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危険運転致死傷罪

危険運転致死傷罪が結果的加重犯か否かは定かではありませんが、 本罪に共犯規定の適用はあり得るのでしょうか。(結果的加重犯であるのならば当然適用され得ますが。) もし、判例で共犯規定の適用を認めたものがあれば、教えてください。 お願いします。

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  • 17891917
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回答No.3

 No.1です。  たしかに,基本行為が処罰されないことから,「結果的加重犯」という言葉にはふさわしくないかもしれませんね。  しかし,基本行為自体は,刑法で処罰こそされませんが,道路交通法の罪には該当するし,道路交通法違反を考えないとしても,法益侵害の危険を類型的に有する行為という意味で,広い意味の犯罪の実行行為にあたると思いす。  よって,共同して実行(60条)できる犯罪行為になります。つまり,「基本行為が刑法で処罰されていなくとも,その行為について,共犯としての共同ができるのでは」ということです。判例がとっていると思われる(最高裁平成17年7月4日判決)犯罪共同説に立っても,こういえるのではないでしょうか?  そして,刑法において,他に,「よって」以下の要素について故意の対象としている条文はありません(学説には,建造物等以外放火(110条)や強制わいせつ等致死傷(181条)について故意犯を認める見解はありますが,最高裁はそうは解していません。)から,本罪も結果的加重犯「的」な犯罪と考えていいともいます。  また,刑法は,本罪を傷害罪や暴行罪と同じ章に規定しています。すなわち,その基本行為について,処罰規定は置かずとも,故意犯的なものと見ていると考えられます。  そして,最高裁は,結果的加重犯について,基本犯について故意があれば,加重結果について過失は不要としています。よって,本罪についても,基本行為について共同があれば,過失犯の共同正犯の成否を問題にすることなく,死傷結果について共犯として帰責しうると思います。    ※なお,ご指摘の建造物等以外放火について,「よって」以下の結果(公共の危険発生)の認識について,判例(最高裁昭和60年3月28日判決)は不要とし,故意の対象ではなく処罰条件として位置づけています。これは,結果的加重犯そのものではないが,結果的加重犯「的」といえます。この罪についても,基本行為に加功ないし共同して,公共の危険を発生させれば,共犯が成立すると思います。

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その他の回答 (2)

  • r-carlos
  • ベストアンサー率50% (17/34)
回答No.2

 なぜ,結果的加重犯だと,共犯規定の適用がないのですか。どういうう説にたつとそうなるんですか?なにかで勘違いされているのでは?

nayurhguao
質問者

補足

ちゃんと質問をみてください。結果的加重犯(危険性説に基づいた過失性説にたちます)の犯罪類型に該当するとすると共犯の規定が適用されうるといっているんです。 まぁ該当しないという立場から共犯の規定が適用されるという説もとれるとおもいますが。

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  • 17891917
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回答No.1

 まず,危険な運転を助手席であおって,死亡事故につながった場合,そのあおった人間を処罰することは必要かつ妥当ですよね。そこで共犯ないし共同正犯を成立させるべきという考えを持って,条文を見てみます。  ここでは,208条の2第1項について検討してみます。  同項には,「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ,よって,人を負傷させた者は」とあります。  「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」は,明らかに故意犯の規定です。ここでの故意とは,「自分がアルコール等の影響により正常な運転が困難」という認識及び「自動車を運転」するという認識です。  「よって」は,結果的加重犯特有の言い回しです。  以上のことから,同項の罪は,結果的加重犯です。  しかし,運転者は飲酒酩酊していたが,助手席の人間が飲酒していない場合,共犯になりうるのかという問題があります。  すなわち,「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」の自動車運転者であることが刑法65条1項又は2項の「身分」にあたるかが問題になります。身分とは,広く「一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係たる特殊の地位又は状態のすべて」(最高裁昭和27年9月19日判決)であり,本罪は,当該運転者により犯される真正身分犯といえます。  とすれば,助手席の人間には,65条1項により,本罪の共犯が成立すると思います。   共犯規定の適用を認めた判例については,存じません。 

nayurhguao
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 実は本罪を一概に結果的加重犯とすることはできないんですよ。「因って」の文言は必ずしも結果的加重犯のメルクマールとはなり得ないのです。たとえば、建造物等以外放火罪は「よって」という文言を用いていますが、基本犯それ自体が不可罰であるため、結果的加重犯から区別されるんです。 ですから、「よって」という文言だけで本罪を結果的加重犯とはできないんです。(本罪における基本犯も刑法的には不可罰ですし) 後半の意見については私も賛成です。そもそも、同乗者には結果を回避するための客観的注意義務違反もあったはずですからね(その点では60条の適用もあり得ると思います)。最高裁での身分についての言及の引用は参考になりました。

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