• ベストアンサー
※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:時間と空間、カント&ベルクソン)

時間と空間、カント&ベルクソン

ghostbusterの回答

  • ベストアンサー
回答No.5

さて、"The proposition"以下を読んでいきましょう。 ただ、「命題」とありますが、ここでは論証をやっているわけではない。論証はこの前の形而上学的究明と超越論的的究明の箇所でやっていて、それをまとめる、という流れです。 あらっぽく論旨を追うとこうなります。 命題「あらゆるものは空間中に並存する」 これは無条件で妥当するとは言えない。 その条件(ここでのlimitation は「限界」「制限」ではなく、「制約」、つまり命題の条件ということです)は、「これらのものがわれわれの感性的直観の対象と考えられる」である。  ↓ したがってこの命題は「外的現象としてのあらゆるものは空間中に並存する」(all things, as outer appearances, are side by side in space)と言い換えることができる。  ↓ そう言い換えれば" the rule is valid universally and without limitation."(この規則は普遍的に、かつ無制限に妥当する)。  ↓ ここからふたつのことが言える。 1.空間は経験的実在性(empirical reality)を有する。 2.空間は超越論的観念性(transcendental ideality)を有する。 つまり、空間は「経験的実在」であり「超越論的観念」である、と言っているわけ。 これがこの部分の結論です。 さてさて厄介なものが出てきました。「経験的実在」「超越論的観念性」ってなに??? まず荒っぽく言うと、「観念」の反対が「実在」です。 素朴実在論(Realism)というのは、もの、たとえば山にしても机にしてもコップにしても、そうした事物は人間の知覚から独立して存在する、と考える。 これに対し、観念論(Idearism)は、「在る」ということを、人間の意識を通じてとらえます。 「存在する」とは知覚されることである、と言ったのがバークレー。バークレーは物体が知覚されないとき、わたしの心に存在しないときは、それらの物体は存在しない、とまで言います。 カントの哲学は超越論的観念論ともいわれるように、バークレー流の観念論とはちがって、経験における実在を認めるわけです。かなりおおざっぱな説明ですが、とりあえずそんなふうなものだと頭に入れて。 カントがここで言っている「経験的実在性」とは、外的直観の対象は空間において直観される通りに現実にも存在する、ということ。 「超越論的観念性」とは「そのような性質や関係は現象であるから、それ自体存在するものではなくて、われわれのうちにしか存在しえないものである」ということ。 ここはそういうことをいっているわけです。 主観・客観とのからみでいうと、カントがやろうとしたことを黒崎さんはこんなふうにまとめています。 -----(『純粋理性批判入門』p.30) 一.主観が世界を成立させる。 一.その世界は物自体の世界ではなくて、現象の世界である。 一.現象の認識は客観的だが、物自体についての認識は主観的なものである。 ------ どうですかね。うまく整理がつきましたか。 カントも読むのが久しぶりで、ひさびさに読むと頭が筋肉痛だ……。

ken-deleuz
質問者

お礼

ありがとうございました。一旦、閉め切りたいと思います。カント、ベルクソンにつては随時質問していきますので、またよろしくお願いいたします。

関連するQ&A

  • イマヌエル・カントについて

    この度、カントについての課題が出ました 現在海外大学にて哲学の授業を取っているのですが、日本でも全く触れてこなかった哲学を英語で学んでいるためさっぱりです 課題内容としては「Explain the reasoning between Kant's efforts to make morality a matter of motives, not consequences. Describe Kant's moral theory, taking care to discuss good will, according to Kant, and the basis of the intrinsic worth, according to Kant. Do you agree with Kant's moral theory?」となっています まず、カントのmoral theoryとは日本語に直すと何にあたるのでしょうか? カントのmoral theory曰く、道徳性(倫理性)は結果ではなく動機や目的の一種らしいのですが、moral theoryにあたる日本語は存在しますか? また、good will(良い意志)、intrinsic worth(本質的な価値)(直訳で申し訳ないです)についても哲学の学問上相当する日本語訳を教えていただきたいです ご存知の方、教えて下さい よろしくお願い致します

  • TOEFLのパワープレップの文法の問題、なぜなのか教えてください

    Perhaps the most significant postwar trend was the decentralization of cities throughout the United States,( ) when massive highway-building programs permitted greater suburban growth. A, and accelerated a phenomenon B, a phenomenon that accelerated C, accelerating a phenomenon which, D, the acceleration of which phenomenon 答えはBのようですが、なぜかわかりません。 解説をどうかよろしくお願い致します。

  • 「アプリオリな認識」の実例

    カントが、経験に依存しないアプリオリな認識の実例として挙げているのは、 「時間」「空間」「因果律」などですよね。 しかし、私には、過去から未来へ連続的に流れる時間が実在するという認識も、 3次元的な連続的な空間が実在するという認識も、 ある結果はある原因から生起しているという因果律が存在するという認識も、 全て経験から派生してきたもののように思えてしまいます。 例えばもし、人間が今の世界とは違う、空間が頻繁にところどころ虫食いのよう欠けたり収縮膨大したりするような世界に生まれたり、安定した物理法則がない世界(斉一性の原理が成立たないような世界)などに生まれたら、その世界を経験後、世界をそのようなものとして認識するのではないでしょうか? 「点と点の最短は直線である」という命題が真であるという直感による認識も、 私たちがそのようなに、空間を解釈したほうが生存上有利であるということを経験上学んだにすぎないのではないでしょうか?実際はわれわれの住む空間は平坦ではないのに。 カントのいうアプリオリな認識って、現在ではどのように解釈されているのでしょうか? 感覚器官から入力された情報(光、音、匂い、温度、力)を処理したり記憶したりするための、生まれながら(先験的)に備えている能力のことでしょうか?

  • Of の使い方について

    The phenomenon of anthropomorphism is OF great interest to specialists as an illustration of the way humans view the world which exists around them. The phenomenon of anthropomorphism is OF ←このOFの使い方がよくわかりません。訳は人間が自分の周りの世界をどうのように見ているかを示すものとして、擬人化現象は専門家にとって非常に興味深いものである。 とあり、Ofがどの部分にあたるのかいまいちわかりません。この訳文も  ではOFがなくても成り立つような感じがします。教えてください。 お願いします。

  • このitはなにを示しているか

    One of the great temptations of modern researcn is that it tries to pretend that every phenomenon is a clock,which can be evaluated using mechanical tools and regular techniques. 文中のitはなにをしめしていると思われますか? 私は、One of the great temptations of modern researcn を示していると思い解答をみたところ 直前のmodern research を指していると書いてありました。 それ以上の説明はなかったのですが、どういうことでしょうか? 納得いかないので説明お願いします。

  • which of と any of の違いについて

    Does it matter which of these computers I use? (ここにあるコンピュータは、どれを使っても問題ないですか?) 和文にあるように「どれを」の部分に相当するwhich of は、any ofにしても意味は変わらないのでしょうか?和文をみて英文にしようと思った場合、私にはany of しが思い浮かばず、which of の発想がでてこなくて、違いがよくわかりません。 もう一点、これは強調構文ですか? 平常文なら It matters that I use which of these computer. になると思ったのですが、強調したいから倒置になっていると解釈して良いのでしょうか? よろしくお願いいたします。

  • この英文の意味を教えてください

    "It was the American phenomenon of ethnic turnover which was changing the urban core of Paterson, and that the human flood could not be held back with an accusing finger." アメリカにラテン系移民が増えたことについての記事です。 お願いします。

  • 英文の日本語訳の添削おねがいします!

    The terms “a priori” and “a posteriori” are used primarily to denote the foundations upon which a proposition is known. A given proposition is knowable a priori if it can be known independent of any experience other than the experience of learning the language in which the proposition is expressed, whereas a proposition that is knowable a posteriori is known on the basis of experience. For example, the proposition that all bachelors are unmarried is a priori, and the proposition that it is raining outside now is a posteriori. プリオリやポステリオリという用語は命題を知るための基礎をしるすために主に使われる もし命題が表される言語を学習をする経験よりも、命題がある経験の独立性を認識されることができるならば、与えられた命題はプリオリだと認識できる。 それに対しポステオリだと認識できる命題は経験に基づいていると認識される。たとえば、すべての独身者たちは未婚者であるという命題は、プリオリである。 そして、今、そとで雨が降っているという命題はポステリオリである。

  • この英文を和訳してほしいです。

    Therefore, Thomson proposed that an atom could be thought of as a uniform, positive sphere of matter in which electrons are embedded like raisins in a cake. この英文を和訳してほしいです。

  • temporal の意味

    次のような文でtemporalといった場合、どういった意味なのかうまく日本語に概念化できないでいます。 ・It is lived duration that is thoroughly "temporal". ・Memory thus can never be a simple representation of the past but should be viewed temporally. 単に「時間的」でいいのかなと思ったりするのですが、「かつての自然科学の時間はnon-temporalだった」などという表現もあり、ベルクソンの「持続」に通じる何らかのニュアンスがありそうなのですが、うまく日本語にならないものでしょうか。 時間論についてのとある訳書では、temporalが「継起的」と訳されていたのですが、それだと一つ一つの分割可能な時間が継起するみたいでいまいちな感じがするのですがどうでしょうか。