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宮沢賢治<青い槍の葉>の解釈

mocharieの回答

  • mocharie
  • ベストアンサー率28% (50/173)
回答No.3

NO.1です。田植えの歌なのですね! 「土のスープと草の列」は田んぼから顔を出す稲なのですね。 サイトによっては、6月は旧暦の8月であるというものもありましたが 「ひかりの底でいちにち日がな 泥にならべるくさの列」 などは正に田植えの様子ですよね。 最初に雑誌に発表されたものは、該当の箇所が下記のようであったのですね。 雲が切れたかまた日がそゝぐ、 泥のコロイド その底に 黒くおどりは ひるまの燈籠、 土のスープを 呑むからす。 なので、以前の回答はちょっと違いますね。 賢治のほかの作品では、まわり燈籠が出てくることが多いので、fieldsさんがおっしゃるように、この詩の燈籠もまわり燈籠であるのではと思われますね。 ・狼はみんな歌を歌って、夏のまわり燈籠のように、火のまわりを走っていました。(狼森と笊森、盗森) ・ヨークシャイヤの一生の間のいろいろな恐ろしいろしい記憶が、まるきり廻り燈籠のように、明るくなったり暗くなったり、頭の中を過ぎて行く。(フランドン農学校の豚) ・お日さまは何べんも雲にかくされて銀の鏡のように白く光ったり又かがやいて大きな宝石のように蒼ぞらの淵にかかったりしました。・・・・ おきなぐさはその変幻の光の奇術の中で夢よりもしずかに話しました。 「ねえ、雲が又お日さんにかかるよ。そら向うの畑がもう陰になった。」 「走って来る、早いねえ、もうから松も暗くなった。もう越えた。」 「来た、来た。おおくらい。急にあたりが青くしんとなった。」 「うん、だけどもう雲が半分お日さんの下をくぐってしまったよ。すぐ明るくなるんだよ。」 「もう出る。そら、ああ明るくなった。」 「だめだい。又来るよ、そら、ね、もう向うのポプラの木が黒くなったろう。」 「うん。まるでまわり燈籠のようだねえ。」(おきなぐさ) 廻っているという状態よりも、明るくなったり暗くなったりすることを比喩に使うことが多く思えます。この詩は雲が来る、日がさす、雲が来る、また日がさす、という風に続くので、この燈籠は「おきなぐさ」のように、流れの速い雲によって日がせわしなく隠れたり照ったりする様を言っているのかな、と思いました。そして、そのような広大な営みをする空の下に、泥のコロイド(=田んぼ)があるということかな。でも、黒くおどりが、わかりませんね・・・。

misa1032
質問者

お礼

mocharieさん、ありがとうございました。 「黒くて青い目を持った三光鳥」のエピソードも、 よくご存知でいらっしゃってすばらしいですね。 北上山地の辺りには、そういった鳥がいたのですね。 廻り燈籠の数々の引用も、賢治が「走り廻る・光の加減」など、 様々な角度からとらえていた事も思わず唸ってしまいました。 比喩の奥深さに、改めて感動致しました。 ぜひ参考にさせていただきたいと思います。 コロイドやスープ、草の列についても お答え頂きました事も併せて、ありがとうございました。

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