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「愚か」と「愚かしい」について

boss-の回答

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回答No.3

No.2さんのお礼のコメントを見て、「おおっ!回答の準備とは私のことか?!」と驚きながら準備も調ってないまま書き込んでおりますがご了承ください。 1.形容詞・形容動詞のおおよその数がどのくらいか分かりませんので推測の域を出ませんが、特殊か否か?と言えば、特殊なんでしょうね。というのは、「ほら、両方存在するよ!」というのがそんなにたくさん浮かばないからです。 ただし、実はこのご質問を拝見してすぐに、幾らかは思いついていました(この「幾らかは」がやはり特殊性を物語っている気がしますが・・・)。 ・真ん丸い/真ん丸だ ・四角い/四角だ ・温かい/温かだ ・黄色い/黄色だ などなど。 などなど、などとしましたのは、他にももちろんあるからです。 (参考文献等は今探しておりますがどれだったか・・・すみません。不確かなことを書き込む失礼ご容赦くださいませ。)たしか、 ・色に関する形容詞(形容動詞) ・形に関する形容詞(形容動詞) には、結構二つの品詞にまたがるものが多い、ということです。さらに、そうは言っても、「まっ白」のような「まっ(接頭語)」が付く場合に両品詞存在することが多いということ。ただし、古語としての色も現在の24色とか48色とかの色鉛筆・絵の具とは違って、それほど色数がそろっておらず、必ずしも形容詞形があるわけではないことも申し添えておきます(たとえば、「桃色い」などということは言わないが、「黒い」は言う、といった類のことです)。 ただし、以上をもって「特殊かどうか?」と言えば、「特殊です」が回答となりそうな気がします。むしろ、パッと思いつくものを挙げてみても、数の問題としては両方の品詞がペアになるものは片方のものより少なそうですから。 どうも、基本的な色に関しては古語でも形容詞化して使われており、さらに接頭語「まっ」がついて、その色味が濃い場合には形容動詞としても使われることが多いように感じます。 2.妥当だと思いますよ。この「愚か」「愚かしい」に関することだけから推論する場合は当然の帰結ではないでしょうか。 ただし、これが「愚か」以外についても当てはまる一般的な規則かどうかというと、じっくり考える余地がありそうに思います。 形容動詞を立てる・立てないの論議に絡みそうですが、「~なり(古語)/~だ・です(現代語)」いずれも、「~」に来るものが名詞あるいは名詞的要素が来ますよね。この「~」部分の性質が形容詞的なものである場合にのみ「~なり(だ)」が認められるのだと思うのです。つまり、「便利」「親切」という「名詞」は多分に形容詞的要素を含む名詞だと思われます。一方で「公園」だの「机」だのは物質的なモノそのものであり、特別にそういう状態を示しているとは思われません。 では、「愚か」はどうか?と言えば、当然、これは状態を形容するのだと考えられる「名詞」なのでしょう。 そこが「便利なり/便利だ」「親切なり/親切だ」が一つの品詞と言えても「公園なり/公園だ」「机なり/机だ」が一つの品詞とは考えられない一つの理由になっているのだと言えます。 逆に言えば、「~なり/~だ」は「~」に当てはまる「名詞」が形容詞的要素を持っていれば、いくらでも語彙を増やしていけるような、強力な造語力を持っているとも言えそうです。 (古語を考える場合は外来語なんてのは考えられませんが)現代語においては、例えば、「チャーミングだ」とか「トレンディだ」など作れますし、漢語で言っても「魅力的だ」とか「積極的だ」「自己中心的だ」等々結構な数を作り出せます。 一方で、形容詞の場合は「~し/~い」という語尾は元来形容詞のためだけにあるようなものですから、断定の「なり/だ」とは異なり、造語力という点からすれば弱いと言えるでしょう。 つまり、「愚かし」に関して言えば、決して最近できあがったものとは考えにくいとも言えると思うのです。(ま、どこを「古い」ととるのかは難しいところですが・・・)「~なり/だ」がホイホイ新しい言葉にくっついていくのに対して、なかなかくっついていかない「~し/い」。新語として「愚かしい」が誕生する・・・ということはなかなか考えにくいような気もします。 ・・・と思って、あれこれ引っぱり出していたら、参考になりそうな記述を見つけました。 『概説 日本語の歴史』(佐藤武義 編著/朝倉書店) P.120 形容詞の活用の整備 *********************** 形容詞の成立は比較的新しく、上代にはまだ活用が十分整備していない反面、語幹の単独用法が多彩だった。 *********************** として、「うま酒」「太敷く」「遠のみかど」「遠つ人」「都を遠み」の例を挙げていました。 一方形容動詞はと言えば、 P.121 形容動詞の発達 *********************** 形容動詞ナリ活用、タリ活用は、それぞれ語末が「-ニ」「-ト」の形をもつ情態副詞から生じたもので、形容詞が生産性を失ったのを補う形で平安時代に勢力を伸ばした。 *********************** とあります。 活用が整ったのは(他の品詞)に比べて、のようです。しかも、それは上代。それ以降の平安期には形容動詞が盛んに生まれた、といったことのようです。 (ただ、私が探している文献はこれじゃぁなかったのですが^_^;) >なぜ形容詞と形容動詞の両方が存在するのか ですが、すみません・・・こちらは見当すらつきません^_^; というよりも、こういう問題が出るから形容動詞を認めない立場というのが出てくる国語学の大きなテーマになりうるんでしょうね。 回答になっていなくて、しかも、思い付きを無計画に並べただけですみません。

sono-higurashi
質問者

お礼

ご回答には重要なヒントが沢山詰まっているのでしょうが、宝石箱をひっくり返して貰った猫みたいで、どこをどう喜んでよいものやらよく分かりません。思いつくままに羅列してお礼とします。 1について ア) 探せばあるものですね。例示された形容詞のうち「温かし」はよいとして終止形「真ん丸し」「四角し」「黄色し」「真ん丸かり」「四角かり」「黄色かり」なんて不自然ですよね。このことは何かを暗示していませんか。何かを物語っている気がしますが掴み切れません。 イ) 例示された形容動詞は全て終止形が「なり(真ん丸なり)」であって「たり」はありませんね。偶然ですか。このことは何かを暗示していませんか。何かを物語っている気がしますが掴みきれません。 ウ) 色や形を形容する語には、形容詞と形容動詞の両方が存在するものがある、このご指摘は記憶しておきます。 2について エ)一口に形容動詞といっても形容詞的色彩の濃いものと物質的色彩が濃いものとがあることを意識しました。 オ)他品詞から形容詞を作るよりは形容動詞の方が作りやすいということでしょうか。みたいですね。 カ)町内の図書館に『概説 日本語の歴史』(佐藤武義 編著/朝倉書店)があったので当該ページは読んでおきました。 キ)その後「愚かしい」と「愚か」のほかに「清い」と「清らか」があることに気がつきました。 折角、手数を掛けて下さったのに噛み合った御礼が述べられず、張り合いのないことで済みません。このご回答に触発された専門知識の所有者が新たに投稿する気になられないとも限らないので20日(日)24時までは締め切らないでおきます。 有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。

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