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鉱石が塊で存在する理由

熱力学第二法則によれば金属原子も肉眼で認識できないような小さな粒子になって広い範囲に均等に分布していてもよいように思うのですが…

  • 科学
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質問者が選んだベストアンサー

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  • QCD2001
  • ベストアンサー率59% (298/499)
回答No.5

>紅茶に砂糖を溶かしたときとの違いが分からないのです。 直径1cmの球、100個と、直径1mmの小球、100個を1つの大きな容器に入れてかき混ぜると、小球が下に沈んでしまい、全体が均一に混ざるということは起きません。 このとき、1cmの球のうち半分の50個を赤い球、50個を青い球にしいます。さらに直径1mmの小球も50個を白い球、50個を黒い球にします。 容器にまず赤い球50個を入れ、次に青い球50個、続いて白い小球50個、最後に黒い小球50個を入れ、全体をよくかき混ぜます。 するとやはり、小球は下へ沈み、1cmの球は上になってしまいます。しかし、1cmの球だけを見ると、赤い球と青い球とは均等に混ざっています。また小球も白と黒とが均等に混ざっています。つまり、1cmの球と1mmの球のそれぞれについては熱力学の第二法則が成立しているのです。 しかし、1cmの球と1mmの球とでは、大きさが違うので、重力で下方へひかれたとき、小球は1cmの球の間を通って下へ動いてゆきます。つまり、動き方が違うのです。 1cmの球と1mmの小球を均一に混ぜるためには、小球に何らかの方法で外から力を加えて、上の方へ移動させなければなりません。加えている力をなくせば小球は下へ落ちてゆきますから、小さな羽根車を作って、これに小球が当たって羽根車を回すように工夫をすることで、エネルギーを取り出すことができます。実際にそんなものを作ることはとても難しいでしょうが・・・。 エントロピーというのはエネルギーの偏りであり、使うことのできるエネルギーの小ささを示す指標ですから、1cm球と1mm球とが均一に混ざった状態は使用可能なエネルギーが高い状態であり、したがってエントロピーが小さい状態なのです。 ですから、1cm球と1mm球が分離するのはエントロピーが大きくなることになり、やはり熱力学の第二法則が成立することになるのです。 紅茶に砂糖を溶かしたとき、コーヒーカップの中で上の方と底の方とで、佐藤の分子に加わる力は変わりませんし、水の分子や砂糖の分子、紅茶の中のカテキンの分子・・・に加わる力は全部同じです。さらに、砂糖の分子と紅茶の成分との間で化学反応は生じません。ですから、均等に混ざってゆきます。 しかし、ここに砂を入れたらどうなりますか?油を入れたらどうなりますか?水や油は水とは分子の性質が異なり水の分子とは動き方が異なるので、砂は沈み油は浮いて層を作ってしまい、均一にはなりません。この時も、比重が等しくて色が違う2種類の油を入れ、砂も色違いの2種類の砂を入れてよくかき混ぜると、砂と油のそれぞれについては均一に交じり合います。そして上記の球の例のように、砂と油を無理やり均一にしようとすると、何らかの方法で外力を加える必要があるためエントロピーが小さくなってしまい、結局分離した状態がエントロピーが大きい状態になるのです。ですから、砂と水と油は熱力学の第二法則により分離するのです。 星ができるときにも同じような状況になります。 元素によって比重が異なりますし、他の元素と化学反応のしかたが異なります。その結果、同じ性質、同じ重さの元素が集まった方がエントロピーが大きくなりますから、熱力学の第二法則によって元素ごとに分離して集まるのです。そして星が冷えて固まると、同じ金属の鉱床が出来上がるわけです。 つまり、鉱石の塊ができるのは、熱力学の第二法則が働いているからなのです。

kaitara1
質問者

お礼

なるほど、そういうものですか。よくわかりました。

その他の回答 (4)

  • QCD2001
  • ベストアンサー率59% (298/499)
回答No.4

#3です。 >同種の金属がたがいに同じところに集まることは起こりうるという事ですね。 違います。 比重が異なる元素を均一に混ぜようとするとエントロピーが小さくなってしまうので、熱力学の第二法則によって同種の金属は互いに「集まらなければならない」のです。 「起こりうる」のではなく「必然的に起こる」のです。 「全部がばらばらになることがエントロピーが大きくなること」ではないのです。 そもそも星ができるということは、原子が宇宙全体にばらばらに散らばらないで集まってくる、ということですよね。ばらばらでいたほうがエントロピーが大きいのであるなら、星は誕生しなかったはずです。星が誕生したということは、原子が宇宙全体に均一にばらけて分散しているよりも、集まって星を作った方がエントロピーが大きくなるということを示しています。 「ばらばらになることがエントロピーが大きくなることだ。」というのが間違いなのです。

kaitara1
質問者

補足

紅茶に砂糖を溶かしたときとの違いが分からないのです。また星ができるときと鉱脈ができるときに共通の原理が働いているということでしょうか。

  • QCD2001
  • ベストアンサー率59% (298/499)
回答No.3

熱力学第二法則の本質は、使用可能なエネルギーが消費されて小さくなることです。系全体のエネルギーの総和は一定ですが、エネルギーの偏りがあると、そのエネルギーは何らかの仕事をして系全体に分散し、均一になろうとします。これが熱力学の第二法則です。 ところで、原子の大きさはその原子番号によらずほぼ一定の、1オングストローム程度の大きさです。これは、原子番号が大きくなって原子核の周囲を回る電子の数が増えると、原子核の電荷も増えて電子を原子核に引き付ける力が強くなり、電子の軌道半径が小さくなることによります。ですから、原子番号の大きい原子も小さい原子もほぼ同じ大きさになります。ということにより、原子番号の大きい原子ほど密度が高く、比重が大きいということになります。 超新星爆発で重い元素が作られ、これが集まって新しい星が形成されると、比重が重い元素は星の中心に集まり、軽い元素は周辺に集まることになります。 ここで、中心にある重い元素を星の周辺に持ってきたとします。比重の大きい物質を軽い物質の上へ持ってくるわけですから、エネルギーが必要です。その結果、星の周辺へ持ってきた重い物質は位置エネルギーを持つことになります。つまり、星の中にエネルギーの高い部分ができるわけですから、エネルギーの偏りができ、エントロピーは小さくなります。従って、熱力学の第二法則によってエントロピーが大きくなるためには重い元素は星の中心へ沈むわけです。ですから、比重の異なる元素は、ばらばらに交じり合わず、重さごとに集まることになります。 また、化学的な性質も元素によって異なります。異なる性質を持つ元素は入り混じるよりも元素ごとまとまった方がエントロピーが大きくなります。元素ごとの塊が大きくなりすぎるとまたエントロピーが大きくなるため、熱力学の第二法則により、塊は小さくなります。

kaitara1
質問者

お礼

同種の金属がたがいに同じところに集まることは起こりうるという事ですね。

  • tadys
  • ベストアンサー率40% (856/2135)
回答No.2

肉眼で認識できないような小さな粒子になって広い範囲に均等に分布しているものを利用するには費用が掛かりすぎるので商業的な利用価値はありません。 金のように希少な金属の場合は1000 kgあたり0.5 g程度の純度でも利用価値が有りますが、鉄鉱石では30%の純度では低品質と言われます。

kaitara1
質問者

お礼

金属が出現した時点で拡散しなかったのはなぜかと思ったのですが、いったん拡散したものが集まってくる要因があったということでしょうか。

  • kagakusuki
  • ベストアンサー率51% (2610/5101)
回答No.1

 特定の成分を多く含む鉱石の出来方には様々なものがあり、 地熱によって高温となる事で地中に存在していた様々な成分を溶かし込んでいた熱水が通っていた場所において、温度が低下するに従って溶け切れなくなった成分が沈殿する事で特定の成分が濃縮された鉱脈が形成されたものもあれば、 同様の熱水が地中の割れ目の中を流れ続けて行く際に、割れ目の内壁面に溶けていた成分の一部を沈殿させて行った結果、特定の成分が濃縮された鉱脈が形成されたものもありますし、 同様の熱水が海中に噴出して急冷される事で、溶け切れなくなった成分が熱水の噴出孔の周囲に沈殿して幾つかの成分が濃縮された鉱床が形成されたものもありますし、 マグマがゆっくりと冷えて行く過程において、温度が低下して液体のマグマの中に溶け切れなくなった成分がマグマの表面から析出して行く事によって、特定の成分が濃縮された鉱脈が形成されたものもありますし、 周囲の岩石や土砂が風化や浸食作用によってその場から流出して取り除かれる事で、風化や浸食作用を受け難い成分のみが取り残されて鉱脈となったものもありますし、 塩水湖の水が蒸発して行って塩水の濃度が上昇して行く過程において、溶解度の低い成分から順番に析出して行った結果、特定の成分が特定の層に高濃度に濃縮された鉱床となったものもありますし、 太古において生物の進化により光合成を行う生物が登場して、大気中の酸素濃度が上昇した事により、海水中に溶けていた鉄イオンが酸化されて、水に対する溶解度が低い酸化鉄となったために、海底に酸化鉄を多く含む沈殿の層が形成されて鉱床となったものもあります。  詳しくは下記のURLのページを参照して下さい。 【参考URL】  鉱床学 - Wikipedia > 3 鉱床の種類   https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%B1%E5%BA%8A%E5%AD%A6#.E9.89.B1.E5.BA.8A.E3.81.AE.E7.A8.AE.E9.A1.9E  倉敷市立自然史博物館 > 地学のページ > 地質現象のページ > 鉱  脈   http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/tisitugensho/koumyaku/koumyaku.html  倉敷市立自然史博物館 > 地学のページ > 地質現象のページ > 鉱  床   http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/tisitugensho/koushou/koushou.html

kaitara1
質問者

お礼

大変ためになるご教示でした。勉強させていただきます。

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