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日本書紀と古事記と兄妹愛

●日本書紀と古事記の神代篇について…内容に差はあるのでしょうか?どちらも同じに思えるのですが…。 ●また、兄妹始祖神話の例は多くあると聞きます。他にどのようなものがあるのですか?アダムとイヴもその例に入るのでしょうか? ●何故、最初の男女が兄妹の場合が多いのでしょうか?  質問が多いですが、どうか宜しくお願いします。 

  • 12yo
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  • junt
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回答No.1

 『日本神話』は、まとまった形としては『古事記』(712年成立)、『日本書記』(720年成立)に見られる、いわゆる『記紀神話』を主とし、『風土記』その他諸書に散見するものを含めて言います。記紀に見られる神話は同一ではありませんし、その性格も同じではありません。  『古事記』に見られる神話は、歴史叙述の一環として、その上巻に記載されたものです。その本来の神話としての姿は幾分か認められるところがあるにしても、基本的には、それぞれまとまりをもっていたと思われる個々の(小さな)神話物語が、多分に潤色されながら、時の経過を示すように連接されて、序文に言う『邦家の経緯、王化の鴻基』として、天皇家の由来を語る歴史物語に体系化されたのでした。  『日本書紀』の神話は30巻中の第一・二巻(別称神代巻上下)に見られますが、『記』に対してその特色は、およそ二点挙げられます。その一は、『一書曰』として多くの異伝を注記していることです。これは神話が早い時期に記載化されたことを窺わせています。第二は、『記』に見られる出雲を舞台にした『作る』の神話が見えないことです。これに加えて『書紀』では、本書伝と『一書曰』伝とが錯綜していることもあって、体系化の点では『記』に劣っていますが、『書紀』は、古伝承を漢文化しながらも忠実に記録したことでもあり、伝承の古態を探る上では有益です。  国生み神話の論点の1つに、イザナギ・イザナミ二神の結婚が中国・朝鮮・東南アジア一帯に分布する『洪水型兄妹相姦神話』(洪水によって兄妹が生き残り、やむなく結婚して、はじめ不具児を出産しつつも人類の祖先となる)に当たるか否かという問題があります。国生み神話をこの型の神話あるいはその断片と見る研究者は多いですが、これを否定する服部旦説もあります。  二神の結婚を兄妹相姦と見るか否かについては、アジア一帯の近親婚に対する充分な検討が必要でしょう。中国・朝鮮では、同姓不婚の制に見られるように近親婚への忌避がありました。一方、古代日本では、同母兄妹間は忌避されましたが、異母兄妹間の結婚は行われたらしく近親婚に対する禁忌の度は相対的に低いようです。各地域の近親婚に関する文化的差異を念頭に置かないと、それらに徴してイザナギ・イザナミが兄妹か否か、兄妹とすれば同母か異母か、その結婚が相姦と言えるか否かは簡単には論じられません。

12yo
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