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道徳性について
hitoshi007の回答
「道徳性を養う」というのは,『小学校・中学校学習指導要領』の第1章総則の第1の2で,道徳教育の目標を表現した言葉です。第3章道徳では,「道徳的な心情,判断力,実践意欲と態度などの道徳性を養う」とされています。 教育基本法では,学校教育の目的を「人格の完成」としており,それが道徳教育ではこのようにとらえられていると考えられます。 解釈のポイントとしては,(1)これは学校全体における道徳教育の目標であり,道徳の時間の目標はひとことで言えば「道徳的実践力の育成」です。(2)「…,その基盤としての道徳性を養う」とされており,道徳的行為を習慣づけることを直接目指すのではなく,人間の内面にかかわる教育であることを付け加えています。内面的な成長を重視する点は「道徳的実践力」についても同じで,『学習指導要領解説道徳編』を読めば,そのことが書かれています。 道徳については,「社会的規範」と「人間としての生き方・人格の育成」の両面が考えられますが,学校における道徳教育は,学習指導要領によると,後者を中心に考えているようです。 このことに関して,山崎英則・西村正登(編著)『道徳と心の教育』(ミネルヴァ書房 2001 p.51)で西村氏は,道徳の意味を西欧思想史の視点から捉え「道徳は最初,慣習や規則など人間の行動を外部から規制する社会規範の意味を強く有していたのに対して,中世やルネサンスを経て近代啓蒙時代に入ると,人間の内面からの判断に基づいた理性的法則に重点が移行していったことがわかる」と述べています。 役に立ちそうな図書はいろいろあると思いますが,私が読んだ中では,『道徳と心の教育』(ミネルヴァ書房)や『新版道徳教育を学ぶ人のために』(世界思想社)などは広い範囲の内容がわかりやすく書かれていました。また,金井肇氏の著作などは比較的わかりやすい方だと思いますし,なるほどと納得できることが多くありました。 『学習指導要領解説 道徳編』は『解説』といっても,理解できるまでにかなりの背景的な知識がいると私には感じられました。でも,これが読めるようになれば,価値は大きいと思います。 私自身,まだよくわからないことが多いのですが,参考までに。
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