• ベストアンサー

潜熱、比揮発度@蒸留計算

蒸留工程での収支を計算する際に用いる、潜熱、比揮発度とは何ですか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • chem_navi
  • ベストアンサー率55% (19/34)
回答No.2

こんにちは.当方,化学工学を専攻する大学院生です. 以下,理解している範囲でお話させていただきます. >潜熱について 液を加熱していくと,やがて沸点に達しますが,さらにガスの温度を上げるには,ある一定以上の熱エネルギーが必要です. すなわち,加熱し続けているのにも関わらず,温度が上がらない期間が存在します.この期間(まるで潜んでいる?!)に費やされる熱量を潜熱といいます. 概念自体は,中学理科にて既習かと存じます. >比揮発度について 分離のしやすさを数値で表したものを分離係数と言い,特に蒸留操作における分離係数のことを比揮発度といいます(単位操作により分離係数の呼び名が異なる). すなわち,蒸留のしやすさを数値で表したものが比揮発度です. 教科書では,平衡比Kの差を分数で表わしたものを比揮発度αとして定義しているかと思います. 平衡比は,蒸発のしやすさを表しており,平衡比大→沸点低→蒸気圧大(揮発性大)の関係があります. したがって,比揮発度とは混合物を構成する成分の蒸気圧(揮発性)の差を分数で表したもの,ということになります. ふつう,比揮発度の分子に低沸点成分の平衡比,分母に高沸点成分の平衡比がきます. そう致しますと,比揮発度が1より大きければ大きい程,分離成分間の蒸気圧差が大きく,蒸留で分けやすい,ということになります. 一方,比揮発度が1の場合,分離成分間の蒸気圧に差がない,ということになり,蒸留による分離は理論的に不可能,ということになります. (不純物を添加して蒸気圧差を生成させることは可能) 今のは蒸留プロセスに限ったお話ですが,分離係数を用いることにより,ある分離対象物質における最適な分離プロセス(抽出,吸収,晶析,吸着等)を選定することができます. 分離係数の高いプロセスほど,分離を行いやすいといえます. ただし,実際に適用されるかどうかについては,生産性,コスト,環境,操作の得手・不得手等によるでしょう. 訂正等ございましたならば,宜しくご指摘いただけると幸いです. 最後までお読みいただき,ありがとうございました.

全文を見る
すると、全ての回答が全文表示されます。

その他の回答 (3)

  • chem_navi
  • ベストアンサー率55% (19/34)
回答No.4

okormazd様 「平衡比Kの差を分数で表わしたものを比揮発度αとして定義」 →「平衡比Kの比を比揮発度αとして定義」 ご指摘いただき,ありがとうございます.仰せのとおりに訂正させていただきます. ご参考までに,「差」は数学的には「引き算」を意味しますが,化学工学では,「引き算」以外にも「分数(比)」を用いて「差」を意味することもございます. たとえば,晶析は溶解度「差」を利用致しますが,溶解度差を表す結晶化の推進力=過飽和度はΔC=C-Cs,S=C/Csの2種類の表現がございます.

全文を見る
すると、全ての回答が全文表示されます。
  • okormazd
  • ベストアンサー率50% (1224/2412)
回答No.3

ANo.1 です。 すみません。 訂正です。 α=(x1/y1)/(x2/y2)=P1/P2 →α=(y1/x1)/(y2/x2)=P1/P2 α=(x1y1/)/(x2/y2)=(x1/(y1)/((1-x1)/(1-y1)) →α=(y1/x1)/(y2/x2)=(y1/x1)/((1-y1)/(1-x1)) ここで、 平衡比 K1=y1/x1 K2=y2/x2 とすれば、 α=K1/K2 で、 chem_naviさんの 「平衡比Kの差を分数で表わしたものを比揮発度αとして定義」 →「平衡比Kの比を比揮発度αとして定義」 ではないかと。

全文を見る
すると、全ての回答が全文表示されます。
  • okormazd
  • ベストアンサー率50% (1224/2412)
回答No.1

潜熱 蒸発潜熱 一定量の液体が蒸発するのに必要な熱量 例 水 100℃、1atm で、 538.8kcal/kg*18kg/kmol=9698kcal/kmol=40636kJ/kmol メタノール 64.6℃、1atm で、 262kcal/kg*32kg/kmol=8384kcal/kmol=35129kJ/kmol 比揮発度:α=(x1/y1)/(x2/y2)=P1/P2 です。 ここで、 低沸点成分の 液相のモル分率:x1 気相のモル分率:y1 高沸点成分の 液相のモル分率:x2 気相のモル分率:y2 等しい温度での、 低沸点成分の 飽和蒸気圧:P1 高沸点成分の 飽和蒸気圧:P2 とする。 α=(x1/y1)/(x2/y2)=(x1/(y1)/((1-x1)/(1-y1)) だから、 Raoultの法則(x-y線図の式) y1 = αx1/((α-1)x1 + 1) だけど、一般にはαは温度によって変わる。 一般にはαが大きいほうが分離しやすい。

全文を見る
すると、全ての回答が全文表示されます。

関連するQ&A

  • 抽出蒸留における比揮発度の変化の理由を教えてください

    蒸留を勉強しているのですが、参考書には抽出蒸留は、高濃度の水が存在する時、アルコール類のエタノールに対する比揮発度に変化が起きること、言い換えれば一定濃度以上の水が存在するとき、高分子化合物の方が低分子化合物より大きい揮発度を示すことを利用していると書かれています。 なぜ、”高分子化合物の方が低分子化合物より大きい揮発度を示す”のかが理解できず困っています。 特に、高濃度の水が存在するとなぜ変化するのか?、その変化の原因が調べているのですが、わからず上記の理解ができません。 どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらご回答の程、よろしくお願いいたします。

  • 顕熱と潜熱について

    困ってます。顕熱と潜熱の定義が分かりません。 教えてください。 自分で分かっている範囲では、顕熱は液体とか気体とかそういう状態で温度を変化する熱。 つまり水を温度を上げていけば0~100℃まで水n比熱にかかる熱が顕熱。そんで水蒸気化したら、今度は100~上限?まで上げる熱も水蒸気の比熱できまります。潜熱とは蒸発熱とか融解熱ですよね・・ そこで質問 水を0℃から300℃まで上げるには液体の時の顕熱+水蒸気の時の顕熱+気化熱・・・?? つまり気化熱って一定なんでしょうか? ついでに言うと潜熱って物性によって一定なんですか? そもそも上式の考え方で合っているのでしょうか? エタノールと水の顕熱と潜熱について詳しく教えて下さい。 それからエタノールと水が混ざっている場合、単純にモル比で熱を計算すればいいんですよね? 違うのかな? そもそもやっぱり顕熱、潜熱から教えて下さい お願い致します

  • 蒸留の各段からの液・蒸気量

    蒸留の各段からの液・蒸気量 蒸留塔の段数計算を行う際、「塔内の各段からの蒸気および液のモル流量は濃縮部、回収部でそれぞれ不変である」という仮定があり、この仮定が成立する条件として下記の説明文がありました。 1)各成分のモル蒸発潜熱が等しい。モル潜熱が等しければ凝縮する高沸成分と等しいモル数の低沸成分が蒸発することになる。 この説明の解説をよろしくお願い致します。

  • 飽和水の潜熱量

    飽和水の比エンタルピは、圧力が大きいほど高いのは、なんとなくわかるのですが、 潜熱量は圧力が低いほど多いというのが、いまいちピンと来ません。 分かりやすく教えてもらえないでしょうか?

  • 蒸留について

    以前にも似たような質問をさせていただいたのですが、蒸留の際、油浴の温度を沸点よりも高く上げていっているのに(2,30度近くまで)全く沸騰する気配もなく、蒸留できないことの考えられる原因として何があるでしょうか?? 何でもいいので考えられる原因を教えてもらえればうれしいです。

  • 揮発性

    アセトンは沸点52℃で常温で高い揮発性があると教科書に書いてあります。揮発性とは気体になることですよね?それなのに52℃が沸点とはどういうことですか?

  • 蒸留について

    蒸留(単蒸留と精留)の実験をしました。 3つわからないことがあるのですが教えてもらえないでしょうか? ①レイリー式による蒸留計算で出た計算値をグラフにプロットしたが対して実験値の点とずれが大きいのは精留と単蒸留が予想されるか? ②精留と単蒸留が時間とともに温度が上がっていくのはなぜなのか? 精留と単蒸留で蒸気温度に差があるのはなぜか? ③留出量を60mLにしているが、30mLで切り替えて前半と後半の2つに分けて採取した場合、メタノール濃度が高いのは前半か後半のどちらか?

  • -25℃の氷と-40℃の氷の昇華潜熱はいくつになりますでしょうか??

    -25℃の氷と-40℃の氷の昇華潜熱はいくつになりますでしょうか?? どの程度エネルギー差があるか把握したいデス。 宜しくお願い致します。

  • SN比の計算

    雑音レベルをさす、SN比の計算方法ってどうやるのでしょうか? 具体的には、 録音した音声データ(WAV)をSN比10or15の白色雑音を 付与した上で、音声認識させたい。 と思っています。 その際、SN比10とした時の白色雑音をどのようにして、 生成すればいいのかを考えているところで、 SN比の計算方法がわからず、苦労していました。 よろしくお願いします。

  • 関数が“揮発性”か“不揮発性”かを知る方法は?

    http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;JA;274500&Product=xlw2kINT は、CELL、INDIRECT、INFO、NOW、OFFSET、RAND、TODAY関数が“揮発性”と言っています。 NOW、RAND、TODAY関数は、[再計算]する(TODAY関数の場合は日付が変わる)度にその返り値が変わるので“揮発性”であろうことは理解できます。 ところで、OFFSET関数の場合は[再計算]ではその返り値は変わらないけど、どのようにして当該関数が“揮発性”であることを納得できますか? マクロは使わないことが前提として、ご回答ください。 ちなみに、 http://www.civil-design.net/free/data/excel/function/13.html は、AREAS、CELL、COLUMNS、INDEX、INDIRECT、NOW、OFFSET、RAND、ROWS、TODAY関数が“揮発性”と言っています。OFFSETに似た INDEX関数も!(コレ、正しいですか?)