法令用語としての「その他」と「その他の」の関係

質問

法令用語としては、「A、B、その他C」は、「その他」の前後の用語の関係は「対等な並列関係」だから、「その他C」にはA,Bは含まれない。
一方で、「A、B、その他のC」は、「その他の」の後の用語はそれより前の用語を包括する上位概念(包括関係)で、「その他の」の前の用語(下位概念)は、「その他の」の後の用語(上位概念)の例示だ、よって、「その他のC」にはA,Bも含まるそうです。

それで、質問です。
(1)「電車、飛行機、その他公共交通機関(例えば船舶)を使用して、目的地まで移動する。」という文章は、
①「電車と、飛行機と、その他公共交通機関(電車と飛行機を含まない、例えば船舶などの交通機関)との『全て』、を使用して目的地まで移動する。」という意味か、
②「電車と、飛行機と、その他公共交通機関(電車と飛行機を含まない、例えば船舶などの交通機関)との中の『少なくともどれか一つ』(例えば船舶だけ)、を使用して目的地まで移動する。」という意味か、
どちらでしょうか?

(2)「電車、飛行機、その他の公共交通機関を使用して、目的地まで移動する。」という文章は、
①「少なくとも電車と飛行機を使用して、さらに、それだけでなく、その他の公共交通機関(電車と飛行機と船舶とタクシーなども含む、上位概念としての交通機関)をも使用して、目的地まで移動する。」という意味か、
②「電車と、飛行機と、その他の公共交通機関(電車と飛行機と船舶とタクシーなども含む、上位概念としての交通機関)との中の『少なくともどれか一つ』(例えば船舶だけ)を使用して、目的地まで移動する。」という意味か、
どちらでしょうか?

回答No.2

lawconsul · ベストアンサー

まず、法令用語においては、「その他」と「その他の」の使い分けについて、基本的には書かれているとおりですが、語呂の関係で「その他の」の意味で「その他」が使われていることがあります（憲法２１条１項等）。
　また、法令以外の場面では、それほど厳密に使い分けられているわけではなく、同じような意味で使われることが多いため、文脈で判断する必要があることを注意する必要があります。

質問(1)は、法令であれば「その他交通機関（例えば船舶）」などという書き方はされないので、一般的な文章での使用と思われます。そうすると、電車も飛行機も公共交通機関の一種ですから、常識的には、この「その他」は、「その他の」の意味、すなわち公共交通機関の例示として電車、飛行機が記載されており、「電車、飛行機などの（これらに限られない）公共交通機関を利用して、目的地まで移動する。」という意味であると考えられます。
　もっとも、前後の文章によっては、「電車と飛行機ともう１種類の公共交通機関を利用して、目的地まで移動する。」の意味である可能性もあるので、この文章だけでどちらの意味であるかを断言することはできません。

質問(2)については、「電車、飛行機などの（これらに限られない）公共交通機関を利用して、目的地まで移動する。」という意味になるかと思います。

　なお、蛇足ですが、法律で
１「電車、飛行機、その他政令で定める公共交通機関」
２「電車、飛行機、その他の政令で定める公共交通機関」
という表現がある場合、
１では、政令において定める公共交通機関に、電車、飛行機は含まれませんが、２の場合は、政令において定める公共交通機関に、電車、飛行機を記載して定める必要があります。

回答No.1

noname#252039

その他・・・並列的例示

その他の・・・包括的例示・・・例示の「の」
その他の・・・その中に含まれる

（１）
電車、飛行機、その他公共交通機関が、それぞれ
別個の概念　→　並列的　→　A,Bは、Cに含まれない。
　　　↓
①、と思います。

（２）
電車・飛行機　と　その他の交通機関との関係は包括的例示。
なので
電車も飛行機も、その他の公共交通機関に含まれる。
②、と思います。