• ベストアンサー

検閲?小林秀雄 「批評と人生」

小林秀雄の著書で、 タイトルの一部と出版社名の削り取られた本を見つけました。 ずいぶん前に家族が古書店で入手したものらしく、 「批評と**~**のことば~」**書房 と**の部分が全ページ消されています。 おそらく「批評と人生」という題だと思うのですが、なぜこのように検閲されているのでしょうか? 《人生》という単語がどういう理由でひっかかったのか不思議です。

  • stroh
  • お礼率50% (2/4)

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.1

 今晩は。  この本は番町書房から出されていました。が、調べてみるとこの出版社からの刊行は1980年代後半で終わっています。確実なことはウェブの検索では判りませんでしたが、どうやらその時期に倒産したようです。  とすると倒産後に在庫を処分された際、なんらかの意図で本の一部を改竄して廃棄したものではないでしょうか。古紙としての廃棄だったとすれば、市場での流通を防止するために、題名の一部を削除したり、出版社名を削り取ったりしたのではないでしょうか。  出版社が倒産した場合、その在庫を非再販本として古書市場に出す場合もあります。30年ほど前に虫プロが倒産してしばらくして、神田の古書店でこのようなものを扱う店では店頭に20種以上の漫画単行本が並んだことがあります。  一方そのような再流通の手間を掛けることすらせずに、「潰し」という古紙再生用に回されてしまうことも少なくありません。私の推測ですが、その本はこのような処分品の中から助け出されたのかもしれません。このような本の山の中からごく少数を関係者が持ち帰ることは良くあったことのようです。或いはこの本に関して言うと、山の一部を題名等の削除をすることで非再販ルートに回すことを認められたのかもしれません。  結局真相は実際の関係者でなければ判りません。本の世界の裏側にはこんなこともあるのだということの一例でしょう。  以前何かでこのような再生工場行きの本に関する話を読んだことがあります。それは出版社に勤めていた人が書いたものだったかと思います。自社の出した本の山から、再生用にカバーや厚紙の表紙をむしり取る作業を延々と続ける。それは悲しく、辛く、空しい作業だった。こんな内容でした。

stroh
質問者

お礼

大変わかり易く詳細に教えていただきありがとうございます。 家族で興味深く拝見いたしました。 出版というものの側面を考えると、感慨深いものがあります。

関連するQ&A

  • 小林秀雄

    小林秀雄の「漫画」という作品はどんなことが言いたいのですか? 明日テストがあって・・ こんなんにあまりレスしたくないとは思いますが必死なんで何とかしてくださいm(_ _)m

  • 小林秀雄の素晴らしさがよくわからない

    小林秀雄を絶賛する人がよくいますが、どうもいまいち私には素晴らしさが理解できません。 簡単でいいので、どこらへんがよいのか教えてください。

  • 小林秀雄の「批評とは人をほめる技術である」の出典

    小林秀雄の次の言葉の出典が思い出せません。「批評の『批』という字は、手のひらを返して打つという意味だが、批評とは人を誉める技術のことである」というようなフレーズがあったのですが、出典がわかる方教えて下さい。

  • 著作権の切れた英語の参考書を探しています

    著作権の切れた英語の参考書を探しています。 青空文庫を探したのですが、文学小説しかありませんでした。 iPhoneアプリ化したいので、著作権が切れているかPDである必要があります。 著者が個人名の場合没後50年、もしくは著者が出版社名の場合 公開後50年が経過した参考書が該当します。 できればネットで無料で入手したいのですが、神保町で古書を 探す方法も検討しています。 ネットであればサイト名を、古書であれば購入できる店舗名を 教えていただけると助かります。 (洋書は「英語の参考書」にカウントしない方向でお願いします)

  • 小林秀雄さんの無常ということがわかりません

    今、学校で無常ということについてやっていてもうすぐテストなのですが、分からない事があるのでいくつか教えていただけるとありがたいです。 1.どうして作者は、鎌倉時代に生きていないのに「あの時は実に巧みに思い出していたのではなかったか。何を。鎌倉時代をか。そうかもしれぬ。」となるのですか。 この、「あの時」とは、比叡山に行って短文が突如心に浮かんだ時でいいのですよね? 2.筆者は「歴史」と「思い出す」ということの関係をどうあるべきだと思っているのか。 筆者は「歴史」も「思い出す」ことも肯定的に見ていると私は読み取ったのですが、関係をどうあるべきか、と問われるとわかりません。 3.「この世は無常(全てのものは移り変わる?)とは決して仏説というようなものではあるまい。それはいついかなる時代でも、人間の置かれる一種の動物的状態である。」とありますが、「一種の動物」とは、「鑑賞に堪えないしかたのない代物」でいいのですよね?そうなると、いついかなる時代でも人間が一種の動物的状態に置かれるというのは、過去・歴史にはあてはまらず矛盾するとおもってしまったのですがどうですか。 4.「現代人には、鎌倉時代のどこかのなま女房ほどにも無常ということがわかっていない。常なるものを見失ったからである」とありますが、それは、現代人は動く事無い固定点を失ってしまったので、移り変わるものの基準を認識できないということ、でいいですか。 質問がわかりにくくなってしまってすみません。 どなたか分かる方は教えてください、よろしくおねがいします。

  • 小林秀雄全集について

    小林秀雄の全集に関して質問です。 小林秀雄の単行本は持っているのですが、いっそ全集を買おうと思っています。 新仮名遣いではなく、小林が書いた通りの言葉で読みたいので、第五次全集が欲しいです。 しかし、第五次全集は高価なため、なかなか手が出ません。 そこで第四次(新訂版)の全集を考えたのですが、第五次に新しく入ったものも多いようで、それはそれで迷ってしまいます。 そこで質問ですが、第五次と第四次はどれほど違いますか? 正直なところ、買うとしたらどちらを買ったほうがよろしいでしょうか? よろしくお願いいたします。

  • 小林秀雄と戦争について

    先日亡くなった桑原甲子雄氏の「私の写真史」という本を読んでいたら、以下のような文章がありました。 「昭和十年代は「近代の超克」ということがいわれ、『文学界』という雑誌で三木清等による大座談会がもたれたことを記憶している。このことでは、小林秀雄の名も逸することができない。小林は保田(※与重郎)と並んで、インテリ層を戦争に傾斜させていった役割をになった人である。」(本書39ページ) たしか、小林秀雄は戦争が終わったときに、 「戦後の言論に迎合し「進歩的文化人」に変貌したり懺悔したりする知識人らを尻目に、「頭のいい人はたんと反省するがいい。僕は馬鹿だから反省しない。」と言い切った。」(Wikipediaより)そうですが、当時、同世代の人たちは、この発言に関してどう感じたのでしょうか。 桑原氏の文章を読むと、この「僕は馬鹿だから反省しない」だけでは、小林秀雄の一種の戦争責任?は済まされないと、同世代の人たちは考えていたのではないかと思いましたので。 お詳しい方、ご教授をお願いします。

  • 小林秀雄のやさしい解説書

     小林秀雄を理解したいと思います。  「様々なる意匠」「無常といふこと」を読んでもほとんど意味がわかりませんでした。  小林秀雄に関する解説書が少なくて見つけるのに苦労しています。  高校生にもわかるようなやさしい解説書、またはサイトがあれば紹介してください。    

  • 小林秀雄が一番好きだった作品

    題名の通りです。 とにかく小林秀雄が一番好きだった作品が知りたいです。 どなたか知っている方がいたら 回答お願いします!

  • 小林秀雄、江藤淳

    小林秀雄って言う名前や、江藤淳って言う名前に、文学関係の本を読んでいると、結構ぶつかります。気になって時々彼らが書いた本を手にとって見るんですが、私には取り付く島もないほどに、理解不能なんです。これほど、全然分らないっていうことになると、しかも彼らの著作が読書層の中で多く読まれてるっていうことを考えると、私自身に何か知的欠陥があるのかと、向きになって読もうとするんですが、何しろまったくわけが分らないって言う感覚は拭い去りがたく、こんな難解な文章を書いた彼らに逆に反感を持ってしまいます。 この感覚分ってくれる人いたら回答願います。私も読んでみたけど全然わかんないんだよって言う人いないんですか?