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「愚か」と「愚かしい」について

boss-の回答

  • boss-
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回答No.4

>折角、手数を掛けて下さったのに噛み合った御礼が述べられず、張り合いのないことで済みません。 とんでもない!こちらこそ長々とまとまりないことを書いてしまいました。にも関わらず、ご丁寧にありがとうございます。 さて、さっそくですが、ない知恵しぼって(ホントにないなぁと反省しつつ^_^;)書きますね。 ア)について。 >「真ん丸し」「四角し」「黄色し」「真ん丸かり」「四角かり」「黄色かり」なんて不自然ですよね。このことは何かを暗示していませんか。何かを物語っている気がしますが はい。それは不自然だと思います。何かを物語っている・・・のかもしれませんが、私自身、単に、ご質問の文章中の >手元の古語辞典には形容動詞「愚か」はあり、形容詞「愚かし」はありません。 に引っ張られて、現代語で書いてしまったせいで、他意はありません。 イ)について。 >例示された形容動詞は全て終止形が「なり(真ん丸なり)」であって「たり」はありませんね。偶然ですか。このことは何かを暗示していませんか。何かを物語っている気がしますが これも ア)と同じです。単に形容動詞を現代語で選んでいたために、タリ活用のものがなかっただけです。他意はありません。 エ)について。 >一口に形容動詞といっても形容詞的色彩の濃いものと物質的色彩が濃いものとがあることを意識しました。 すみません。言葉足らずでした。私としては、形容動詞を認める前提としても、その作られる過程といいましょうか、語構成上は、形容詞的な意味を持つ名詞と物質的な意味を持つ名詞によって、「形容動詞」となったり、「名詞+助動詞」となったりするのでは?つまり、形容動詞に名詞っぽいものがあると言いたかったわけではないですし、おそらく、名詞っぽい形容動詞ってのはないでしょうね。(そもそもが形容動詞っていうネーミングや考え方自体が「形容詞」と「動詞」の合体ですし、ね。) 実は、あの書き込みのあと、あれこれひっくり返してみましたが、どうもしっくりくるものが探せずじまいで・・・。 先に引用したものと重複する部分もありますが、以下も発見しましたのでご参考までにお伝えしておきます。 『日本語史』(沖森卓也 編/おうふう) これには、時代ごとに文章が書かれており、多少、必要事項を発見するのに苦労しますが、段落ごとに音声や文法等が分かれていますので、通時的にいくつか拾ってみます。 *****奈良時代までの日本語*****(P.11) 形容詞は、語幹が独立的な用法を持っていて、活用語尾は付属語的でした。(中略)動詞に比べると活用の整備が遅れていました。(中略)一方、形容動詞は十分に発達していませんでした。 *****平安時代の日本語*****(P.17) 形容詞の活用が整備され、形容動詞もきわめて発達しました。特に、タリ活用の形容動詞はこの時代に漢文訓読文の世界に発生したものです。 *****室町時代までの日本語*****(P.28) 形容詞ではク活用とシク活用の区別がなくなりました(この形容詞の変化にはイ音便もかかわっています)。形容動詞は、タリ活用が衰退し、ナリ活用の連体形の「る」を落とした「な」という形が多く使われるようになりました。 といった、私にとっては大変勉強になる概説部分と、その他、別項として「文法史」の中で形容詞・形容動詞を見出しに立て(P.90~)、形容詞は語彙が少ないので、歴史的考察の際、動詞よりもはっきりしていること、形容動詞の歴史も比較的よく分かることが書かれています。 また、タリ活用はさすが漢文訓読起源だけあって、息が短かった旨も書かれておりますので、こうした概説書でなく、詳説された文献もあるのだろうと推察されます。(すみません。今、手元にございません) なお、他に、手元に 『古典文法質問箱』(大野 晋 著/角川文庫ソフィア) にも、似たような形容詞・形容動詞についての記述が見られます。 以上のことから、「愚かなり」「愚かし」 の辞書収録の有無から「愚かしい」が新しい用法とするのは推察可能だとしても、国語史的、品詞論的観点からは必ずしもそうではないことが言えようかと思われます。(もちろん、概説的なことからだけで、例外なく単語レベルで新旧を断じる、なんてことはできないでしょうし、これらの概説にしても、突然、時代・幕府が変わった!といって、形容詞が突然なくなってみたり、タリ活用が突然姿を現したり消えたり・・・なんてことはないですから、まぁ、一つの目安にしかなりませんが・・・) まったくの余談・蛇足ですが、私の学生時代の卒論のテーマが、接尾語の「さ・み」で形容詞から名詞を派生させる過程の考察でした。 「温かさ/温かみ」が言えるのに、「冷たさ/冷たみ」は言えないといった具合に、主に現代語を考えたのですが、当然、形容詞の「~を―み」の用法では「冷たみ」ってのもあったはずで・・・昔のことですので、卒論の結論がどうだったのか、果たして結論づけたのか(笑)すらもはや覚えていないような状態ですが・・・勝手に、懐かしいテーマに関連させて首を突っ込ませていただきました。 言葉は、あるいは言葉を考えていくことは、難しくもおもしろいですね。

sono-higurashi
質問者

補足

字数オーバーのため、こちらに記します。 ア)、イ)の暗示云々、物語っている云々について 挙げて頂いた例から、形容詞と形容動詞が並存する単語は現代語に多く古語には少ないであるとか、タリ活用には少ないであるとか、何かしら発展的な新しい疑問なり仮説なり法則なりを探そうとしてみましたが手に負えなかったと述べようとしたものです。それをしておくのが、教わった者のあるべき態度というものだろうと、知った風な口をきいておきます(もっともらしい絵空事を言うときも尻こそばゆくなることが分かりました)。 エ)について >>一口に形容動詞といっても形容詞的色彩の濃いものと物質的色彩が濃いものとがあることを意識しました。 これを 一口に形容動詞といっても語幹には形容詞的色彩の濃いものと(きれい)名詞的色彩が濃いもの(親切、静寂)とがあることを意識しました。 に訂正します。こう直したからといって、ご回答の流れに乗れるわけではないですが。 ANo.4を頂いた後、はてな?と思い、改めてANo.3を印刷して読み直しました。読解力のなさは自覚していましたが、これほど”曲解力”があるとは自覺していませんでした。テーマが”愚か”ですから止むをえません?ご回答は形容動詞のもつ造語力について述べられていて、その観点から「愚かし」誕生の経緯に触れられているのを、今確認しました。 私の勝手な遣い方ですが、古語が話題になっているときに新しいとか、比較的新しいとか言えば鎌倉か室町以降を念頭においています。誤解のないようにきちんと伝わるように心掛けます。 『日本語史』(沖森卓也 編/桜楓)は町内の図書館にあるそうです。本来は閲覧してからでないと実のあるお礼は言えない筈ですが、先回りをしてお礼を記してしまいます。週末には入手できるでしょう。 その後、既に紹介していただいてある『概説 日本語の歴史』(佐藤武義 編著/朝倉書店)に 『形容動詞の形容詞化(「暖カナリー暖カシ」など)』との一文を見つけました(P9、上段)。これから、品詞は形容動詞、形容詞の順でつくられるのかもしれないと、ちらっと思います。この話は「おろか」が先にあって「おろかしい」が後から出来たのではないかとの説に偶然か否か符合します。 『古典文法質問箱』(大野 晋 著/角川文庫ソフィア)は心がけておきます。 接尾語の「さ」で名詞を派生させるのは気付いていました。確かに「み」も名詞を派生させますね。「温かみ」があるのに「冷たみ」がないのは日本人にとって「冷たみ」が重視される場面が少ないからでしょうか。こうして口先の直感ばかりが働いて実証しようとの気持ちが少しもないのは我ながら困った性分です。 毎度、時間をかけてのご返事に恐縮しています。またの機会にもよろしくお願いします。有り難うございました。

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