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強磁性ー反強磁性体転移について
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質問の元ネタは下記URLの論文ですよね? 元ネタがあるときは質問の段階から明示しておいたほうがいいですよ。 3d遷移金属化合物の強磁性-反強磁性転移 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006437112 ここでいう熱的測定とは、要するに比熱測定のことです。 上記論文では、比熱の測定から2種類の議論を行っています。 ・比熱の発散から、相転移の種類と温度を決定する。 ・電子比熱係数から、フェルミ準位の状態密度を決定する。 【比熱の発散】 相転移境界を決めるには、相転移の前後で値の変わる物性値なら何を調べてもよいのですが、その中でも比熱の測定が便利です。なぜなら、上記論文を見てもわかるとおり、相転移の種類が一次でも二次でもはっきりとしたピークが見られるからです。 参考URLにあるとおり二次の相転移では秩序度がじわじわ変化するので、比熱のピークにも幅ができます。上記の論文では、この比熱のピーク幅から相転移が一次なのか二次なのかを議論しています。 【電子比熱】 金属の結晶では、低温における比熱の測定から、全比熱の大部分を占める格子比熱(温度の3乗に比例)から、電子比熱(温度に比例)を分離することができます。この電子比熱の比例係数を電子比熱係数と呼びます。 標準的な固体物性の本には必ず載っているとおり、電子比熱係数は、ゾンマーフェルト展開を使って、フェルミ準位の状態密度から計算することができます。逆に言えば、電子比熱係数の測定から、金属のフェルミ準位の状態密度の大きさを推定することができるということです。 当然のことながら、磁性が異なるとバンド構造も異なります。上記の論文では、相転移でのエントロピー変化を電子比熱の違い(すなわちバンド構造の違い)から説明できるのかを議論しています。 --- 蛇足を承知で言わせてもらいますが、相の安定性を熱力学的に議論する際には、結局は比熱の値が必要になります。したがって、比熱の測定は、磁気転移に限らず、ほとんどどのような相転移においても重要だと思います。
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