銀950の硬化について

このQ&Aのポイント
  • 銀950を扱う際の硬化方法について、彫金で使用される通常の加工硬化とは異なる新たな技法が存在することがわかりました。
  • この新たな技法では、オーブンを150度に上げて銀950の作品を30分ほど加熱し、その後10度ずつ下げながら30分ずつ加熱を繰り返すことで、粘りと硬さを兼ね備えた状態になると言われています。
  • しかしながら、この技法については彫金関係者の間でも知られていないようであり、鉄やステンレスとは異なり、低温で硬さを得ることができるのかどうかについて疑問が出されています。
回答を見る
  • 締切済み

銀950の硬化について

彫金などで主に銀950を扱うことが多いのですが、 通常、硬化するために、焼きなましてやわらかくした後 たたいたりしながら、加工硬化により硬くさせています。 先日、たまたま出合った職人さんに加工硬化以外に 粘りも残しつつ程よい硬化が得られるという技法を 立ち話でお聞きしました。 その時のお話では、オーブンを150度(この温度がいくつだったかはっきりしないのですが)に上げて、銀950で作ったものを入れ30分ほど オーブンの中で加熱、その後10度ずつ下げながら各30分ずつ 加熱して100度ぐらいまで繰り返すと、ほどよい粘りと 硬さが得られるとのことでした。 しかしながら、その後、彫金関係の方々に、そういったやり方があるか 確認しても、どなたも分からないとのことで、さらには、 鉄やステンレスであれば焼入れ焼き戻しでほどよく硬くする方法は あるけれど、銀ではそういった低い温度で程よい硬さが得られることは ないのではないか?などの答えがかえってくることもあり、 その職人さんからお聞きした技法の信憑性が分からなくなってしまいました。どなたか、銀の加工においてそのような、方法で 程よい粘りを残しながら硬くする方法があるのか、あるのなら正確な 温度と手順を教えていただけないでしょうか。 宜しくお願いいたします。

noname#230358
noname#230358
  • 金属
  • 回答数2
  • ありがとう数2

みんなの回答

noname#230359
noname#230359
回答No.2

1.銅の板材の製造工程  銅の冷間圧延板の製造工程は、造塊からスリッターまで10工程以上の製造工程 で作られます。  概略は、以下の通りです。銅はスクラップを電気炉で加熱溶解し   ?造塊(インゴット)?熱間圧延 ?粗圧延 ?中間圧延 ?焼鈍   ?酸洗・研磨 ?仕上げ圧延 ?脱脂  ? 低温焼鈍 ?スリッター  の工程をへて板材あるいは、フープ材に加工されます。 2.圧延  ここで、熱間圧延とは、材料の再結晶温度以上で圧延(ローラーの間に通す 加工で、板厚を薄くする目的で行う)を行い。その後焼鈍を繰り返しなが ら、板厚を薄くする工程をいいます。  圧延技術の粋を集めた製品が、どこの家にもあります。アルミ箔です!       これらの圧延工程は、インゴット(何十トン)の塊から、板を作るため 連続の圧延工程設備が、鉄鋼メーカーや銅メーカー、アルミメーカーには、 設備されています。1機の大きさは何百mにもなります。  従って、これらの材料メーカーは、海のそばに何kmにも及ぶ大きな工 場を持っています。出来た材料は船で国内・海外に輸送し易いようにです。 3.問題の熱処理について  あくまでも、想像ですが、低温焼鈍の1種で、150℃で近辺で行うこと により、靱性を持つ焼鈍が可能なのでしょうね。  金属で共通的な性質として、加工度が高い金属ほど低温で再結晶すること が知られております。  彫金で、かなり大きな変形をさせた場合、おおきな加工度を加えられてい るわけですから、比較的低温での焼鈍が可能なのかもしれません。  低温からの焼鈍では、硬さは完全には戻らないはずですので、粘りが残る という説明もわかります。  その職人さんの経験の程はわかりませんが、かなりのノウハウなのかもし れませんね。 問題は焼鈍温度ですね!   

noname#230358
質問者

お礼

重ね重ね、お答えいただきありがとうございました。 専門的で、私の頭ではついていけない難しい部分もありましたが アルミ箔の例えなど、よく分かりました。 熱処理の問題も、職人さんのお話が、金属の特性から考えて、 おかしくはないのだと分かって嬉しく思います。 あとは、教えて頂いた、再結晶温度をもとに、自分なりの経験を つんで、作品作りに活かしていけたらと思っています。 本当にありがとうございました。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

◎貴金属のことは詳しくわかりませんが、非鉄金属の熱処理の観点から説明  させてもらいます。  金属の靱性を取り戻すには、焼き戻し処理を施すと考えれば、主要な合金  成分の再結晶温度付近に加温することで、再結晶を起こさせ、靱性を復活  させると考えることが出来ます。 ◎再結晶温度(焼き戻し温度)  Fe 350~500℃ (180~280℃鋼種により違う)  Cu 200~250℃ (連続圧延では、300℃以上)  Ni 530~660℃ (?)   Ag 150~370℃ (200~300℃?)  AL 150~200℃ (連続圧延では200℃以上)      とで考えると、Agの焼き戻し温度が、200~300℃前後であならば  加熱温度は比較的低い温度と考えられます。 ◎時効軟化  銀の特性として、常温でも再結晶をして軟化する性質があります。    お答えになっておりませが、参考まで     

noname#230358
質問者

お礼

たいへん勉強になりました!ありがとうございます。 金属それぞれに、再結晶温度というのがあるのですね。。。 しかも、銀が時効軟化する性質があったとは知りませんでした~。 お答えいただいた上、さらにお聞きするのは恐縮なのですが、 再結晶温度に、どのくらいの時間入れておけば、再結晶を起こさせるのに ベストなのでしょうか?そして、文章内にありました「連続圧延」とは どういった、処理のことですか? (銀950は銅が合金として混ぜられていることが多いため、 是非知っておきたいのです。) もしご存知でしたら教えていただけますでしょうか。 宜しくお願いいたします。

関連するQ&A

  • SUS630 析出硬化材について

    SUS630 析出硬化材で質問があります。 析出硬化後に、後加工が必要な部分があった事に気が付きました。 これを、析出硬化前の素材へ『焼戻し』処理をする事は可能でしょうか? アドバイス願います。

  • シリコーンゲルの硬化不良について

    ポッティング用シリコーンゲルを撹拌して脱法たあと、型に流して常温硬化させているのですが24時間以上たっても完全には硬化しません。以前からオーブンで加熱したりしていろいろ試しているのですが、うまくいきません。よい方法がありましたら教えてください。

  • 高速度工具鋼の2次硬化現象について

     高速度工具鋼の場合の高温焼戻しによって起こる2次硬化現象について教えて下さい。  2次硬化が顕れることによる材料特性のメリットは何でしょうか?  もう少し詳しくいうならば、推奨焼入温度の高めと低めでは、高めの焼入温度の方が、焼戻しの際に2次硬化が顕著に顕れる傾向がある様ですが、2次硬化の度合い(焼入時の炭化物の溶け込み量の違いが、焼戻時の2次炭化物析出の多少に影響等)が大きい場合と小さい場合とでは、工具として使用した際に、どの様な性能差が顕れるのでしょうか?  高速度工具鋼といっても鋼種が様々なので、SKH51の場合は如何でしょうか?  どなたかお解りの方、いらっしゃいましたら御回答お願い致します。

  • 鍛造品の焼き直しについて

    SCM440の鍛造品を焼き入れ、焼き戻ししましたが、柔らかくなり過ぎたので焼き直ししました。 焼きなましをしないで、もう一度焼き入れ焼き戻しをして、硬度を出しました。 焼きなましをしないと何か問題があるのでしょうか? その後の加工に影響があるのでしょうか? 2度まで焼き直しが可能だと聞いています。 よろしくお願いします。

  • 熱硬化性樹脂の特性

    熱硬化性樹脂(高分子)を規定の温度、時間を掛け硬化させた後 オーブンから樹脂を取り出し、冷まします。 その後、再度オーブンの中へ入れると(温度はガラス転移点以下)樹脂は結晶化するものですか? 樹脂の物性はどのように変化するんですか? それとも、変化しませんか?

  • 応力除去焼鈍しによる硬さの変化

    応力除去焼鈍しをすると硬さは変わるものなのでしょうか? 私が行った結果は焼鈍しをする前と,行った後ではビッカース硬さで30程度下がったのですが,これはありえるのでしょうか. 材料はS45Cでして,試験片寸法は14×130mm,厚さ3mmです.焼戻し温度は600℃で行った後研磨し,最後に580℃で真空焼鈍しを行った結果です.

  • ダイボンドペーストの硬化方法について

    半導体デバイスのパッケージングに使用するダイボンド時の銀ペーストの硬化方法ですが、リードフレーム(銅)の酸化抑制を目的として炉内を窒素パージさせるイナートオーブンなるものを導入した場合、電気抵抗が変化するという事があるのでしょうか? 変更点は酸素濃度が従来がコントロール無しに対して1%程度になりますが、硬化の温度プロファイルは従来同様です。硬化後のシェア強度等も変化はありません。理論だった説明がつかず困っております。良きアドバイスを頂けると幸いです。

  • 冷間加工後の焼きなまし。熱間加工と同じで寸法精度…

    冷間加工後の焼きなまし。熱間加工と同じで寸法精度でないのでは? 焼きなまし(アニーリング)について質問です。 冷間加工したものは、加工硬化しているので、元の機械的性質に戻すために、焼きなましをしていると本で読みました。 熱間加工では加工硬化しないが、寸法精度に不均一な要素が多いため、 加工後の仕上がりにばらつきなどあり、 寸法精度を守るために冷間加工して、 加工硬化した分は、焼きなまして(再結晶温度以上)内部ひずみなどを取り除いて、元の機械的性質に戻している、と読みました。 でも、冷間加工後の焼きなましによって、材料の表面にスケールなどができたり、熱間加工時にある、温度分布の不均一や加工後のスケールの取り除きによって、熱間加工時と同じ寸法精度がでないのではないのか?と疑問に思いました。 そうすると、せっかく精度良くできた冷間加工品でも、焼きなましにより ねっかん加工と同じになるのではないか?むしろ、加工時を考えると、 加工しやすい熱間加工のほうがやりやすいのではないか?と思いました。 *冷間加工したものを、焼きなますと、熱間加工と同じで寸法にばらつきがでたり、スケールの処理があったりしてメリットはあるのか? この疑問に答えれる方、宜しくお願いします。 すっきりできない気分でいます・・・

  • 銀ペーストの変色について

    お世話になります。銀ペーストの変色で困っています。 変色発生までの工程は、以下のようになっています。 ?セラミック基板の金メッキ上に銀ペーストでLEDチップを実装し、175℃45分でオーブン硬化 ?Arプラズマ洗浄後、ワイヤーボンディング ?シリコン樹脂でLEDを封止し、150℃1時間でオーブン硬化 ?その上にシリコンレンズをシリコン樹脂で貼り付け  ※シリコン樹脂は?と同じもので、硬化条件も同じ  ※固定用のSUSジグにシリコン系離型剤を塗布 ?でオーブンから取り出した後、外観で銀ペーストが黒く変色している場合があり、問題となっています。変色はペーストのブリードアウト部で主に発生していますが、ひどい場合はその外側の元々金が露出していた部分まで広がって変色します。 WDS分析で変色部から硫黄が検出され、硫黄による変色と思われますが、硫黄の発生源の見当がつかず、効果的な対策を打ち出せていません。 アドバイス頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

  • 熱処理の試験問題

    今度熱処理の試験があります。 そこでの過去の問題ですが, 鋼種SCM4,φ100×2000mmの部品は,ガス窒化によって表面硬さHv550以上,硬化層深さ0.7mmを得たいが,その材質の前処理として,調質するする場合について次の設問に答えよ。 (1)製造工程は次によるものとして,空欄a~cの熱処理を選びなさい。 圧延→(a)→荒削→(b)→中仕上(溝加工含む)→ (c)→中仕上→ガス窒化→研削仕上 選択肢:焼きならし,焼き入れ,球状化焼きなまし, サブゼロ,焼き戻し,応力除去焼きなまし,拡散焼きなまし,完全焼きなまし (2)焼入れ温度は何度ですか?ただし,冷却は油冷とする。 (3)焼き戻し温度で適当なものは,400,500,600℃のうちどれ? (4)(c)で行う加熱温度は何度ですか? と言う問題です。 私の思う答えは,a=焼き入れ,b=焼き戻し, c=応力除去焼きなまし 焼き入れ温度は900度,焼き戻し温度は,500度, (c)の温度は,分かりません。 できれば,簡単な説明を付けていただけるとありがたいのですが。 宜しくお願いします。