCの分離は同じですので、要は波長よりマススペクトルの方が、確実な同定法だとご理解ください。 なお、移動相条件や注入量が許すなら、最初からLC/MS/MSで検討すればよいはずです。 しかし、HPLCを用いているということは、移動相にリン酸バッファーを用いるなど、LC/MS/MSでは測定できない理由があったり、高価なので研究室にないなどの事情によるのではないでしょうか。

t6y7u
質問者

お礼

わかりやすいご回答、ありがとうございました。 なんとお礼を言ったらよいのやら。 つまり、標品の保持時間とサンプルの保持時間、標品のマススペクトルとサンプルのマススペクトルの4つのパラメータで評価するのですね。 良く理解できました。 何度も何度もご回答頂き、本当にありがとうございました。

  • DEFS-7
  • ベストアンサー率33% (44/133)
回答No.3

NO.2です。 同定の決め手に欠ける理由ですが、おっしゃっている内容がかなり近いと思います。 もちろん、きちんと検量線が引けて、ピークに妨害もなく、感度も取れていれば、HPLCできちんと検討できます。 ただ、あくまで比較の問題ですが、GCのキャピラリーに比べLCカラムの分離は悪いので、ピークに他の成分がかぶる可能性が高くなります。 実際、夾雑物を含んだサンプルを測定した場合、UVと蛍光は、わりと他のものも拾ってしまいます。分離能はMS/MSが圧倒的に優れています。 蛇足ながら、LC/MSではなくLC/MS/MSで測っているのも、カラム分離と、フラグメントイオンの出にくい大気圧イオン化の性質上、検出器により高い分離能が求められるからです。

t6y7u
質問者

お礼

二度目のわかりやすいご回答、ありがとうございました。 非常に勉強になりました。 夾雑物を含んだサンプル(例えば、食品や血液など)は確かに他のものも拾ってしまいそうな気がします。 これで私自身の疑問も晴れました。 今まで、丁寧なご回答ありがとうございました。

t6y7u
質問者

補足

すみません、回答へのお礼を書いたのですが、考えているうちに疑問が出てきてしまったので、お手数ですが、もう数点だけお聞きしてもよろしいでしょうか。 確認試験を実施したときに、標品とサンプルを用いて、何がどう言えると「確認できた」と言えるのでしょうか。 サンプル中に確認したい成分が含まれている場合、HPLCの保持時間と波長だけでは定性能力に弱いため、わざわざLC/MS/MSを用いると思うのですが、何と何を比較して、どういう結果が出ればよいのかがよくわかりません・・・。

noname#160321
noname#160321
回答No.1

多分に「訳が分からん」処がありますが、MS/MSで高分解能質量分析による「元素組成分析」(早い話元素分析)を行なったのだと思います。 なお、MS/MSですとフラグメントの元素分析も出来ますので、反応中間体などの組成も分かってとても便利です。 でも、下手をすると「機械にこき使われる」ハメになる危険もありますけどね。(笑)

t6y7u
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 確かに、下手をすると「機械にこき使われる」こともありました。 気をつけねば。

関連するQ&A

  • HPLCとHPLC/MSの違い

    大学院で研究を行なっている学生です。 環境水中のある化学物質の分析を行いたいのですが、幾つかの論文では分析機器としてHPLC/MSが用いられていました。 で、当研究室にはHPLC/MSが無く、かわりにHPLCならあります。 この二つの違いというものはなんでしょうか? HPLC/MSで検出されるものはHPLCでは検出されないのでしょうか? 勉強不足で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

  • LC-ES法とは?

    HPLCでの分析法で「LC-ES法」という方法がありますでしょうか。 ESは検出器を指すものと判断しましたが、該当する検出器が分かりません。ESというとエレクトロスプレーイオン化法のESIが思いつきますが、これはLC-MS等に用いられるものという知識はありますが、LCでもこのESIを検出器として分析可能なのでしょうか。または全く別の検出器でしょうか。ご存知の方あればお教え下さい。

  • LC/MSでの残留農薬の分析について。

    LC/MSを用いて、食品中の残留農薬を分析する事に対して調べたいのですが、自分はLC/MSを使用した事がなく、また、LC/MSに関する知識も持ち合わせておりません。 HPLC程度しか使用した事のない初心者なのですが、LC/MSを用いた残留農薬分析について、色々と調べたいと思うのですが、その様な事について解説しているサイトや本はないでしょうか? そもそも、LC/MSではどの様な成分を分析する事に優れているのか、GC/MSと比較してどの様な点が優れいてるのかなど、一切分かりません… どなたかご教授いただけると幸いです。 よろしくお願いします。

  • LC/MSについてご教授お願いします。

     大学病院で検査技師として働いてます。 今回、研究である薬物の血中濃度を測定することになりました。 恥ずかしい話ですが、私は今までLC/MSを使用した経験がありません。 研究では大学の薬理学の先生にご指導を頂いて実験準備をしていく予定ですが、事前に勉強していくうちでわからないことがたくさん出てきてしまいました。 測定したい薬物の原末やキャリブレーター、コントロールは準備できました。既知濃度の標準品があるので検量線作成はでき、血中濃度も測定可能かと思いました。 が論文等読むと、13C標識の内部標準物質を使用と書かれているのですが、これはどのような過程で必要なものなのか理解できませんでした、またこの物質がないと正しく、血中濃度を測定できないのでしょうか? 素人で言葉足らずで大変申し訳ありませんが、ご教授よろしくお願います。

  • 分析の初心者です。

    分析の初心者です。 食品添加物や農薬の分析をしているのですが、 HPLC分析(フォトダイオードアレイ検出器)する時と、LC/MS/MS分析する時があるのですが、HPLCで定性、定量 できると思っているのですが、LC/MS/MSはどういう時に使用 するのでしょうか。またメリットも教えてください。

  • 質量分析計とGC、LCに関して

    質量分析計で、複数混合している化学物質を調べる場合、ガスクロ(GC)、液クロ(LC)で分離した後、MSに通す場合がある様ですが、MSの原理から考えると、GCやLCで分離しなくともMS単独で、混合サンプルを検出できそうに思うのですが、間違っていますでしょうか? GC、LCと組み合わせる理由な何でしょうか? 当方、実際に分析などは行ったことはなく、残念ながらNet上での知識程度しか御座いません。 ご回答のほど、宜しくお願い致します。

  • キトサンの確認試験方法とは?

    キトサンの確認試験方法の検索をしているのですが・・・ 確認ということで、赤外吸収スペクトル法が浮かぶのですが、測定機器が無いのです・・・。 食品や化粧品などにも添加されているので、決まった規格試験があると思うのですが・・・キトサンの確認試験には、どんな種類があるのでしょうか? 出来れば、簡単な操作(呈色反応など)で規格試験に則った方法がわかればと思ってます。どなたか、詳しい方にご教授して頂きたいです。

  • ESI-MSスペクトルの付加イオンの解釈について

    現在ある4種類の化合物をLC-ESI-MSで分析しています。構造もすべてわかっている化合物ですが、4種類すべての化合物のMSスペクトルで、「+62」のイオンが検出され、この解釈ができずに困っています。ちなみに[M+H]+の強度は「+62」の半分以下です。4種類の化合物は分子量300-400で、基本骨格は同じ、側鎖の官能基が-OH、-NH2など少しだけ異なる程度です。ご存知の方がいらっしゃたらよろしくお願い致します。 分析条件は以下の通りです。 LC 移動相:10mM酢酸、アセトニトリル ESI-MS ポジティブ

  • l-メントールの確認試験方法

    l-メントールの確認試験方法 ・ノニオン活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油) ・エタノール ・水 ・その他水溶性成分数種(エタノールには溶けない) 以上が配合された溶液(全て可溶化された透明溶液です)から、l-メントールを確認する試験方法をご存知の方がいらっしゃったらご教授頂きたいです。 推測だけでもOKです。宜しくお願い致します。

  • HPLC(蛍光検出)におけるthreo体とerythro体

    ある化学物質XをHPLC(蛍光検出)で定量しようと考えております。 過去の論文では、その物質XはHPLC(蛍光検出)で既に定量されています。今回、定量したいのは、その物質Xのerythro体です。 標準物質は、やはり物質Xのerythro体を用意するべきなのでしょうか? 標準物質(試薬)はthreo体とerythro体を区別して作られていることなどあるのでしょうか? そもそも蛍光検出でthreo体とerythro体を区別して定量することはできないのでしょうか? どなたかご教授お願い致します。